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労働新聞 2008年2月5日号 トピックス
米支配の終わり予見させる一般教書
ブッシュ米大統領は一月二十八日、上下両院で一般教書演説を行った。サブプライムローン問題問題を端に発した金融市場の混乱と実態経済への悪影響で揺れる米経済について「不透明な時期を迎え、先行きに懸念」とし、減税など総額千五百億ドル(約十六兆円)の緊急景気対策を打ち出したものの、その効果には早くも疑問符がついている。また、イラク増派についてその「成果」を強調したが、依然泥沼であり、ブッシュのいう「民主化」にはほど遠い。その上、〇二年の一般教書演説で「悪の枢軸」などとして名指しした朝鮮民主主義人民共和国にはまったく言及できず、イランについても、その核開発問題に対する直接的批判を避けた。任期中最後の一般教書演説だが、米経済とその帝国主義的支配の弱体化をさらけ出すものとなった。
緊急利下げも、危機回避のメド立たず
米連邦準備制度理事会(FRB)は二十二日、緊急に政策金利を〇・七五%幅引き下げ、年三・五〇%に緩和した。緊急利下げは米同時多発テロ直後の〇一年九月以来で、サブプライムローン問題が表面化した昨年八月以来、四回にもわたる大幅緩和。深刻化する実体経済への対応だが、米国では年明けから雇用や各種小売統計の悪化が目立ち始めている。世界経済の底割れが現実化を帯びる中での緊急措置だが、それを回避するメドは立たない。
G8拡大へ気運、多極化すう勢へ
フランスのサルコジ首相が二十五日、インドを訪問し、シン首相と会談した。主要国首脳会議(G8)について、インドを含む十三カ国に拡大することを求める共同声明を発表した。会談に先立ちサルコジ首相は、インドに加え、メキシコ、ブラジル、南アフリカの五カ国を具体的に明示、七月の北海道洞爺湖サミットで拡大案を取り上げる意向を示した。また、二十一日に同国を訪問したブラウン英首相はインドの国連安保理常任理事国入りへの支持を表明した。米国の衰退に象徴されるように、もはや、既存のサミット参加国だけでは世界政治・経済が動かないことを示す動きだ。
「対話」促すイラン「制裁」案
英国とフランスは二十五日、イランの核開発についての制裁決議案を国連安保理に提出した。内容には渡航禁止や貨物検査などが盛りこまれたものの、武器取引の全面禁止は見送られ、金融機関への圧力強化についても「警戒」を求めるにとどめた。そして、米英仏中ロ独六カ国が、イランのウラン濃縮停止と引き替えに経済支援を実施する「包括案」を基礎に「さらに具体的な措置を講じる」とした。「対話解決」を強調する中ロの意向が強く反映した案となった。
韓国忠清南道泰安沖で起こった原油流出事故の早期対策を求め、被害を受けた漁民など三千七百人が二十三日、ソウルに駆けつけ、責任企業であるサムスン工業に対してデモ行進を行った。弾圧を策する警官隊に対し、住民は重油にまみれた魚を投げて抗議した。
フランス全土で二十四日、国家・地方公務員、教職員、病院職員約四十万人が購買力向上、賃金交渉の即時開始、公共サービスの向上などを求めてデモを行った。パリでは三万五千人が参加した。
米・ハワイのホノルルで三十日、政府主催の気候会議に際し、環境保護団体のメンバーが、温暖化防止策について「米国は妨害を止めろ」といったプラカードを掲げて訴えた。
大阪府知事選で与党勝利、民主党惨敗
大阪府知事選挙が一月二十六日、投開票され、与党が支持したタレントの橋下候補が当選した。橋下候補も民主党の候補も前太田府政の「継承」という点で違いはなく、投票率は前回を上回ったものの、約五二%の有権者が投票しなかった。また、与党は徹底した「与党隠し」を行い、大阪市長選敗北の逆風をかわした。一方、「衆院選そのもの」と位置づけた民主党は、小沢代表が給油新法の衆院採決を「欠席」してまで取り組んだものの、ダブルスコアで惨敗した。
民主党、「つなぎ法案」でも腰くだけ
自民、公明の与党は二十九日、三月末で切れるガソリン税などの暫定税率を二カ月延長する「つなぎ法案」を国会に提出した。「ガソリン値下げ国会」と位置づける民主党は、与党と「対決」して衆議院を解散に追い込むと公言。だが結局は、衆参議長の「あっせん案」を受け入れ、法案撤回と引き替えの年度内「決着」で合意した。ガソリン値下げ、解散の方針を事実上放棄したことを意味し、与党を助ける犯罪的なものだ。
21世紀臨調が「せんたく」を発足
北川・前三重県知事、松沢・神奈川県知事ら首長、学者、連合幹部らによる「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(せんたく)が二十日、発足した。保守二大政党制と構造改革を進めるために活動してきた財界の別働隊、「二十一世紀臨調」が母体で、与野党の国会議員による超党派議連の結成を呼びかけている。「せんたく」は「消費税論議」や「分権改革」を公言するなど、総選挙後の政界再編をにらんだ存在。財界の新たな策動に対し、警戒が必要である。
社会保障国民会議が初会合
政府の社会保障国民会議(座長=吉川・東大教授)の初会合が二十九日、開かれた。「社会保障の将来像」について、六月をめどに中間報告をまとめる予定。「少子高齢化」を口実に、社会保障制度の財源として消費税増税を進めるための地ならし。かねてから消費税引き上げを主張する財界の意向にそうもので、連合がこの会議に参加していることは、労働者への裏切りだ。
労使交渉開始、求められる大幅賃上げ
連合と日本経団連は二十三日、首脳懇談会を行い、春闘交渉が事実上スタートした。高木・連合会長は賃上げや残業代割増率の引き上げなどを求め、御手洗・日本経団連会長は「体力のある企業に限って賃上げを容認する」などと述べた。しかし、主力労組のNTT労組や東京電力労組などは賃上げ要求を見送った。この間、賃下げを強いられてきた労働者からすれば、大幅賃上げは切実。断固たる闘いで賃上げを勝ち取ることが求められる。
マクドナルドの残業代未払いに審判
東京地裁は二十八日、外食大手の日本マクドナルドが権限のない店長を「管理職」扱いして残業代を支払わないのは不当とし、二年分の残業代など約七百五十五万円を支払うよう命じた。原告男性の残業時間は月百時間を超え、二カ月間無休で過労死寸前だった。判決は当然だが、この例は氷山の一角。日本経団連の御手洗会長は「考え方は会社によってまちまち」などと、同社を擁護した。翌日控訴した日本マクドナルドともども、許し難い。
消費者物価が9年ぶりの上昇率
昨年十二月の全国消費者物価指数が二十五日、総務省から発表された。物価は生鮮品を除いたベースで前年同月比〇・八%アップと、三カ月連続で上昇となった。ガソリンや食料品の値上げが続いていることが原因で、約十年ぶりの高い物価上昇だ。二月以降も、電力・ガスや各種食料品の値上げが予定されている。福田首相の「ガソリン代は高くない」という発言は、国民の生活実感からかけ離れたものだ。
杉並区和田中で夜間授業が始まる
東京都杉並区立和田中学校で二十六日、夜間授業が始まった。塾講師が成績上位の子どもを対象に公立中で有料の受験対策をするもので、子どもの差別・選別を強めるもの。また、「公教育の民営化」の突破口でもあり、担当する塾を選定する過程にも不透明な部分が多い。都教委はいったん「待った」をかけたが、結局は容認した。文科省と石原都政の責任は重大だ。
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