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労働新聞 2007年11月5日号・4面 労働運動
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香川・善通寺市
市が人材派遣会社設立 !?
臨時職員組織化し転籍に反撃
善通寺市職員労働組合
小野賢治委員長に聞く
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財政破たんした北海道夕張市などをあげつらいながら、「地方財政危機」のキャンペーンが執ように行われている。そして、公務員労働者への攻撃として、現業部門を中心に公共部門の民営・委託化、アウトソーシング化が全国各地の自治体で強行されている。しかし、兵庫県朝来市では臨時・嘱託職員職場の一括委託・転籍強要という合理化提案に対して住民を巻き込んだ闘いが行われ、市当局の狙いを見事打ち砕いた。香川県善通寺市でも「究極の行革」と称し、市が一〇〇%出資する人材派遣会社への臨時職員転籍・保育所民営化の攻撃に対して、市職労を中心に反撃、臨時職員の組織化を通じて闘い、転籍・民営化の先送りを勝ち取った。この闘いについて、小野賢治・善通寺市職労委員長に聞いた。
「とにかく人減らし」の現市政
現市長(航空自衛隊制服組出身)が一九九四年に就任したが、掲げた公約の大きな柱が「人減らし行革」だった。とにかく人を減らそうということで、自動車学校が丸ごと民営化されるなど、全国的にもあまり例がないことが行われた。それから、し尿収集業務や学校給食の配送、水道浄水所の夜間監視業務などが民営化・委託された。また、五つある保育所も一つが民営化された。市職員は四百七十人の定員だが、こうした民営化・委託化をしながら、一般行政職職員も新規採用を抑え、市長就任の十四年間、百五十人も減らしてきた。
しかし、現業職や幼稚園や保育所という職場はサービス低下につながるので、市当局としても一定の人数を雇わざるを得ない。だが、臨時職員として採用するため、保育所職員の三分の二が臨時職員という状況だ。その他の現業職でも同様だ。
「こうした状況の中、議会筋からも「臨時職員ばかり増えて同じではないか」という声も出てき出し、二〇〇五年九月に市が一〇〇%出資する人材派遣会社「善通寺市総合サービス」が設立された。
まず、市立図書館と市の窓口業務へ派遣する計七人を登録させ、営業を開始。その後、市が直接雇用している臨時職員を順次同社に移籍させ、一二年には百五十人まで登録者を増やして、正職員は二百七十人まで削減するという。
「組合なくして雇用守れず」訴え組織化
正直、この派遣会社設立についての反対闘争はほとんどできなかった。当局が打ち出してきた手当削減や五十五歳以上の昇給停止、査定給導入の提案などの攻撃に対応するのに手一杯だったからだ。
しかし、保育所民営化や、給食で働く臨時職員に今年四月一日付けへの派遣会社への転籍が提案される中で、闘いが始まった。
とくに、給食と保育所の二つの職場は職員の過半数を臨時職員が占め、組織化が課題であった。まず、組織化が始まったのは保育所だ。委員長になった仲間がいた保育所の所長が、子どもが帰ったのに職員を帰さないなど強権的で、このことに不満をもった仲間が人事課や労基署に行って相談した。が、個人では解決がムリと感じ、私たちと意見が一致して、半年くらいかけて昨年七月につくった。
つくるまでの道のりは平坦ではなかった。臨時職員の中には「私たちは腰掛けだから、労働組合なんて…」という人もいる。自衛隊基地の町だから、臨時職員の中には自衛隊員の妻も多くいて、労働組合に対するアレルギーもあった。
そして、今年四月に保護者会と連携して転籍反対闘争を組み、説明会で反対の大論陣を張って、なんとか民営化を一年先送りさせた。
給食の職場では「組合がなければ、雇用は守れない」と働きかけ、昨年十二月に結成した。十二人ほどの組合で、女性が大半の職場の中、若干二十七歳の男性が委員長になった。まだ右も左も分からない中、年明け早々に結成届けを出して、今年二月に自治労の統一要求に合わせて、要求書を提出した。
要求の柱は、転籍には応じない、直接雇用を求めるということだ。しかし、翌日、この要求を無視して、当局は個人に転籍の案内通知を出してきた。
こうした市当局に対して闘争を開始、労働者派遣法やパート労働法の学習会などをしながら、県本部の支援も入って、交渉を重ねた。しかしながら、当局の壁は厚く、当局は「数人でもかまわないから」などと言いながら、四月転籍を譲ろうとしなかった。それに加えて、組合費のチェックオフ廃止を突如提案してきた。
ここにきわまれば、もう大衆闘争を展開するしかないと決め、庁舎前に県内自治労の仲間はもちろん、地区労、連合地協など官民合わせて三百人を集めた。当局は「警察官を導入する」などと脅しをかけたが、なんとかチェックオフ提案の先送りと四月転籍の先送りを勝ち取った。
本音の議論通じて闘い抜いた
闘いの中で、組合員と本音の議論をしながら団結してきた。やっぱり組合員も揺れる。ある組合員の夫は自衛隊員だが、その人と市当局幹部は同級生で、「お前の奥さん、だまらせろ」と。しかし、最後は「どっちが正しいのか」と腹を固めて闘い抜いた。
「赤旗立てて三百人も人を集めて、お前の嫁さんはとんでもないことしよる」と言われたが、それだけ向こうは闘いの発展を恐れている。
結局、集会は直前に一応の妥結を見たので、屋内集会に切り換えたが、他単産の仲間からも「久しぶりにいい集会ができた」という声が寄せられ、単組、単産を超えた団結の輪をさらに広げることができた。自治労本部からも、全国に抗議打電の要請が降りて、相当数の打電が当局に集中して、人事課長がその束をもってきて、「かなわん」と言ってきた。そういう団結の広がりを示すことができた。
住民と結びついた闘いこそ
また来年度からは保育所の民営化が行われようとしている。反対のビラを市職名で出し、全戸一万二千あまりに配布しきった。土木事業ばかりに予算をつぎ込む市政への不満が多くの市民にあり、「がんばれ」「反対署名するなら協力する」という電話やメールも寄せられている。
保育所など公共サービスであることのを良さを訴えながら、本当に予算がないのかどうか、判断する材料、情報を当局が公開しないなら、われわれ労働組合が公開していき、どっちが正しいのか住民に問うていきたい。やはり、住民と結びついた闘いが必要だ。
「公務員の賃金は高い」と言われるが、われわれの賃金、労働条件が「高い」のではなくて、これが崩されたら地域全体の賃金水準が下げられてしまうということだ。私は地区労の事務局長もしているので、ここは強調したい。
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