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労働新聞 2008年3月25日号 トピックス
米国の金融不安が再拡大
米国の大手証券会社ベアー・スターンズは三月十六日、事実上の破たんに追い込まれ、大手銀行JPモルガン・チェースが買収して救済した。これを契機に米国の金融不安が再拡大し、ドル安に追い打ちをかけている。米連邦準備理事会(FRB)は十八日、政策金利のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を〇・七五%引き下げて年二・二五%とした。FRBはサブプライムローン問題が表面化した昨年夏以降、FF金利を六回も引き下げたが効果なく、金融不安の深刻化は世界経済に波及してきている。
チベット暴動口実に中国揺さぶり
中国チベット自治区のラサで十四日、店舗が放火されるなどの暴動が起こった。温家宝首相は十八日、騒乱はインドに亡命中のダライ・ラマ十四世を支持する一派が主導したものだと述べた。暴動は、急激な開放政策の中で深まる国内矛盾が露呈したものでもある。一方、チベットの分離・独立をあおる欧米のグループなどは、北京五輪や台湾総統選挙を前に中国への揺さぶりを狙っている。フランスなどからは北京五輪の開会式不参加などの声も出ているが、中国の内政に干渉すべきではない。
フセイン前政権はアルカイダと無関係
米国防総省が膨大な資料と尋問を元に「サダム・フセイン元イラク大統領と国際テロ組織アルカイダは無関係」とする報告書をまとめたことが、十三日に報道された。イラク戦争の開戦理由がウソであったことが改めて明らかになったわけだが、ブッシュ大統領は恥知らずにも「イラク戦争の成功は明白」と開き直った。独立国の政権を武力で転覆し、イラクを混乱に陥れた米国の責任は、厳しく問われなければならない。
米軍関係者の性犯罪が2688件
米国防総省は十四日、全世界で米軍関係者が関係した性犯罪についての報告書を発表した。これによると〇六年十月から〇七年九月の一年間に二千六百八十八件の性犯罪を起こしており、一日に七人以上の女性が被害にあっている計算となる。そのうち約千四十件は証拠不十分などで米軍関係者の処分なしに捜査が終了しているが、許せないことだ。これは表面化した事件だけであり、氷山の一角に過ぎない。また、米兵は殺人などの凶悪犯罪も世界各地で多数起こしており、米軍基地撤去を求めるわが国世論の正当性は明白だ。
イラク戦争開戦から五年目の二十日を前にした三月十五日、米国のロサンゼルスで数千人が集まり、抗議デモが行われた。十九日にも、ワシントンでデモ行進が行われた。
英国ロンドンで十五日、数千人がトラファルガー広場に集まり、イラクとアフガニスタンからの英軍撤退などを訴え、国会議事堂前までデモ行進を行った。英国北部スコットランド最大の都市グラスゴーでも、市民たちがデモ行進した。
ドイツの首都ベルリンで五日から決行されている交通ストが十三日で一週間を超え、地下鉄、バス、市電が完全にストップしている。高いインフレ率の下で、生活防衛のために労組は最大一二%の賃上げを求めている。
ギリシャの公務員と民間労働者は十二日、議会で年金改悪の法案審議に反対して三時間のストを行った。年金支給年齢の引き上げと支給額の減少に抗議したもの。十九日には二十四時間全国ストが闘われ、二万人の労働者が首都アテネでデモ行進した。
チェコの首都プラハで十五日、米国の進めるミサイル防衛(MD)システム配備に反対するデモが行われ、千人が参加した。
日銀総裁めぐり福田政権窮地に
参議院は三月十九日、次期日銀総裁に田波耕治・国際協力銀行総裁(元大蔵事務次官)を起用する政府の新たな人事案を、民主、共産、社民などの反対多数で否決した。総裁人事案が否決されるのは今国会二度目。この日に福井総裁の任期が切れ、戦後初めて日銀総裁が空席となった。この事態に、政権の「飼い主」である財界は「金融政策の司令塔を空白にした政治の責任は重い」(御手洗・日本経団連会長)などと、福田の政権運営を批判している。三月末で期限が切れるガソリン税の暫定税率についても成立のメドが立たず、福田はいよいよ本格的な窮地に立たされている。
財界、EPA交渉工程表求める
十八日に開かれた政府の経済財政諮問会議で、民間議員の御手洗・日本経団連会長は「二〇一〇年に対経済連携協定(EPA)貿易額について全体の二五%以上をめざす」とした「骨太の方針〇六」を実現する工程表の策定を求めた。また、欧州連合(EU)との経済連携にも早急に取り組むよう求めた。民間議員は従来のEPA締結国との貿易額が低水準にとどまっているなどとしてて締結交渉加速を迫る一方、韓国がEUとの交渉で先行していることに対する自動車や電機業界の焦りをあらわした。EPAが多国籍大企業のためのものであることを示す好例だ。
急速なドル暴落、12年ぶり100円割れ
十三日の外為市場でドルが下落、十二年四カ月ぶりに一〇〇円を割り込み、十七日には九五円台にまで落ち込んだ。ドルは対ユーロでも下落、九九年のユーロ導入来の高値を更新した。サブプライムローン問題を背景に、海外大手金融機関の経営悪化や米景気減速に対する懸念が高まったことが原因。急激な円高による輸出企業の業績悪化や、それを口実とした労働者の賃金抑制や中小企業へのコスト削減圧力などのしわ寄せが懸念される。
新銀行東京、知事の責任不問の報告書
新銀行東京は十日、〇五年の開業後二年間の経営状況に関する調査報告書の概要を発表した。報告書は、同行が経営危機に陥った責任を設立時の経営陣に転嫁する内容。しかしこの間にも、新銀行のマスタープラン原案にあったデータを都幹部が「三年後赤字」から「大幅な黒字」に書き換えたなどの不正疑惑が次々と明らかになっている。同銀行は、都が約八五%の株式を保有している、実質的な「都営銀行」である。知事や都幹部の尻ぬぐいにのために、都民の血税千四百億円を投入するなど許されない。
倒産、2カ月連続で増加
東京商工リサーチは十二日、全国企業倒産状況を発表した。二月の倒産件数は千百九十四件と前年同月比で八・三四%増加し、二カ月連続増加となった。負債総額も三千六百五十二億円と同二六・一五%増加し、〇七年度の企業倒産は七年ぶりに件数、負債総額ともに前年度を上回ることが確実となった。件数の増加率が最も高かったのは金融・保険業で、改正貸金業法の全面施行を控えて中小貸金業者の倒産が増えた。また建設も、建築基準法改悪による需要減少が響き増加している。これらは政治が原因の倒産であり、政府は責任を取るべきだ。
小麦大幅値上げで生活への影響必至
製粉最大手の日清製粉は十日、業務用小麦の販売価格を四月末から値上げすることを発表した。家庭用小麦も、近く値上げを発表する。直接の理由は、政府売渡価格が四月から三〇%引き上げられることで、値上げ幅も同程度となる見込み。他社も追随する予定で、パン・めん類などの値上げに波及することは必至。国民生活をいっそう苦境に追い込むもので、価格安定策を放棄した政府の責任は重大である。
原爆症新基準、切り捨て変わらず
原爆症の認定審査をしている厚生労働省の原子爆弾被爆者医療分科会は十七日、同省が示した新基準の最終案を決定、認定審査を四月から開始する。新基準では、従来の審査では切り捨てられていた被爆者についても事務局で個別に「総合的に判断する」としている。しかし被爆者団体などからは「基準が不明確、従来の被爆者切り捨て行政に対する反省がなく、被害の実態に見合った抜本的改革からかけ離れたもの」などの批判が出ている。
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