労働新聞 2007年10月15日号 トピックス

世界のできごと

(9月30日〜10月9日)

7年ぶりに南北朝鮮が首脳会談
 韓国の盧武鉉大統領は十月二日、平壌を訪問し、朝鮮の金正日総書記と会談した。両首脳は四日、「南北関係の発展と平和繁栄のための宣言」を発表し、朝鮮戦争の終結を宣言するための当事国首脳会談開催を提唱、統一問題の自主的な解決、軍事的敵対関係を終息させるために協力することが明記された。また、経済特区の新設など大規模な経済協力、離散家族再開事業の拡大がうたわれた。七年ぶりの南北首脳会談は友好的に行われ、朝鮮戦争の終結と南北統一に向かって、さらに一歩を踏み出した。

6者協議、共同文書を発表
 中国は三日、朝鮮の核問題をめぐる六者協議の「次の段階の措置」に関する共同文書を発表した。朝鮮は年内に寧辺にある三つの核施設の「無能力化」と全核計画を申告し、各国は重油百万トン相当の経済援助を行う。また、期限には触れないが米国によるテロ支援国家指定の解除にも言及、日朝正常化の努力も盛り込まれた。米国は六者協議で朝鮮の屈服と核放棄を迫ったが、核兵器を手にした朝鮮は発言力を強めている。イラクで泥沼にはまっているブッシュ政権は朝鮮との対話に応じざるをえない状況に追い込まれている。

旧ソ連7カ国、平和維持部隊創設
 ロシア、カザフスタン、ウズベキスタンなど旧ソ連七カ国で組織する集団安全保障条約機構(CSTO)は六日、域外への派遣も想定した「平和維持部隊」を創設することを決めた。これを主導したロシアは、米国が進めるミサイル防衛(MD)計画、グルジアやウクライナへの米欧の介入や北大西洋条約機構(NATO)加盟策動に強く反発。中央アジアでの米国の軍事的圧力をけん制し、米国の一極支配に対抗する動きを強めている。

米軍「アフリカ統合軍」新設
 米国は一日、アフリカへの関与を強めるために米軍再配置を行い、統合軍「アフリカ軍」を新設した。ソマリアやエリトリアなどの「テロ対策」を口実に、石油や天然ガス、希少金属など豊富な資源を有するアフリカでの影響力拡大を狙っている。アフリカでは中国が積極的な資源外交を展開しており、中国をけん制する動きでもある。しかし、統合軍の受け入れを公式に表明しているのはリベリアだけで、ナイジェリアや南アフリカは受け入れ拒否を表明。米国の思惑は出鼻をくじかれている。

人民のたたかい

(9月30日〜10月9日)


 英国の郵便事業会社ロイヤル・メールの労働者が十月四日、賃上げと雇用の確保を求めて、四十八時間ストを行った。十八万人の郵便局職員のうち十三万五千人が参加。昨年の民営化で合理化、賃金引き下げが進んだことに労働者の反発が強まっている。
 ドイツの鉄道労働組合GDLは五日、賃金引き上げを求めて、三時間にわたる警告ストを実施した。組合員二万人のうち一万五千人が参加した。
 イラクのバグダッドで六日、米軍が防衛のために高さ五メートルのコンクリートの分離壁建設を始めたことに対して、住民千人が抗議行動を行った。
 中米コスタリカの首都サンホセで九月三十日、米国との自由貿易協定(CAFTA)批准に反対して十五万人がデモを行った。CAFTAの是非を問う国民投票を前にして、自由化で犠牲になる農民や労働者が抗議の声をあげたもの。
 革命家チェ・ゲバラが南米ボリビアで処刑されてから四十年を迎えた十月八日、キューバで労働者や学生など約一万人が集まって追悼した。また、最期の地となったボリビアではモラレス大統領が追悼集会に参加、「中南米は米帝国主義と闘おう」と訴えた。





日本のできごと

(9月30日〜10月9日)

福田首相所信、米軍支援と改革を明言
 福田首相は十月一日、衆参両院で所信表明演説を行った。参院選の惨敗や安倍前首相の突然の辞任を意識し、「国民の信頼回復」「野党との対話」を繰り返すなど、「低姿勢」を演出した。だが、外交面ではインド洋での米軍支援「継続」を打ち出すなど「日米同盟の堅持」を表明。内政でも、国民犠牲の改革政治の「方向性は変えない」とし、「消費税を含む税体系の抜本的改革」にふれるなど、悪政継続を明言している。

各党の代表質問始まる
 福田首相の所信表明演説を受けた各党の代表質問が三日、始まった。民主党は、鳩山幹事長が解散・総選挙を求めたほか、年金問題で質問を多発するなど「対決」ポーズをとった。一方、公明党は政治資金問題や「地域再生」などで自民党に注文をつけながらも、インド洋派兵の「意義」を強調するなど、引き続き与党として自民党を支える反動的な態度をあらわにさせた。

小沢代表、海外での武力行使を主張
 小沢・民主党代表は、九日発売の月刊誌で、アフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)への派兵を改めて主張した。さらに、スーダンへの国連平和維持活動(PKO)への参加も「当然」とした。両国とも内戦状態にあり、派兵は必然的に武力行使をともなう。小沢民主党の本音が、米戦略を支えての海外派兵拡大にあることは明白だ。

民主、教科書決議に「及び腰」
 民主党は五日、野党共同での提出を予定していた、旧日本軍による沖縄戦での「集団自決」強要に関する高校教科書検定の見直しを求める国会決議案について、「こだわらない」という姿勢に転じた。これは、西岡・参議院議院運営委員長ら保守系議員が抵抗したため。決議に消極的な与党に通じる態度で、民主党の「対決」が欺まんにすぎないことがまたもあらわになった。

政府、変わらぬ朝鮮敵視の制裁延長
 政府は九日、朝鮮籍船舶の入港禁止など、日本独自の対朝鮮制裁措置を半年間延長することを閣議決定した。延長は二度目。拉致問題の「具体的進展がない」という口実だが、在日朝鮮人の祖国との往来や送金も禁止する非人道的なもの。異常な朝鮮敵視は、わが国のアジアでの孤立を深めるものであり、即時無条件の国交正常化こそ取るべき道だ。

政府、思いやり予算協定延長を策動
 政府は八日までに、〇八年三月末で期限切れとなる在日米軍駐留経費(思いやり予算)特別協定を延長する方針を決めた。〇六年に締結された現協定は、それ以前からある思いやり予算の増大を法的に合理化し、訓練移転費などにも拡大することを目的としたもの。政府は、この売国的協定を二〜五年延長することをもくろむ。国民にはさまざまな負担増を押しつける一方、米軍には「至れり尽くせり」を続けるもので断じて許せない。

サービス残業「指導」が過去最高に
 厚生労働省の調査で五日、サービス残業によって労働基準監督署から是正指導を受け、残業代百万円以上を支払った企業数が千六百七十九社と、二〇○一年度の調査開始後で最高となったことがわかった。支払総額は二百二十七億一千四百八十五万円で、労働者一人当たり約十二万円。サービス残業は絶対に許されず是正は当然。だが、この企業数の多さは、是正を受けたものが氷山の一角に過ぎないことも示している。

民営化「日本郵政」が発足
 郵政民営化が一日、発足した。持株会社「日本郵政」のほか、四つの事業会社で構成される。民営化は改革政治の象徴といえるものだが、地方の簡易局の廃止、各種サービス料金値上げ、職場の過密労働など、民営化にともなう「利益優先」の弊害はすでに明らか。利用者と労働者、そして地方に犠牲を押しつける民営化をやめ、国営事業に戻すべきだ。

国民の貧困化で自己破産が激増
 日本弁護士連合会がまとめた「破産事件記録調査」の内容が七日、明らかになった。それによると、〇五年の自己破産申立者(約十八万人)中、「生活苦・低所得」を原因とするのは六二%で、九七年の四五%から大幅増。「給料の減少」も六%から一二%に増えた。改革政治による貧困化で、破産に追い込まれる人が多いことは明白だ。


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