労働新聞 2008年2月25日号 トピックス

世界のできごと

(2月10日〜2月19日)

コソボ「独立」、米欧の干渉の産物
 セルビア南部のコソボ自治州で二月十七日、臨時議会が開かれセルビアからの「独立」を宣言した。セルビアは承認しないと明言、「米国による破壊的で残酷な政策の結果」と米国を厳しく批判した。一方、欧州連合(EU)は二千人規模の文民使節団の派遣を決め、英仏独伊は「独立」を承認した。この使節団が、コソボを暫定統治していた国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)に代わり、「新国家」の行政・司法を監督するという。一方、独立に反対するロシアは国連加盟を拒否する姿勢で、中国も「深い憂慮」を表明した。一九九九年にアルバニア系住民とセルビア系住民、ユーゴ(現セルビア)の衝突を口実とした北大西洋条約機構(NATO)の軍事介入以降、米欧はこの地域への干渉を強めていた。

アフリカ関与強める米ブッシュ
 ブッシュ米大統領は十五日からベナン、タンザニア、ルワンダ、ガーナ、リベリアのアフリカ五カ国を歴訪した。ブッシュ大統領はこの歴訪で、アフリカ各国に対して約十億ドル(約千億円)を超える経済支援を約束した。ブッシュは「(アフリカへの関与が)戦略的にも重要さを増している」と明言、資源をめぐって中国がアフリカ諸国との関係強化を図る中、これへの対抗を強くにじませた。

カタール首相が米国を批判
 中東・カタールのハマド首相は十六日、「一極政策や二重基準政策、武力行使政策をやめるべき」と発言、名指しは避けながらも、米国を批判した。米軍基地二カ所を抱え、「親米的」と言われる同国の首相がこうした発言をしたことは異例。年頭のサウジアラビア外相の対イラン協調発言に続き、中東諸国の米国離れを印象づけるもの。

プーチン露大統領、米欧に警告
 ロシアのプーチン大統領は十四日、五月の退任を前に、大統領として最後の記者会見を行った。大統領は、ウクライナのNATO加盟や、米国による東欧へのミサイル防衛(MD)配備計画などを念頭に、「軍備を削減しないのは欧米の方だ」とし、対抗措置として「ミサイルの照準を向けざるを得ない」と強く警告した。また、ロシアをう回して、中央アジアのエネルギー資源を手に入れようとする欧米の動きを「ばかげた」手法だとはねつけた。

キューバ・カストロ議長退任へ
 キューバのカストロ国家評議会議長は十九日、国家元首である議長職から引退する意向を表明した。議長は病気療養中だった。キューバでは二十四日に新議長を選出する。カストロ議長は、キューバ革命の起点である五三年のモンカダ兵舎襲撃を指導、五九年には当時のバチスタ独裁政権を打倒し、革命を成功に導いた。以降、米国はキューバに対して反革命干渉や経済制裁を強いてきたが、キューバは独立を守り、中南米諸国の中でも国民生活を高い水準まで引き上げ、医療分野などで近隣国への支援を続けてきた。

人民のたたかい

(2月10日〜2月19日)


 アフリカのタンザニアで十五日、ブッシュ米大統領の訪問に反対するデモが行われた。参加者は「米国はウソの親分」と書いたプラカードを掲げて抗議した。
 ドイツで十四日、統一産業サービス労組に加盟する地方公務員約二万人が八%の大幅賃上げを要求してストライキを行った。参加したのは各地の公立病院や保育園、老人ホーム、公共交通機関で働く労働者で、旧西独地域など約十州で行われた。
 ギリシャ全土で十三日から、カラマンリス政権の年金改悪案に反対する二十四時間ストライキが行われた。最大労組である労働総同盟と公務員連合が呼びかけ、二百万人以上が参加した。

日本のできごと

(2月10日〜2月19日)

相次ぐ米兵犯罪に怒り高まる
 沖縄県北谷町で二月十日、米海兵隊員が十四歳の女子中学生を暴行する事件が起きた。逃げた中学生を追いかけて暴行に及んだもので、卑劣きわまりない犯行。続く十七〜十八日にも、海兵隊員二人が酒酔い運転と住居侵入で逮捕されるなど事件が相次ぎ、沖縄県民の怒りは頂点に達している。「どうなっちゃったんですかね」と他人事のように発言する福田首相の態度は許されず、元凶の米軍基地撤去と安保条約破棄以外に解決の道はない。

デマ宣伝まかり通った岩国市長選
 岩国市で十日、市長選挙が投開票され、米軍再編を容認する福田候補が当選した。米艦載機の移転受け入れに反対する井原前市長が辞職し、市民に信を問うたもの。福田候補は「国のいいなりにはならない」などと争点をそらし、国が市役所の新市庁舎建設補助金などを凍結したことを悪用して「夕張のようになる」「病院が閉鎖される」などと、政府と一体になったデマ宣伝を繰り広げて当選した。しかし、市民の基地負担増への反対は根強く、闘いは続く。

相次ぐ海外派兵拡大策動
 政府は十六日までに、アフリカ・スーダンへの国連平和維持活動(PKO)部隊「国連スーダン派遣団」(UNMIS)に自衛隊を派遣する検討に入った。併せて、エジプトやイスラエルに展開する「国連休戦監視機構」(UNTSO)への自衛隊派遣、東ティモールへの海上保安庁派遣も検討する意思を示した。破たんしつつある米戦略を支えるとともに、日本の国際的発言権強化をめざす策動で、警戒が必要だ。

道路財源で米軍住宅
 長崎県佐世保市の米軍住宅建設に、道路特定財源から二十八億円が支出されていたことが十二日、明らかになった。冬柴国交相は「インターチェンジ建設による代替施設」などと言い訳したが、道路財源の趣旨にさえ反する支出だ。米軍には至れり尽くせりという政府の売国ぶりが、ここにも明らかだ。

イージス艦が漁船を沈没させる
 海上自衛隊のイージス艦・あたごが千葉県房総半島沖で十九日、マグロはえ縄漁船「清徳丸」と衝突して沈没させ、二人が行方不明となった。あたご側は十分以上前から漁船の存在を確認しており、回避義務を怠ったことは明白。「高性能レーダーがあるのになぜ見逃すのか」という漁民の怒りは当然。あたごは、弾道ミサイル撃墜訓練から戻る途中。米戦略を支える一方で、国民の命を危険にさらすとはとんでもないことだ。

民主党、財界との「関係修復」に動く
 民主党は十四日、日本経団連との意見交換会を行った。公式な会合は〇六年五月以来。御手洗・日本経団連会長は「(民主党の見解は)基本的には我々と共通するものばかり」と述べ、互いに「協力」を確認した。民主党は、昨年の臨時国会で御手洗の参考人招致を求めていたが、財界の党としての正体をあらわしたもの。マスコミも「政治献金での協力なども意識し関係改善に動いた」(毎日新聞)と報じるほどだ。

鳩山法相、えん罪否定の問題発言
 鳩山法相は十三日、親の名前を書いた紙を踏ませるなど違法な取り調べが問題となった鹿児島県議選の買収事件(無罪)について、「えん罪と呼ぶべきではない」などと発言した。検察の権力乱用を擁護する発言で、断じて許せない。この暴言に、元被告らは当然にも抗議の声を上げている。法相はこれまでも、「死刑自動化」など数々の問題発言を行っており、任命した福田首相の責任も重大だ。

新銀行東京へ血税投入
 東京都は十九日都が一千億円を出資して設立した「新銀行東京」を支援するため、約四百億円の追加出資を決定した。石原都知事が「中小企業を救う」と大見えを切って設立した同銀行だが、昨年九月中間期で九百三十六億円もの累積損失を抱えている。だが、都議会与党内にさえ、都民の血税投入による尻ぬぐい策には異論がある。知事は責任を旧経営陣に転嫁しているが、自らの政治責任こそ明らかにすべきだ。


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