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労働新聞 2008年2月15日号 トピックス
G7、世界経済で打開策なし
東京で開かれた七カ国財務相・中央銀行総裁会議は二月九日、共同声明を採択して閉幕した。声明では「世界はより不確実な環境に直面している」と、サブプライムローン問題から始まった金融危機から七カ国の経済成長が減速していることを追認したものの、打開策を打ち出すことはできなかった。ロシア、中東、中国など新興国が台頭し多極化が進む中で、「新興国の底堅い成長」に依存せざるをえない状況で、その成長にも保証はない。G7が世界経済の問題に打つ手がない現実がいっそう明らかになった。
アフガン増派、米英の要求通らず
リトアニアで七日に始まった北大西洋条約機構(NATO)国防相理事会は、アフガニスタンへの増派をめぐって議論した。「応分の負担」を求めて圧力をかける米国に対して、増派を積極表明する国は皆無。ドイツは「われわれは責任を果たしている」と明確に増派を拒否した。アフガンにはNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)四万三千人が軍事展開するが、タリバンの激しい反撃にさらされている。「反テロ」を口実に戦争を始めた米国だが、各国への増派要求も通らぬ状況に追い込まれている。
米国予算、国防費が過去最高
米ブッシュ大統領は四日、〇九会計年度(〇八年十月〜〇九年九月)の予算教書を議会に提出し、〇八、〇九年度の財政赤字は四千億ドル(約四十三兆円)超で推移すると報告した。これは過去最高の〇四年度(四千百三十億ドル)に迫る水準。また、国防費は過去最高の五千百五十億ドル(約五十五兆円)、そのほかにイラクとアフガニスタンでの戦争経費七百億ドルを計上した。イラクやアフガニスタン戦費は累計で八千六百九十一億ドル(約九十三兆円)にのぼり、引くに引けない状況に追い込まれている。財政赤字が膨らむ中で、この負担にいつまでも耐えられるわけはない。
米国のリストラさらに広がる
米労働省が一日発表した一月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月比で一万七千人減った。〇三年八月以来、四年五カ月ぶりに初めて減少に転じた。昨夏以降、GMは四万六千人、フォードは約五万四千人の早期退職、家電のワールプールが二工場閉鎖、スターバックスが百店舗を閉鎖、ダウケミカルがポリプロピレン工場閉鎖などが、製造業やサービス業のリストラが広がっている。米国社会の実体経済の後退、雇用悪化が鮮明になった。労働者は闘わざるを得ない。
米軍が駐留するイラクのバグダッドで三日、住民たちが米軍の爆撃で破壊されたサマラの霊廟のドーム再建を求めてデモを行った。
メキシコのメキシコ・シティーで一月三十一日、北米自由貿易協定(NAFTA)によって、今年一月から農産物が完全輸入自由化されたことに抗議する農民らのデモが行われ、全国から十三万人が参加した。全国農民連盟のロペス議長は、農業条項について、ただちに再交渉すべきだと訴えた。
フランスのタクシー業界「タクシー業者全国連盟」は二月六日、大統領諮問委員会が打ち出したタクシーの規制緩和に反発してストを行い、全国で幹線道路を封鎖する行動を展開した。政府は規制緩和撤回に追い込まれた。
フランスの大手銀行パリバが大手銀行ソシエテ・ジェネラルの買収を検討している問題で一月三十一日、ソシエテ・ジェネラルの労働者四千人がパリのパリバ本社前に集まり、買収の動きに抗議した。また、別オフィスの前でも、三百人の労働者がデモを行った。
有害な輸入ギョーザによる被害拡大
中国製冷凍ギョーザを食べて重体に陥るなどの事件が全国で発生していることが一月三十日、明らかになった。ギョーザや包装からは有機リン系殺虫剤などが発見されている。確認されている最初の被害は昨年末に起こっており、病院から行政当局に通報もされている。にもかかわらず、公表、輸入・販売中止に至るまで一カ月もかかり、被害の拡大を招いた行政や関係業者の責任は重大だ。また、国には輸入食品の検査体制を強めて安全な食品を確保する責任、そして食料自給率を引き上げる責任がある。
米軍艦の小樽入港に国が圧力
米海軍第七艦隊の指揮艦・ブルーリッジが二月七日、北海道の小樽港に入港した。市当局は当初、この入港を「岸壁が手配できない」として断ったが、その後一転して認めた。その間、外務省幹部が市をどう喝したという。入港予定の商船にも働きかけ、日程を変更させたことは自明。山田市長が「商船を追い払ってまで入れるとしたら、まるで軍港だ」と話すように、米軍再編・強化を押し進めるため、自治体への圧力が強められている好例だ。
日教組、ホテル拒否で教研集会中止
日教組は一日、東京のグランドプリンスホテル新高輪で二日から予定していた、教育研究全国集会の全体集会を中止すると発表した。教研集会は一九五一年に始まったが、全体集会の中止は初めて。日教組は昨年三月に会場の使用を申し込んだが、十一月になってホテル側が突然「右翼団体の妨害」を理由に開催を拒否。また、会場を使わせるよう命じた東京地裁・高裁の命令にも応じず、別の予約まで入れていた。右翼に屈したホテル側の暴挙は、厳しく糾弾されなければならない。
日の丸・君が代訴訟で一審勝利
卒業式などで「日の丸」に向かって起立せず「君が代」斉唱もしなかったことを理由に、退職後に嘱託職員として再雇用しなかったのは違法として、元都立高校の教職員十三人が損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は七日、都に賠償を命じた。判決では、起立や斉唱に関する校長の職務命令については「違憲性はない」としながら、都教委の行為を「裁量を逸脱・乱用した不法」なものと認めた。判決は、「日の丸・君が代」強制に対して警鐘を鳴らしたが、石原都知事はこりずに控訴する方針を示している。
橋下の「改革」、早くもとん挫
橋下・大阪府知事が六日、就任した。橋下は会見で「最優先させるべきは財政再建」として、来年度の予算案編成で「府債発行ゼロ」方針を再表明、新規事業の廃止や職員の人件費カットなど府民犠牲の方向を示すとともに、「(改革に協力しない職員は)府庁を去ってもらう」などと脅した。しかし、この方針に対しては、自公与党でさえ「見直し」を申し入れたほど。結局、橋下知事は「勉強不足だった」として府債発行を認め、人件費削減も計上しないなどの修正に迫られた。口先だけ勇ましい人間を担いだ、自公与党の責任が問われる。
関電、プルサーマル再開を発表
関西電力は一月三十日、原子力発電所の使用済み燃料からプルトニウムを取り出して通常の原発で再び燃やすプルサーマル計画を再開すると正式発表した。西川・福井県知事もこれを了承した。関電のプルサーマル計画は、九九年のデータねつ造事件や〇四年の美浜三号機事故によって中断していた。これらの問題を棚上げした上、国の保安院が今年三月に敦賀湾と小浜湾で海底活断層調査を行う前の決断でもある。これには、保安院でさえ「原発の耐震安全性の問題をないがしろにしたもの」と批判しているほどだ。
電気・ガス、4月から大幅値上げ
北陸電力を除く電力九社と東京ガスなど都市ガス大手四社は三十日、四〜六月の料金を大幅に値上げすると発表した。原油や液化天然ガス(LNG)など燃料・原料価格の高騰を理由とし、標準家庭では電気代が月六十六〜百五十六円、ガス代は百三十二〜百六十二円値上げとなる。東京電力など電力五社と大阪ガスなどガス二社の計七社では、九六年の現制度導入後で過去最大の上げ幅。食料品の値上げが相次ぐ中、光熱費の大幅値上げは、国民生活や経営にいちだんと打撃を与える。
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