労働新聞 2007年7月25日号・4面 労働運動

秋田県職労
突然の賃金カット提案に反撃

「共闘会議」つくり撤回迫る

 参院選が行われているが、安倍政権は公務員労働者・官公労に対する攻撃を強めている。地方財政の危機を公務員労働者に押しつける「厚遇」キャンペーンを許してはならない。また、小泉?安倍と続くの地方切り捨て政策と闘うと同時に、地方における具体的な給与カット、諸手当削減、民間委託化などの総人件費抑制攻撃とも対峙(たいじ)しなければならない。地方財政悪化の責任は国と、その国の政策に追随してきた地方反動派こそにある。秋田県でも寺田知事が五%の給与カットを打ち上げ、闘いが始まっている。小川純・秋田県職員労働組合書記長に聞いた。(見出し、文責は編集部)


県政の責任明らかにせよ
小川純・秋田県職員労働組合書記長に聞く

寝耳に水のカット提案
 二月定例県議会の冒頭、知事が七月から職員給与を五%カットするという提案を突如した。また管理職手当についても二〇%カットの提案だ。まったく寝耳に水の提案で、ただちに抗議して、団体交渉に応じろと秋田県教職員組合、秋田県公営企業職員労働組合など県と協約締結権のある組合、そして自治労県本部、連合とで「賃金カット阻止秋田県共闘会議」をつくり阻止に向けた取り組みを開始した。
 その後、三月二十二日に最初の交渉が行われ、知事も「組合員に混乱を与えた」「遺憾」という回答を行ったが、「これはあくまで所信の表明」であって、具体的な交渉については「これからやらせてもらう」という態度であった。
 このような知事・当局側の姿勢では「労使対等な交渉ができるか疑わしい」ということで、「組合の合意がなければ条例提案をしない」ということや、財政問題の原因と責任を明らかにすること、そして、知事は県職員の給与について「人勧を尊重します」と言ってきたわけで、今回、このような独自給与カット提案を行った矛盾に対する説明などを求める要求書を手渡した。これまでの労使慣行や交渉ルールが決まっており、また、財政悪化の原因は少なくとも職員の賃金が原因ではないことは明らかだ。
 四月の二回目の交渉では年度が替わり、新しい当局の担当者が「組合との合意が大事」とだいぶ柔軟な姿勢を見せていたが、それでも「(カット提案は)やらせてもらう」と、また矛盾のある対応に終始した。五月の三回目の交渉でも「合意のない提案をするな」「十分な交渉を行え」と要求したが、不調に終わり、議会に強行提案する観測が強まった。
 こうした知事・当局の姿勢に対して、「共闘会議」としても交渉はもちろん、毎週にわたる集会など行動を行い、給与カット提案をするなと迫ってきた。
 しかし、知事・当局は六月の交渉で一方的に団交を打ち切り、開会中の県議会に給与カットの条例改悪案を上程した。

全会派が取り下げ要求
 ところが県議会では「組合との交渉途中でこういう提案するのはどうか」の意見が多く出て、与党含む全会派が知事・当局に対し、提案の撤回を求めるという事態になった。
 にも関わらず、知事は県議会議長との面会さえも拒否、県議会の申し入れさえ拒否した。
 結局、こうした異例の事態を受け、実質的な審議は行われず、議会は閉会、給与カット提案は継続審査という形になっている。

「子育て増税」への地ならし許すな
 知事は「少子化対策」として「子育て新税」の導入を打ち出し、大きな焦点になっている。これは二〇〇九年度の導入を目指し、現行税率四%の個人県民税所得割に〇・四%を上乗せし、年間約二十五億円の税収を見込むというものだ。知事は給与カット提案との関連を否定しているが、この新税導入の地ならしとして給与カットが提案されたのではないかという強い疑問を持っている。
 また、県財政の悪化についても、知事・当局のこれまでの財政政策の責任を明確化しない中、一方的に給与カットという発想では真に財政規律は守れない。
 地方交付税が削減されていくことは明らかで、「三位一体改革」などの国の責任は大きいが、見通しもないままばく大な県債を発行してきた知事・当局の責任も大きいはずだ。
 公務員バッシングの尻馬に乗って、乱暴とも言える知事・当局の姿勢を認めるわけにはいかない。
 一般の県民からも「子育て新税」の問題などと併せて、知事の県政運営について「あまりにトップダウン的だ」という批判の声も多く出ている。
 それでも当局側は「提案内容を変える気はない」と言っている。交渉自体はわれわれが要求すれば受けざるを得ないが、「中身の議論はしない」という態度だ。
 九月議会が正念場になるが、「共闘会議」を強めていきながら、連合傘下の民間労働者の理解も得ながら、知事・県当局の姿勢を正していきたい。


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