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労働新聞 2010年4月15日号 トピックス

世界のできごと

(3月30日〜4月9日)

米ロが戦略核兵器の削減で合意
 米国のオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領が四月八日、チェコのプラハで新たな核軍縮条約(新START)に調印した。両国の戦略核弾頭数は千五百五十へ削減する。米国は深刻な財政難で、膨大な核兵器の維持費の削減が最大の狙い。そのため、東欧へのミサイル防衛(MD)計画を撤回してまでも調印に持ち込んだ。米国の衰退が如実に示された合意である。

オバマ、核戦略の見直し発表
 オバマ米政権は六日、今後五〜十年間の米国の核戦略の指針となる議会への報告書「核体制の見直し」を公表した。オバマ大統領が提唱した「核兵器なき世界」を推進すると明記し、核拡散防止(NPT)条約を順守する非核保有国に対し「米国は核兵器を使用しない」と宣言した。他方、朝鮮民主主義人民共和国やイランには核攻撃を辞さないとしている。今回の「見直し」は、中小国に核開発を思いとどまらせ、核独占を維持するための欺まんである。


キルギス政変、米は基地喪失の可能性
 中央アジアのキルギスで、バキエフ大統領の辞任を求める大規模デモを主導した野党勢力指導者オツンバエワ元外相は八日、首都ビシケクで全権掌握を宣言した。バキエフ大統領は、米国が支援する「チューリップ革命」によって政権に就き、アフガン侵略戦争のために基地を提供してきた。野党勢力は米軍基地閉鎖を求めており、米国は中央アジアにおける拠点を失う可能性がある。一方、プーチン・ロシア首相は新政権をいち早く承認するなど、積極的な関与策を取っている。

ASEAN、景気回復に共同強化
 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は九日、ベトナムのハノイで会議を行い、ミャンマー情勢や地域統合問題などについて意見交換、経済の持続的回復と発展に関する声明と気候変動への共同対応に関する首脳声明を採択した。声明は出口戦略を主張し、経済を強い成長軌道に戻すため各国が協力する必要性を強調した。また、二十カ国・地域(G20)の枠組みを支持し、ASEAN議長国ベトナムがG20首脳会合へ引き続き招待されることを求めると、地域共同体としての自信と国際的発言権を求めた。経済発展を背景に、アジアの発言権強化をめざす動きである。

人民のたたかい

(3月30日〜4月9日)

 フランス国鉄労組は六日、無期限ストに突入した。人員削減につながる国鉄再編計画に抗議するもので、国内線はこの日の夜行列車が全面的に運休した。
 ベトナムにある台湾の製靴大手、宝成国際集団のベトナム法人「宝成ベトナム」の工場で、数千人の労働者が二日からストライキに入った。労働者らは賃上げと祝日出勤時の割増賃金支給などを要求している。
 韓国のクモタイヤ労組が、三月三十一日から全面ストに入った。会社側が再建策として労働者の賃金削減などを出したため。
 韓国民主労総などは三十日、原州市で全国公務員労組の闘争を支持する行動を開始し、李明博政権を糾弾する行動を行った。
 韓国のMBCテレビ労組は四月五日からストライキに入った。MBCが労組との約束を破って大統領府(青瓦台)の人間を特任理事から副社長に選任したため、政府の介入に反対して闘われている。
 英国ロンドン・キングス大学の職員組合員は、三十一日からストライキに入った。これは、労組が当局に二百人以上の整理解雇の撤回を求めたが、当局が拒否したため。


日本のできごと

(3月30日〜4月9日)

新味ない「たちあがれ日本」
 自民党の与謝野元財務相が四月七日、離党を表明した。その後、園田前幹事長代理、藤井元運輸相、中川参議院議員も相次いで離党、無所属の平沼元経産相とともに「たちあがれ日本」を結党することを明らかにした。だが「反民主」以外に政策的一致点が少ないなど、参議院選挙前の数合わせ。自民党のちょう落は止まらず、財界の願い保守二大政党制はますます難しい。

米USTR、牛肉などで対日要求
 来日したマランティス米通商代表部(USTR)次席代表は七日、「重大な懸念」として、米国産牛肉の輸入制限、郵政民営化の「後退」、自動車購入支援制度をあげ、日本政府の譲歩を迫った。とくに、牛海綿状脳症(BSE)の危険性評価に基づく牛肉輸入制限を「非科学的」と決めつけ、輸入条件を現行の「生後二十カ月以下」から「三十カ月未満」に緩和するよう求めた。背景には、オバマ政権が「輸出倍増」を掲げていることがある。鳩山政権は、国民の健康をないがしろにする圧力を受け入れるべきではない。

高校無償化法案が成立
 高校無償化法案が三月三十一日、参議院で可決・成立した。公立学校の授業料は四月から無料となり、私立高校生をもつ家庭には就学支援金が支払われる。だが都道府県から授業料減免措置を受けている低所得層には利点が小さく、公立と私立の「格差」も残る。財源として特定扶養控除が縮小されるため、子どもが高校に行っていない家庭には逆に負担増となるものだ。

「中期財政フレーム」検討始まる
 政府は四月六日、中期的な財政運営に関する検討会を開き、二〇一一年度から三年間の歳出入の大枠を示す中期財政フレームの論点整理をまとめた。「財政健全化」のゴールとして、公的債務残高の対国内総生産(GDP)比の縮減を指摘、基礎的財政収支に向けた段階的な目標などを定めた。会議は支配層にとって「財政再建」が待ったなしの課題であることを示すと同時に「歳入面での改革も避けることはできない」と、消費税など国民への大増税のための「行程」の一つでもある。

郵政改革法案の骨子決まる
 鳩山政権は三月三十日、郵政改革法案の「最終案」について協議、大枠の方針を決めた。ゆうちょの預入限度額は現行の一千万円から二千万円、かんぽの加入限度額は千三百万円から二千五百万円に引き上げる。また現在の五社を三社に集約、政府の出資比率を三分の一以上確保する。ただし限度額は一一年の法律施行時に再検討するとした。改革法案は、参院選での「郵政票」を目当てにした党利党略。同時に、ゆうちょなどに膨らむ赤字国債を買い取らせるためとする見方もある。


高速料金を実質値上げ
 前原国交相は四月九日、高速道路の新しい料金制度を発表した。現在の「土日一律千円」に代わり、普通車二千円、軽自動車千円の上限制とし、時間帯割引などは廃止。事前登録を条件に、エコカーには軽自動車並みの割引を行う。マニフェスト(政権公約)で掲げた高速道路無料化が一部路線にとどまることの代替策だが、鉄道などを含めた交通体系についてのビジョンがない上、首都高速などが距離制となることで実質値上げとなるものだ。

国労闘争解決案、再雇用は保証なし
 国鉄分割・民営化にともなう国労などの組合員に対するJRへの不採用と旧国鉄清算事業団からの解雇問題で、政府・与党と公明党は九日、国労などと解決案で合意した。和解金として一人当たり約二千二百万円を支払い、JR各社などに対し組合員約二百人の雇用確保を「要請」する内容。国労にとっては闘争の長期化、労働者の高齢化で余儀なくされた合意だが、JR側は再雇用に応じる構えはなく、和解案の実現さえ曲折が予想される。


後期高齢者医療制度、負担さらに重く
 厚生労働省は三月三十日、七十五歳以上を対象にした後期高齢者医療制度における一〇年度の年間保険料が、二年に一度の見直しにともない前年度比で二・一%増え平均で六万三千三百円になると発表した。上げ幅が最大なのは徳島県で年四千円もの負担増。民主党はマニフェストで同制度の廃止を約束したが、廃止どころか高齢者にさらに負担を押し付けようとしている。


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