20011205

都高教

人事考課の撤廃求め集会

学校を壊さないで


 東京都では昨年度から、都立学校の教職員を対象に人事考課制度を導入した。 人事考課制度とは、教職員が年度当初に各学校長の「学校経営方針」にもとづいて「自己申告書」を提出し、年度末には校長・教頭が教育委員会の示した「評価項目」や「評価の観点」にそって「業績評価」し、教育長がそれを「五段階相対評価」にして、教職員の給与や人事異動に反映させるという制度である。
 東京都高等学校教職員組合(都高教)は、今年八月に人事考課制度の問題点や教職員の声をまとめた「人事考課黒書」を発行したり、人事考課制度の撤廃を求める署名運動などを展開してきた。
 こうした中、都高教は「学校を壊さないで! 人事考課制度を告発する教職員と市民法廷」を12月1日、東京で開催。教職員や市民など約300人が参加した。
 主催者を代表してあいさつに立った甲谷徹・都高教委員長は「昨年度から人事考課制度が導入されたが、都のすべての学校に教育委員会の意思を貫徹させようという攻撃だ。また都では職員会議の機能を封殺するような攻撃も行われている。給与や人事異動に『業績評価』を反映させ、『校長のリーダーシップの強化』の名の下に、意を唱える教職員を排除するのが人事考課制度だ。教育現場を無視した都教委の姿勢は変えなければならない。そのためにも多くの都民とともに運動を広げていきたい」と、人事考課制度を導入した都教委を厳しく批判した。

現場からの告発 教育現場を荒廃させる

 また「現場からの告発」として、2人の都立高校の教師が演壇に立ち「人事考課制度が導入され、約1年がたつが、学校現場は重苦しい雰囲気につつまれている」、「生徒たちのため一生懸命になるのが本来の教師の姿だが、人事考課制度は自分の業績をいかにあげるかに力が注ぐような教師をつくりだす」、「都教委や校長が望む教師像と生徒たちが望む教師像は必ずしも一致しない」などと、学校現場から見えてくる人事考課制度の問題点について報告を行った。
 続いてパネルディスカッションが行われ、勝野正章氏(お茶の水女子大講師)は「米国ではすでに同様の制度が導入されたが、失敗であったという評価が支配的になっている。教師の実績に給与などでの評価を与えることが果たしてよいのか」と述べた。
 鎌田慧氏(ジャーナリスト)は「日本の民間労働運動が能力給の導入などによって分断されたが、この人事考課制度も教員同士のつながりを分断するものを狙ったものだ。教育現場を荒廃させるようなこの制度はつぶさなくてはいけない」と、人事考課制度のもたらす教員分断の危険性を指摘した。
 三浦久美子氏(元都立高校PTA連合会副会長)は「ある私立高校では出席率を上げるため、熱があって休んでいる生徒を家まで迎えに行って登校させるということがあったと聞く。教師が自分の評価をあげるため、『手のかかる生徒』やいわゆる『問題のある生徒』を切り捨てる心配がある」と、保護者の立場から人事考課制度への危ぐを指摘した。
 伊勢友子氏(都立小石川高校卒業生、大学生)は「高校在学中、生徒会役員をやっていた。文化祭で都立高校の統廃合問題について展示をしたが、こうした活動を支えるような先生は切り捨てられるのではないか。また進学率を上げることが先生の評価につながって、予備校と変わらないような高校がたくさんできてしまう」と、高校生当時の活動を振り返りながら発言した。
 パネルディスカッションはその後、集会参加者も交えながら進行した。
 集会のまとめとして発言した多賀哲弥・都高教副委員長は「教職員、保護者、生徒たちと結びついて人事考課制度の廃止を求める運動を強化したい。人事考課制度を東京の段階でつぶし、この悪しき制度を全国に波及させない」と、決意を表明、参加者一同の拍手で確認し合った。

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