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労働新聞 2007年10月5日号 トピックス
国連でブッシュが孤立
国連の一般討論演説会が九月二十四日から始まった。ブッシュ米大統領は「人権問題」を全面に押し出し、朝鮮、シリア、イラン、キューバ、ベラルーシなどを名指しし、政権転覆の意図を隠さなかった。しかし、米国には非難が集中。ニカラグアのオルテガ大統領はイラク戦争を厳しく指弾、アンゴラのドスサントス大統領はキューバ制裁の解除を訴えた。また、イランのアフマディネジャド大統領は、米国とイスラエルをそれぞれイラクとパレスチナに対する「占領者」と批判。国連の場でブッシュ・ドクトリンを正当化しようというブッシュのもくろみは、見事に失敗した。
米仏両国のイラン制裁、支持受けず
ライス米国務長官は二十一日、訪米したクシュネル仏外相と会談し、イランの核開発について、イランがウラン濃縮活動を放棄しなければ、国連安全保障理事会で追加制裁決議を行うことで歩調を合わせた。しかし、英国のミリバント外相は軍事的対応を否定するなど、欧州諸国の中にも違いがある。この問題で国連安保理常任理事国五カ国とドイツは二十八日、ニューヨークで外相会合を行い、今年十一月まで対イラン制裁強化を定めた決議案の採決を求めない方針で一致した。米仏両国による制裁強化決議の早期採択は、支持を得られなかった。
引き続き深刻なサブプライム問題
国際通貨基金(IMF)は二十四日、「世界金融報告」を発表、米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付きによる損失が約千七百億円〜二千億ドル(約二十兆〜二十三兆円)にのぼると試算した。また、「世界のいくつかの銀行が支払不能や債務超過となり、救済が必要な事態になる可能性がある」と警告した。「実態経済への影響はこれから」(グリーンスパン・米連邦準備制度理事会=FRB前議長)との声もあがるなど、サブプライムローン問題は世界資本主義に深刻な動揺を与え始めている。
米、ミャンマー制裁で強硬
政権批判のデモが続いているミャンマーについて、ブッシュ米大統領は二十五日、制裁措置を発表した。制裁はミャンマー政権関係者の在米資産凍結などが柱。またミャンマーと経済的な結びつきが強い中国に対しても、影響力を行使するよう求めた。八月の燃料値上げが発端とされているデモだが、米国は三日からミャンマー沖のベンガル湾で日印豪との海軍合同演習を実施、ミャンマー、中国への軍事的挑発を強めてきた。
米国の全米自動車労働組合(UAW)は、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)と雇用契約について交渉が不調に終わったことから二十四日、全米の工場でストライキを行った。GMでのストは九八年以来九年ぶり。全米規模での自動車大手のストはフォード以来三十一年ぶり。GMは北米での販売不振を理由に大規模なリストラを実施、加えて退職者向け医療費などの負担減を求めていた。
フランスで二十六日、サルコジ政権によるタクシー業界への燃料の免税措置撤廃と規制緩和政策に反対して、タクシー業者連盟(FNAT)が呼びかけ、全国で二万五千台のタクシーがデモを行った。
米国・南部ルイジアナ州にあるジーナという町で二十日、人種差別に反対するデモが行われ、約五万人が参加した。昨夏、同町の白人高校生が人種差別を象徴する行為を行い、これに抗議した黒人生徒が逮捕されたが、裁判所の審理で白人陪審員が「有罪」の評決を下したことが原因。
福田政権、前途多難な発足
衆参両院で九月二十五日、首相指名決戦投票が行われ、自民党の福田総裁が第九十一代首相に指名され、新政権が発足した。福田は安倍政権最後の閣僚を基本的に再任、安倍の突然の辞任による政治空白を早期に埋めるべく手立てを打つ一方、民主党との「協議」を強調、政局の打開を試みている。だが、参議院における「ねじれ」はもちろん、内外環境は厳しく、その政権の前途は多難だ。
国民だます姑息な自公政権合意
自民党の福田総裁と公明党の太田代表は二十五日、連立政権の重点政策課題の合意書に署名した。経済財政運営では「成長戦略の継続と財政再建の方針を着実に進める」など改革を押し進めることを明言する一方、来年四月の高齢者医療費の負担増や児童扶養手当の一部削減の凍結を図ることなどとしている。自らの悪政で痛めつけた国民からの反撃をかわそうとする姑息(こそく)なものだ。
共産、首相指名で小沢に投票
共産党は二十五日、衆参両院の首相指名決戦投票で、社民、国民新とともに小沢に投票した。共産党が野党第一党の党首に投票するのは九八年に当時の菅・民主党代表に投票して以来九年ぶり。共産党は先の第五回中央委員会総会で民主党にすり寄る方針を決めており、今回の行動はその一環。労働者・国民に民主党への幻想をあおる、犯罪的役割を演じている。
沖縄で復帰後最大の県民大会
文部科学省の高校歴史教科書検定で、沖縄戦における日本軍による「集団自決」(強制集団死)強制の記述が削除・修正された問題で二十九日、宜野湾市で「教科書検定意見撤回を求める県民大会」が行われ、復帰後最大となる十一万人が参加、宮古、八重山の郡民大会も含めると、県内外から十一万六千人が結集した。
御手洗、基礎年金の全額税負担を提言
日本経団連の御手洗会長は二十日、自民党総裁選候補に対し「基礎年金を税制で補う方式について議論をしてほしい」と、基礎年金の全額税負担方式の検討を求める考えを示した。御手洗会長が基礎年金の税負担案を示したのは初めてで、念頭に置いているのは消費税率の引き上げだ。同方式は民主党が最低保障年金制度として求めているもので、自民、民主を税制改革で競わせる策動の一つだ。国民負担増は絶対に許せないものだ。
民間給与9年連続減、格差も広がる
民間企業に勤める人が昨年一年間に受け取った平均給与は四百三十四万九千円で、前年より一万九千円(〇・四%)減り、九年連続でダウンしたことが二十七日、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。また一千万円以上の給与所得者が約二百二十四万人(五%)と、前年より十万人増加する一方、三百万円以下の人が五十万人増加、約千七百四十万人(三十八・八%)となるなど、格差はいっそう広がっている。雇用の不安定化などで格差が広がっていることがあらためて浮き彫りになった。
生活保護世帯が過去最多に
〇六年度の一カ月平均の生活保護世帯数は百七万五千八百二十世帯で、前年度より三万四千三百十二世帯増え過去最多を更新したことが二十八日、厚生労働省の調べで分かった。生活保護世帯数は九二年度以降増え続け、〇五年度に百万世帯を突破した。〇六年度の内訳をみると、夫婦ともに六十五歳以上の高齢者世帯が前年度比四・八%増の四十七万三千八百三十八世帯で最も多く、障害者・傷病者が三十九万七千三百五十七世帯で続く。改革政治による福祉制度の破壊で、高齢者や障害者を中心に生活困窮者が増えていることのあらわれだ。
足立区の「成績による予算配分」中止へ
東京都足立区教育委員会の学力調査委員会は二十八日、学力テスト成績の伸び率で区立学校への予算を配分する同区独自の方式を廃止することを含む報告書をまとめた。同区では、特定の児童の答案を集計から除外したり、教員による誤答の「指さし」などの不正が問題となっていた。学校選択制と併せ、テスト成績の公表や予算の格差づけは「学校間の過度な競争と格差拡大の原因」として、教育関係者や父母から批判の声があがっていた。わずか一年での廃止は当然だ。
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