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労働新聞 2007年3月15日号・4面 労働運動
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07春闘
内需型産業を核に
「有志共闘」旗揚げ
怒りのエネルギーこそ勝敗決する
渡邉 和夫・「有志共闘」座長、
フード連合会長に聞く
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「反転攻勢」がいわれている〇七春闘の中で、二月二十一日、連合内の内需型産業を中心とする六産別が「有志共闘」を旗揚げし、第一のヤマ場(三月十四〜十七日)に回答水準を公表し、後に続く中小の闘いに波及させたいとしている。自動車、電機など多国籍大企業を中心とするJC共闘の形骸化が言われている中で、より厳しい状況にある内需型産業の産別による新しい動きとして注目すべきである。この「有志共闘」の座長で日本食品関連産業労働組合総連合会(フード連合)の渡邉和夫会長にこの「共闘」のもつ意味などについて聞いた。(見出し・文責は編集部)
新しい共闘へ挑戦
いわゆる自動車や電機などの外需型産業を中心とした「最高益更新」が言われる。だが、御手洗・日本経団連会長の主張に典型的だが、経営側は「国際競争力の強化」という主張で、賃上げには否定的だ。
しかし、サービスや流通、あるは国内に依存している私たち製造業などの内需系では、正直あまり関係ないという思いをもっている。「景気回復」などと言われても、内需型産業は依然として厳しい。厳しい環境だが、自分たち自身が要求することによって、内需なり消費マインドを喚起しないと、マイナスのスパイラルに入ってしまう。
小出JAM会長が中小共闘を三年手がけ、昨年にはサービス・流通連合の桜田会長の下、パート共闘が発足して、春闘の中で存在感を高めている。昨年秋から連合の中でも、新しい共闘のあり方について議論が行われてきた。
これまで、JC共闘が春闘の方向を形づくり、そこを中心にマスコミも報道し、そこで相場は固まったという雰囲気は否めなかった。しかし、〇三年に「トヨタでさえベアゼロ」ということで、中小では、定昇のないところはまったくゼロ、実質マイナスの給料になっているという図式が固定化してしまった。これに対する憤りは強い。
こういう問題意識もあって、最初のスタートとして、私たちフード連合とUIゼンセン同盟、JAM、サービス・流通連合、JEC連合、紙パ連合が参加する形で、とりあえず「有志共闘」という名称でスタートした。
この間のJC共闘が果たしてきた役割を否定するわけではないし、われわれの新しい共闘がそれを超えるレベルまで行けるのかどうかはまだ分からない。それでも、同時並行的に、中小を多く抱える産別の中で、JCと同時決着できるタイミングで、回答を引き出せるところが、「共闘」という枠組みの中で結果を出せば、一定のバランス効果が働くだろう。もちろん、最初の年なので、緩やかな形でスタートし、来年、再来年とつないでいければいいと思っている。反転攻勢をめざす連合の中で、中小共闘、パート共闘と並んで役割を果たせればいい。
難しさあるが、積極的に要求
私たちフード連合では中小が圧倒的に多い。業種的には十三同一業種を基本に十三部会で構成している(食肉、乳業、水産冷食、醤油味噌、糖業、油脂調味料、製粉、パン、菓子、飲料ビール、酒類、たばこ関連、流通・食品)。
全国で食品加工業で働いている人は約百三十万人、まだ一割弱の組織率だ。この業界は、多くが中小で、地場に位置しており、家内工業とは言わないが、同族系列も多く、労使関係上ではかなり封建的な部分がある。経営者の労働組合に対する理解というのは低いと言わざるを得ない。
昨年から、「賃金改善」「カーブ維持だけでなくてベアも」という方針を掲げたが、半数以上の大手が「カーブ維持」にとどまって、賃金改善要求を組みきれなかった。少数の大手含めて組んだ単組もあったが、賃金改善を勝ち取れなかった。業績のバラツキがあるので、一概には言い切れないのだが、成果については不満も残った。
だから、今年は「有志共闘」にも加わっていく中で、文字通り「方針に結集しよう」という流れをつくり、かなりの大手組合が賃金改善を要求した。いきなり要求額をそろえるのは難しい。業績も芳しくなく、バラつきはあるが、いずれにしても「みんなでやろう」ということになった。ここ五〜六年は「定昇のみ、ベアなし」で推移してきたから、今年、要求して初めて「共闘って大事だ」という思いを強くしている。
この間に役員も替わってるので、ベア交渉をしたこともない役員もいる、「共闘ってどういうことか」「最低でもいくら」という申し合わせをする中、初めて難しさを実感をしながら交渉をしているところだ。
この間のデフレを経験をする中で、「労働組合も経営に協力しないと、雇用も守れない」という意識が強くなりすぎて、運動自身が「内にこもる」という傾向があったことは否めない。
要求したい気持ちはあるが、会社の業績は特段よくなっていない。そういう中で何を論拠に要求を掲げるんだというのが見いだせないジレンマが、若い、経験をしていない役員にはある。
しかし、今年は共闘する中で「最低でもここは申し合わせとしてやっていこう」「モノ分かりのいい労働組合で、会社から頭をなでられていては世の中、通らない」という思いが広がっている。組織率の低下、非典型労働者の増加という状況の中で、要求を求めざるを得ない流れが出てきていると思う。
もちろん単組の事情でいくつか「今年も見送ります」というところもあるが、業種が違っても横にらみをして積極的に要求を出していきたい。食品の経営者の皆さんも会合を開いて、「どうするんだ」という話をしているらしいが、それはこちらがベアを要求したからで、対応せざるを得なくなったのだ。
まっとうに要求し、「反転攻勢」確かに
今度「有志共闘」という名前で発足したが、いずれなにがしかの正式な名前が出来ていくだろう。いま、私が組織で言っていることは、「怒りをバネにした運動でなければだめだ」ということ。長時間労働、社会の矛盾に対して怒りを忘れているというか、できれば「勝ち組」にいたいという発想で、労働運動や政治に関わることがダサイみたいな風潮がある。だから、「キチッとした怒りをもつことが闘うエネルギーになる」「怒りのエネルギーの強さが、交渉に勝つか、負けるかを左右する」と言っている。
そういう意味で、まっとうに要求を組織化し、交渉をしていく組合を増やしていくことがとても大事で、ここ数年、デフレの中で怒りをぶつける場を失っている中小、虐げられている人びとに総体として力を与えていくことになると思う。「反転攻勢」という流れを本当に確かなものしたい。
わたなべ・かずお
千葉県出身。七五年キッコーマン(株)入社。八一年同社労組執行委員。九〇年同副委員長。九五年同委員長、食品連合副委員長。〇二年フード連合会長。〇四年連合副会長
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