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労働新聞 2007年12月5日号 トピックス
オーストラリアで親米政権が敗北
オーストラリアで十一月二十四日投開票された総選挙で、与党の保守連合が敗北、ハワード首相も落選した。保守連合政権はブッシュ米大統領の盟友としてアフガニスタンやイラク戦争に積極的に参加し、米国を支える役回りを果たしてきた。この親米路線や長期政権が国民の批判を受けた。十一年ぶりに政権の座についた労働党は、イラク派遣軍の一部撤退を主張している。また、新首相となるラッド党首は「中国通」と言われ、親米一辺倒の外交政策の転換は必至。「米豪安保共同宣言」などで、対中けん制の軍事一体化を進めていた米国には打撃である。
ポーランド、08年イラク撤退を明言
ポーランドの総選挙で政権交代を果たしたトゥスク新首相は二十三日の施政方針演説で、「北大西洋条約機構(NATO)がポーランドの安全保障政策の柱」として、親米一辺倒路線をとった前政権との違いを強調、イラクに駐留する九百人の軍隊を〇八年中に撤退させることを明言した。ドイツなど欧州連合(EU)、ロシアとの関係修復にも意欲を見せている。米国のミサイル防衛(MD)システム受け入れも慎重姿勢に転じるなど、政策転換を打ち出した。米国にとっては、またも打撃である。
多難な米主導の中東和平国際会議
中東和平国際会議が二十七日、米国ワシントン近郊で開催された。会議に先立ち米、イスラエル、パレスチナ自治政府首脳が会談、「〇八年末までパレスチナ国家の創設へ向けた和平交渉を決着させる」合意にこぎ着けたものの、前途は多難。ブッシュ政権はイラク安定化とイラン孤立化のために中東「和平」を急いでいるが、会議にはそのイラク傀儡(かいらい)政権さえも欠席した。イスラエルの後ろ盾である米国に和平仲介の力はなく、「合意」も長続きしそうにない。
「ASEAN憲章」に署名
創立四十周年を迎えた東南アジア諸国連合(ASEAN)は二十日、シンガポールで首脳会議を開き、最高規範となる「ASEAN憲章」に署名した。憲章では内政不干渉や全会一致の原則を見直そうという動きもあったものの、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどが反対し、内政不干渉の原則は維持された。また、意思決定方式は全会一致を原則としつつ、首脳会議で決定する多数決方式の余地も残した。会議では二〇一五年までに「ASEAN経済共同体」を実現する方針を採択。中国やインドなどが台頭する中、東南アジアの経済一体化を進めている。
フランスで十一月二十日、公立の学校や病院、郵便局の労働者が公務員削減反対と賃上げを求めるストに入った。十四日から継続している国鉄などの交通ストも加え、百万人以上が参加した(交通ストは二十三日まで継続して闘われた)。また二十七日には、サルコジ大統領の方針によって成立した大学自治法に反対する大学生・高校生のデモがフランス全土で闘われ、三万人が参加。学生たちの激しい反対の中で、全国の約半数の大学が閉鎖や休校となった。
マレーシアの首都クアラルンプールの英国大使館周辺で二十五日、インド系住民約一万人がデモを行い、差別反対、生活水準の向上を訴えた。インド系住民は百五十年前にインドからマレーシアに強制連行されたとして、英国政府に対し損害賠償を求めている。
米国ハリウッドで二十二日、ストライキ中の米脚本家組合(WGA)が、大規模なデモを行った。デモには脚本家をはじめ米俳優組合に所属する俳優など四千人が参加した。
新テロ法、参院で座礁(ざしょう)
海上自衛隊がインド洋での給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案は十一月二十九日、参院外交防衛委員会での審議が始まった。しかし前日に守屋前防衛事務次官が収賄容疑で逮捕され、また額賀財務相への証人喚問をめぐる問題などで「防衛省疑惑追及国会」の様相だ。福田首相は同法案を最重要課題と位置づけているが、延長された国会でも新テロ特措法案の成立の見通しは立っていない。
守屋逮捕、疑惑解明は与党に打撃
東京地検特捜部は二十八日、守屋前防衛事務次官とその妻を逮捕した。在任中、防衛専門商社・山田洋行から過剰な接待を受け、見返りに防衛装備品調達などで便宜を図った収賄容疑。国民の血税を湯水のように使う巨額の軍事利権をめぐる疑惑の解明が求められる。さらに歴代防衛庁長官経験者などの政治家とのかかわりも濃厚で、こうしたゆ着の解明も必要。守屋は沖縄の米軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設を強力に推進してきた中心人物でもあり、日米両政府のもくろむ米軍再編・強化には打撃となる。
日中韓首脳会談、懸案先送り
福田首相は二十日、シンガポールで中国の温家宝首相、韓国の盧武鉉大統領と日中韓首脳会談を行った。福田首相が就任後、中韓両国首脳と会談するのは初めて。会談では、今後この首脳会談を既存の国際会議と切り離して持ち回りで開催することなどで基本合意し、日中韓の自由貿易協定(FTA)十三項目の協力推進計画をまとめた。福田は、小泉政権下で悪化した中韓との関係修復を強くアピールしたが、歴史認識問題などの懸案は先送りされ、セレモニーの要素が強い。福田の持論とする「日米同盟と共鳴するアジア外交」では、真にアジアとの友好関係を築けるものではない。
日越首脳会談、中国にらみ関係強化
福田首相は二十七日、訪日中のグエン・ミン・チエット国家主席と首脳会談を行った。両首脳は四十四項目の多岐にわたる「日越間の戦略的パートナーシップに向けたアジェンダ」を含む共同声明に署名、日越経済連携協定(EPA)の早期締結などで一致した。わが国支配層は、中国以上に人件費の安い投資先としてベトナムに注目、中国との地政学的関係などもにらんで、関係強化を狙っている。
労働2法成立 民主も悪法成立に加担
最低賃金法改定案と労働契約法案が二十八日、参院本会議で自民、公明、民主などの賛成多数で可決、成立した。最賃法改定案は、最低賃金が生活保護水準を下回っていたことに対する批判をかわすために「生活保護との整合性を配慮する」などの文言が加えられた。だが、抜本的な引き上げにつながる保証はない一方、地域別最賃を必ず定めるとするなど地域格差を固定しかねない。また労働契約法案は、労働者と使用者が対等の立場で結ぶ労働契約の原則を定めるものにもかかわらず、労働者の合意がなくても使用者が就業規則の変更によって一方的に労働条件を引き下げる仕組みを盛り込んでおり、労使の合意原則に反する悪法だ。この財界の意をくんだ悪法成立に手を貸した民主党の罪は重い。
PAC3習志野配備、空自で2カ所目
防衛省は二十九日早朝、弾道ミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)の発射機二基を航空自衛隊習志野分屯基地(千葉県)に配備した。自衛隊のPAC3配備は、三月の空自入間基地(埼玉県)に続き二カ所目で、防衛省は今年度中に武山(神奈川県)、霞ヶ浦(茨城県)の両基地にも配備する予定。配備の進行は日本が米国の軍事戦略・ミサイル防衛網にいっそう深く組み込まれることである。
郵便局・事業会社、大幅人員削減狙う
郵政民営化で発足した日本郵政が、二〇一一年度末までに、郵便事業会社と郵便局会社の社員の一〇%超にあたる合計二万四千人程度減らす計画を立てていることが二十九日、明らかになった。株式上場を控えて「利益体質」を打ち出す狙い。しかし、これは参議院による郵政民営化法案可決時の付帯決議にある「労働条件および処遇が将来的に低下することなく」との文言に反するもの。十月の民営化後、早速その本性があらわになった格好だ。
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