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労働新聞 2007年11月5日号 トピックス
米国がイラン追加制裁、戦争策動強化
米国のライス国務長官とポールソン財務長官は十月二十五日、イランの革命防衛隊内の精鋭部隊アルクッズ旅団を「世界的テロ組織」として指定するほか、同隊幹部や関連団体の資産を凍結すると発表した。これは、アハマディネジャド政権に対して直接打撃を与えることを狙ったもの。国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長でさえ、この制裁強化に懸念を示している。チェイニー副大統領がイランへの武力攻撃をほのめかすなど、米国は戦争挑発策動をいっそう強めている。
サブプライムで米金融が巨額損失
米国の大手銀行・証券十社の四半期決算(七〜九月期)で、二百三十億ドル(約二兆六千億円)の巨額損失を計上したことが、二十日までに明らかになった。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)をきっかけとした金融市場の混乱が背景で、関連損失の合計は純利益の一・四倍にものぼり、七社が減益または最終赤字となった。サブプライムローン問題による金融不安は、米企業の業績悪化、個人消費など実体経済にも及び始めている。さらに原油高騰が続き、米国の景気後退局面は、世界経済の大きな不安定要因となっている。
トルコがPKKを攻撃
トルコ軍はトルコ東部の山岳地帯で二十八日、トルコからの分離独立を唱える非合法武装組織、クルド労働者党(PKK)掃討作戦を展開し、イラク北部クルド自治区への越境攻撃に備えて、国境地帯に兵士約十万人を集結させた。米国はイラク越境を思いとどまるようにトルコに圧力をかけているが、エルドアン首相は、「決めるのはトルコ政府であって米政府ではない」と反発している。米国が引き起こしたイラク戦争によって、この地域が抱えている矛盾が拡大し、不安定化、混乱がいっそう深まっている。
ポーランド総選挙で親米政権敗北
ポーランドで二十一日、下院選挙が行われ、最大野党「市民プラットフォーム」(PO)がカチンスキ首相率いる保守与党「法と正義」を破り、第一党に躍進した。カチンスキ政権はポーランド軍のイラク駐留延長、アフガニスタン派兵、米国のミサイル防衛(MD)基地の受け入れを進めるなど米国寄りの外交を進め、欧州連合(EU)の新基本条約にも抵抗するなどでドイツなどとの関係を悪化させていた。POはイラク撤退とMD基地受け入れ条件の厳格化を公言しており、政権交代は米国にとっても痛手だ。
イラク駐留米軍がバグダッドやサドルシティーを大規模に攻撃し、市民ら多数が死傷した事件に抗議して二十一日、市民たちが死亡した市民の棺を担いで激しく抗議した。
米国のニューヨーク、ロサンゼルスなど十一都市で二十七日、反戦組織が呼びかけた全国一斉の反戦行動が行われた。十万人以上が参加し、イラクからの撤退を訴えた。
イタリアのローマで二十日、年金制度改善や短期契約労働者の権利擁護を求めて、七十万人がデモを行った。政府と主要労組は年金受給年齢を五十七歳から六十歳に引き上げることなどで合意したが、デモ参加者は実施計画の先送りを訴えた。
フランスのエールフランス客室乗務員が二十五日から賃金引き上げを求めて、ストライキに突入した。経営側が生産性の向上を条件付けたため、賃金改定交渉が決裂したもの。
ドイツで二十五日、ドイツ鉄道の運転士の労働組合が、賃金引き上げを求めて三十時間のストライキに突入した。EU諸国の中でもドイツの運転士の賃金は低水準だとして、最大で約三〇%の賃上げを求めている。
防衛省疑惑続出で福田政権に打撃
防衛省をめぐる不祥事が、相次いで明らかとなっている。家族ぐるみの接待の見返りとして、特定業者に次期輸送機(CX)エンジン調達などで便宜を図った疑いで、守屋前防衛省事務次官に対する証人喚問が十月二十九日、衆議院で行われた。守屋は、山田洋行、富士通などの防衛関連企業から接待を受けた事実を認めざるを得ず、接待の席に防衛庁長官経験者が同席していたことも明らかになった。また、テロ特措法に基づく米軍への給油量を隠ぺいした問題、沖縄県名護市辺野古への普天間代替基地移設を沿岸V字形とした政府案決定過程に関する疑惑もある。不祥事続発は、新テロ特措法成立をもくろむ福田政権に打撃となっている。
民主党と国民新党が統一会派結成
民主党と国民新党は二十三日、参議院で統一会派を組むことで合意した。参議院で郵政民営化見直し法案を提出することを条件とするもので、両党は定期的に政策協議を行うとしている。保守二大政党制実現のため、参議院での単独過半数確保を急ぐ民主党の思惑がひとまず功を奏した形だが、見直し法案が衆議院で可決・成立する可能性はない。同じく統一会派を呼びかけられ、拒否している社民党に対する圧力も強まるだろう。だが、この道は政党としての自殺行為だ。
年金制度再改悪もくろむ諮問会議
御手洗・日本経団連会長ら経済財政諮問会議の民間議員は二十五日、年金制度改革に関する提言を公表した。提言は、消費税率引き上げを想定して年金保険料を全額税方式とする、受給開始年齢を六十五歳から引き上げるなどの内容。「百年安心」などと銘打った二〇〇四年の改革から、さらに国民負担増と給付引き下げをもくろむもの。狙いは、税方式とすることで保険料の企業負担分を減らし、消費税という形で国民に押しつけることにある。まさに、財界のための改悪案であり許せない。
金大中事件の最終報告発表
韓国政府は二十四日、一九七三年に起きた金大中氏(前大統領)拉致事件が、旧韓国中央情報部(KCIA)の犯行であったとする報告書を発表した。同部の犯行であることは、これまでも「公然の秘密」であったが、韓国政府が認めたのは初めて。報告書は韓国政府と同時に、「政治決着」として捜査を放棄した日本政府の態度を「遺憾」としている。町村官房長官は「主権侵害は大変な問題」などと述べたが、当時、ベトナム戦争で追い込まれていた米国の意を受け、朴軍事独裁政権を守るために捜査という主権を放棄した責任は重大だ。
公務員犠牲の人勧実施見送り
政府は二十五日、〇七年度の国家公務員給与に関する人事院勧告の完全実施を見送る方針を決めた。人事院は六年ぶりに〇・三五%の昇給を勧告したが、「民間並み」という口実で、九七年以来十年ぶりの完全実施見送りを決めたもの。労働基本権の代替措置としての人事院勧告制度が崩壊していることを示すものであると同時に、地方公務員給与の引き下げにもつながり、国民のふところをいっそう冷え込ませるものだ。
政府、小手先のコメ備蓄強化
農水省は二十九日、米価暴落への緊急対策として、三十四万トンのコメを政府が買い入れて備蓄米を百万トン規模にするとともに、放出を抑制することを決めた。買い支えで価格暴落を防ぐ狙いだが、米価を市場原理に任せている根本原因には手をふれない小手先の対策だ。政府の責任による安定的な価格政策、食糧管理こそとるべき道である。
薬害肝炎、氏名把握しながら伝えず
厚生労働省は二十二日、血液製剤でC型肝炎に感染したとされる四百十八人中、百六十五人の患者情報が「見つかった」と発表した。同省が〇二年に情報を把握しながら、患者に知らせていなかった事実が隠し通せなくなったもの。患者数については、製造元であるミドリ十字(現・田辺三菱製薬)は百九十七人分と発表しており、食い違いが出ている。いずれにしろ、またも薬害を繰り返し、真実を隠ぺいしてきた政府と製薬会社の責任は重大である。
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