労働新聞 2007年11月25日号 トピックス

世界のできごと

(11月10日〜11月19日)

米独首脳会談、イラン制裁を協議
 ブッシュ米大統領は十一月十日、訪米したメルケル独首相と私邸で会談し、イラン核開発問題について協議した。会談では、国連安全保障理事会で制裁決議採択をめざすなど、制裁を強化する方針で一致した。だが、メルケル首相は「外交的解決が可能」と述べ、制裁強化は外交交渉などが「進展をもたらさない場合」との考えを示した。軍事行動の選択肢も排除しないブッシュ政権は、フランスに続きドイツとの共同歩調をとる姿勢を示してイランへの圧力を強めている。こうした戦争策動は、中東諸国人民のさらに激しい怒りを買うものだ。

15年ぶりの南北朝鮮首相会談
 韓国と朝鮮はソウルで十六日、十五年ぶりの首相会談を開いた。会談では首相会談の二年ごとの定例化、〇八年前半からの黄海での南北共同漁業の開始、十二月からの開城工業団地と韓国側を結ぶ貨物鉄道ルートの定期運行開始などで合意。また、黄海平和協力特別地帯構想の推進へ協議体を新設することで一致した。十月の首脳会談で署名された「平和繁栄宣言」の実施に向け、南北朝鮮の自主的な協力関係が大きく前進している。

OPEC首脳会議、増産は先送り
 サウジアラビアで開催された石油輸出国機構(OPEC)首脳会議が十八日、「地球温暖化への対応や、市場への適切で時宜を得た原油供給」などをうたった「リヤド宣言」を採択した。米国などによる増産要求への対応は、増産しても投機資金の流入によって高騰が続くとして、結論は先送りされた。原油価格の上昇に拍車をかけ産油国の購買力を弱めているドル安も問題になり、イランとベネズエラは原油価格を通貨バスケットで換算するなどの対応を求める姿勢を示し、親米国サウジサラビアと対立した。米国の衰退がうかがえる会議であった。

フランス全土で無期限交通スト
 フランスのサルコジ政権は国鉄や電力職員に適用される特別年金制度を改悪するために、労働者への対決姿勢を強めている。これに反撃して十四日からフランス国鉄や交通営団などが全国で無期限交通ストライキに入った。大学改革に反対する学生もストを支援し、人員削減に反対する教職員らの公務員組合も二十四時間ストに突入。財政赤字のツケを国民に押しつけることで、グローバル競争に生き残ろうとする資本の意を受けたサルコジ政権は、労働者の厳しい反撃を受けている。

人民のたたかい

(11月10日〜11月19日)


 ドイツ機関士労組は十五日から十七日まで全国規模のストライキに入った。ドイツ国鉄では過去最大規模のストライキで、労組は三一%の賃上げを求めている。
 米国のワシントンで十一月十六日、人種差別的な法律適用に抗議して一万人が米司法省前をデモ行進した。参加者の圧倒的多数は黒人で、犯罪で白人の起訴比率が少ないことに抗議した。
 ワシントンで十七日、ホームレス救済、低所得者向けの住宅供給や医療支援を求めるデモが行われ、約三万人が参加した。全米のホームレスは七十四万人で、ワシントンには約一万二千人、その三分の一は子どもである。
 ニューヨークのブロードウェイの舞台係などを中心とした労働組合は十日からストライキに入った。雇用規約の見直しを求める経営者に労働者が反発、長期化も辞さない構えで闘っている。また、正当な報酬を求めている米脚本家組合(WGA)のストは、十一日で一週間を迎えた。約一万二千人の組合員は、制作会社側の対応を強く批判している。
 チェコの首都プラハで十七日、米国が計画しているミサイル防衛(MD)システムの配備に反対する二千人のデモが行わた。参加者は国民投票の実施、米国製品のボイコットを訴えた。

日本のできごと

(11月10日〜11月19日)

日米首脳会談、米国に忠誠誓う福田
 米国を訪問した福田首相は十一月十六日、ブッシュ大統領と会談した。両首脳は、日米同盟が「死活的に重要」などと一致した。福田首相は、インド洋での米艦船への補給再開に「全力を尽くす」と約束、在日米軍再編でも協力を表明した。また、朝鮮への「テロ支援国」指定解除に関するブッシュの発言は公表されなかった。福田首相が衰退を早める米国への数々の協力を約束したことは重大で、かれの「アジア重視」の仮面はデタラメである。

小沢代表、大連立「正しい」と発言
 自らの辞任をめぐって田舎芝居を演じた小沢・民主党代表は十五日、自民党との「大連立」について「今でも正しい」などと開き直った。また、総選挙で勝利すれば、海外派兵のための恒久法(基本法)を進めると明言、対米追随の軍事大国化を進める姿勢を再表明した。鳩山幹事長も、総選挙後の「大連立」の可能性に言及している。このような民主党には、いっさいの期待を寄せることはできない。

改革競い合う大阪市長選
 福田政権成立後初の政令市長選挙である大阪市長選挙が十八日投開票され、自民・公明の与党が推薦した現職の関候補が敗れ、民主党などの推す平松候補が当選した。与党は、伊吹・自民党幹事長や太田・公明党代表が相次いで現地入りするなど力を入れただけに、福田政権には打撃。住民サービス切り捨てを続けた現職への厳しい審判といえるものの、「受け皿」となった民主党候補も、現職と改革を競い合う選挙戦であった。

南ア訪問で資源確保狙う
 南アフリカを訪問した甘利経産相は十五日、ムベキ大統領などとの会談で、同国に豊富なレアメタル鉱山の共同開発や企業進出加速などで合意した。訪問には、伊藤忠などの企業幹部約六十人も同行した。甘利の訪問は、南アとの関係強化を進める中国に対抗し、わが国ハイテク産業の「生命線」と言うべきレアメタルを確保しようというものだ。

山田洋行問題、財務相の同席明らかに
 防衛専門商社の山田洋行をめぐる問題で、守屋前防衛事務次官は十五日、参院での証人喚問において、同社との宴席に久間元防衛相と額賀財務相(元防衛庁長官)、さらに「安全保障議員協議会」(会長・瓦元防衛庁長官)関係者が同席していたことを明らかにした。同協議会は、久間、額賀が副会長、前原前民主党代表や赤松・公明党元安保部会長などが常任理事を務めるなど、自衛隊の兵器調達に影響力を持つ超党派の団体。現職閣僚である額賀を取り巻く疑惑が浮上したことで、福田政権は新たな爆弾を抱え込んだ。

総務省、市町村の「破たん基準」策定
 総務省は十四日、地方自治体の財政状況を判断する指標の基準を定め、自治体に提示した。六月に成立した地方財政健全化法に基づく措置で、実質赤字比率、実質公債費比率など四つの基準からなる。実質赤字比率の場合、都道府県では五%、市町村は二〇%を超えると、国の管理下となる「財政再生基準」に達する。今回の措置は、基準明確化によって自治体に「財政健全化」を急がせることが狙いで、住民負担増とサービス低下につながる。

上場企業が5期連続最高益
 上場企業の〇八年三月期連結経常利益が前期比で五・七%増え、五期連続で最高益を更新する見通しであることが、「日本経済新聞」の調べで十六日までにわかった。とくに新興国に進出した、商船三井などの海運、コマツなど建設機械が利益を大きく伸ばしている。国民のふところが冷え込んでいる中、多国籍大企業だけがぼろもうけを続けている。

ガソリン値上げが国民生活直撃
 渡・石油連盟会長は十六日、原油価格上昇を理由に、十二月もガソリンや灯油の値上げを続けると述べた。十一月初旬のガソリン価格は、全国平均で一リットル=一五〇円一〇銭で、三月と比べると二〇円以上上昇、冬の需要期を迎える中でさらに一五五円台になる見込み。ティッシュや即席めんなども相次いで値上げされており、庶民の生活はますます厳しい。政府は、国民生活安定のための措置をとるべきだ。


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