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労働新聞 2010年4月5日号 トピックス

世界のできごと

(3月20日〜3月29日)

米国、医療保険改革法が成立
 オバマ米大統領は三月二十三日、下院で可決された医療保険改革法案に署名し、同法が成立した。無保険者約三千二百万人が公的補助によって民間保険に加入するが、本格開始は二〇一四年から。秋の中間選挙を前にして支持率低下に悩むオバマ政権は「実績」をあげることが至上命題で、修正を重ねた末に成立にこぎつけた。しかし、これで米国の医療事情が改善するわけではない。同法に反対する共和党は中間選挙を同法の「国民投票」として攻撃を強めるとしており、オバマの政権運営は引き続き厳しい。

米大統領、アフガン電撃訪問
 オバマ米大統領は二十八日、就任以来初めてアフガニスタンを電撃訪問した。オバマ政権は米軍三万人増派と一一年七月の米軍撤退開始を決定しているが、傀儡(かいらい)のカルザイ政権は旧支配勢力タリバンの猛反撃で劣勢に立ち、さらに汚職問題などで統治能力を失っている。米国内ではオバマ大統領のアフガン介入への批判も高まっており、アフガン政府を支え続けることの正当性をアピールすると同時に、カルザイ政権にも直接圧力をかけるための訪問だった。しかし、アフガン人民の抵抗は根強く、米国はますます泥沼に引きずり込まれている。


ギリシャ支援、IMFと協調融資
 欧州連合(EU)のユーロ圏十六カ国の首脳会合が二十五日開かれ、ギリシャが資金調達難に陥った場合、資金の大半はユーロ圏諸国が二国間融資で調達し、残りは国際通貨基金(IMF)が支援することで合意した。支援策の発動にはユーロ圏の全加盟国の支持が必要。サルコジ仏大統領はIMFからの支援はユーロの敗北だとして難色を示した。しかし、メルケル独首相はギリシャ支援をめぐり世論の反発を受けており、自国の負担軽減のためにIMFの支援を求めた。欧州としては苦渋の決断といえる。

サルコジ政権、地方議会選で大敗北
 フランスで二十一日に実施された地方議会選挙の最終投票で、社会党などの「左派連合」が得票率五四%を獲得して勝利し、サルコジ大統領の支持母体である保守系与党の国民運動連合(UMP)は三五%と大敗した。また、極右政党・国民戦線(FN)は約九%の得票をあげ十二地域圏で躍進した。一〇%の高失業率が続き雇用が改善されない中で、年金システム改革による年金削減を進めるサルコジ政権への国民の強い反発を反映した。選挙後、サルコジ政権は労働大臣の更迭に追い込まれるなど、窮地に立たされている。

人民のたたかい

(3月20日〜3月29日)

 イラク戦争開戦から七年を迎えた三月二十日、米国ワシントンで反戦活動家など数千人が全米から結集した。参加者はオバマ大統領のアフガン増派策に抗議し、イラクやアフガニスタンからの米軍の即時撤退を求めた。
 ロシアの五十都市以上で二十日、反政府デモが行われた。物価や失業率の上昇、公共料金が大幅に値上げへの批判が高まっており、大規模なところでは二千人がデモ。住民らはプーチン首相の退陣を公然と要求した。
 フランス各地で二十三日、年金問題や雇用問題をめぐって、数十万人規模の大規模なストライキや抗議活動が行われた。サルコジ政権は地方選でも大敗するなど、国民犠牲の改革路線への非難が高まっている。パリでは同日、不法移民労働者に対する支持を訴えるデモも行われた。
 欧州三位の航空会社、英国のブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の客室乗務員が二十日から三日間、二十七日から四日間のストに突入した。労組のユナイトは昨年十一月に発表された長距離便での乗務員減員と二年間の賃上げ凍結に反対し、給料や労働条件の改善を求めている。


日本のできごと

(3月20日〜3月29日)

普天間「県内移設2案」を正式伝達
 北沢防衛相は三月二十六日、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり仲井真沖縄県知事と会談、同県名護市にまたがる米軍キャンプ・シュワブ陸上部案と、同県うるま市にある米軍ホワイトビーチ沖の埋め立て案の二案に、訓練や基地機能の一部を徳之島(鹿児島)など県外に移転する案を組み合わせることを正式に伝えた。事実上、沖縄県外移設を断念したことを認めたもので、昨年総選挙時に「最低でも県外」と訴えた鳩山首相だが、それが空手形だったことが明白になった。

問題含む子ども手当て法成立
 子ども手当法が二十六日、成立した。二〇一〇年度は中学生までの子ども一人あたり月額一万三千円が六月から支給される見通し。「子育てを社会全体で支える」という理念は立派だが、一方で待機児童数は昨年十月時点で過去最多となるなど、子育てをめぐる社会状況を改善しているとはとてもいえない。また児童手当や扶養控除の廃止などを加味すると、子ども手当ては高所得層ほど手取りが増える逆進性もあり、公正性の観点からの問題点も含まれる。

海外権益拡大、原発増産の基本計画
 経済産業省は二十四日、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の骨子案を公表した。日本が海外に持つ資源権益も加えた「自主エネルギー比率(仮称)」の創設を提唱、これを現在の三八%から二〇三〇年までにほぼ二倍の七〇%に高めることなどを明記した。海外の資源権益拡大は軍事大国化と表裏一体であり、警戒が必要だ。また、原子力発電所を二〇年までに八基、三〇年までに十四基増設する目標も盛り込み、危険な核政策も押し進める計画だ。

与那国島への自衛隊配備検討を指示
 北沢防衛相は二十九日、与那国島への陸上自衛隊部隊配置について事務方に検討を指示したと「日経新聞」のインタビューで答えた。同島への配備は、ほど近い中国をけん制する狙い。鳩山政権が、自民党政権と変わらぬ中国敵視政策であることを示した。また武器輸出三原則について、運用を見直し米国以外の国とも武器・武器技術の共同開発を可能にして防衛産業を活性化すべきだとの意向を表明するなど、ここでも自民党と同じである。

中井担当相が朝鮮学校敵視の暴言
 中井拉致問題担当相は二十三日、朝鮮学校の生徒を「(日本が)制裁している国の国民」として、高校無償化の対象外にするよう、あらためて川端文科相に申し入れた。また二十六日には参院拉致問題特別委員会で法務省担当者から「(朝鮮籍は)歴史的経過から朝鮮半島出身者を示すもので、北朝鮮籍をあらわすものではない」と説明されたにも関わらず「国籍があろうがなかろうが、向こうの国の方だ」などと繰り返した。誤った知識と、敵意むき出しの偏見に基づいた高校無償化からの除外には何の理もない。


水俣病和解で前進も課題多く
 水俣病未認定被害者らでつくる水俣病不知火患者会が国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めていた集団訴訟で二十九日、熊本地裁が示した和解所見の受け入れで基本合意が成立した。政府は、近く救済策を閣議決定する。合意は、症状や出生年、居住歴など判定に関する要件についてほぼ環境省案を基本とし、和解の対象を約四万人としている。しかし専門家らは潜在的被害者を十万人以上と指摘、この合意に沿った救済策でも多くの患者が認定からもれる見通し。患者団体の受諾は高齢化や病状の悪化に苦しむ中での苦渋の選択で、政府には真にすべての患者を救済する責任がある。

地方財政健全化法が本格稼動
 大阪府泉佐野市などの「早期健全化団体」二十一市町村がまとめた初の財政健全化計画が二十四日、出揃った。これらの自治体は、昨年施行された地方財政健全化法に基づき、〇八年度決算をもとに国から「財政破たんの危機がある」とみなされ、今年三月末までの「財政再建計画」づくりが義務付けられていた。二十一自治体は固定資産税率引き上げや「入村税」新設など住民の負担増、また職員の人件費抑制などを約束させられた。住民犠牲を国が強要する同法が本格稼動した。


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