|
労働新聞 2007年10月15日号・4面 労働運動
|
連合第10回定期大会
民主党への「政権交代」で
活路は切り開けない
|
連合は十月十一、十二日の両日、東京で第十回定期大会を開催した。
トヨタやキヤノンなど一握りの多国籍企業だけが外需で史上空前の繁栄を続けているのとうらはらに、労働者への「分配」は低減し、低賃金で無権利の非正規労働者が激増、貧困化が進み、年収二百万円に満たない「ワーキングプア」層が一千万人を超えるという事態が進んでいる。
にもかかわらず、労働組合の顔が見えず、「大企業正社員と公務員中心の連合はもはや労働者を代表する組織ではない」との批判さえ起こる中、どんな運動方針を決定するか注目された。また、参議院選挙で自民党が歴史的に大敗し、民主党が参院で第一党の位置にたち、民主党による「政権交代」への幻想が広がる中、政治方針での議論が注目された。
「非正規労働センター」の設置は決まったが
大会では、今後二年間の運動の力点として「非正規労働者や中小零細企業で働く労働者への支援・連携の強化、組織化の推進に最優先で取り組む」として、その目玉として「非正規労働センター」(仮称)の設置を決めた。センターは、「パート、有期契約、派遣労働者を支援し連帯していくため、非正規労働者対応専門の部署」として設置され、「インターネットを活用した情報提供、社会的キャンペーン、労働相談、労働条件改善、交渉支援などの機能が発揮できる体制をはかる」としている。
この間、連合内部でも企業規模間の格差是正、非正規労働者問題が深刻化する中、JAM、UIゼンセン同盟、サービス・流通連合などによって「中小共闘」「パート共闘」が立ち上げられ、わずかだが「成果」もあがってきた。大会でも、全国ユニオンの代議員から日雇い派遣労働者を組織化した経験が報告され、私鉄総連からも非正規労働者の正社員化の取り組みが報告され、サービス・流通連合、連合北海道など「センター」設置を歓迎する発言があった。
しかし、この方針が非正規労働者の深刻な事態を実際に改善するものにできるかどうか、これからの大企業、公務員中心の企業内組合の対応、連合としての闘い、実践にかかっている。この期間の非正規化が激増した元凶は、多国籍企業を中心とする資本の側の安あがりの労働コスト政策だが、組合側にも正社員の雇用を守るために容認してきた責任がある。しかも、資本の側には、「未組織の非正規労働者の増大は労使関係の基盤を不安定にする」という角度から、この連合の動きを歓迎する思惑もある。
したがって、センターが非正規労働者の要求を本当に実現するには、産別、ナショナルセンターを超えた、文字通り大規模な大衆的闘いの構築が不可欠で、そのための連合内部での闘争は避けられない。
小沢民主党への幻想を捨て、国民運動構築の先頭に
連合は、参院選での民主党支援、「与野党逆転」を、「『政権交代可能な政治体制』が現実的なものになった」と高く評価、「民主党を基軸に、与野党逆転を勝ち取り、政権交代をめざす」ことを決定した。
さらに来賓としてあいさつした小沢・民主党代表は、「力を合わせてがんばれば多数与党を打ち破れるとの自信を持てたことが最大の成果」と連合との連携を持ち上げ、総選挙で「政権交代」を実現すれば、苦難が解決できるかのような幻想をあおり立てた。
だが、こんにちの労働者の苦難の根源が一握りの多国籍企業による搾取と収奪、彼らのための改革政治にある。小沢民主党はその由来や議員構成からして、その多国籍企業が自民党一党支配に代わる安定した政治支配を求めて策動してきた二大政党制の一方の装置であって、民主党中心の「政権交代」によって労働者や国民の生活が基本的に改善することなどあり得ない。まして、日米関係、安全保障など国の基本政策で自民党と対立することなどあり得ない。
小沢民主党は、こんにち焦点となっている米軍支援のテロ特措法延長、新法問題では総選挙をにらみ「反対」を主張しているが、他方で「日本が責任をシェアする覚悟が不可欠」などといい、政権を取れば、国連治安支援部隊(ISAF)をはじめとする武力行使も辞さないと明言、自衛隊の海外派兵に積極的な態度を示した。
多国籍企業のための二大政党制を労働組合の側から促進する、連合の政治方針は労働者の基本的要求を実現できないばかりか、反動的である。大会では、残念なことに誰一人、連合のこの方針に対して反対を唱えるものはなかった。
真に労働者階級と国民の困窮化、窮状を打開するために、小沢民主党への幻想を打ち破り、二大政党制を挫折させる先進的労働者の任務は、ますます重大となった。連合沖縄の代議員は、沖縄戦での「集団自決」の日本軍関与削除に抗議する九・二九沖縄県民大会を力強く報告し、連合への対応を求めた。
労働運動は自ら労働条件の改善のために断固たる闘いに立ち上がるだけでなく、「改革」の犠牲になる農民、中小零細企業の要求を実現するために、さらには沖縄県民の一大決起にこたえ、対米従属、軍事大国化を阻止しアジアの共生の国の進路を切り開くために、国民的闘いの先頭に立たなければならない。
Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2007 |
|