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労働新聞 2007年9月25日号 トピックス
米軍3万人のイラク撤退を表明
ブッシュ大統領は九月十三日の演説で、来年七月までにイラク駐留米軍を三万人撤退させ十三万人規模に戻すと発表、増派見直しに追い込まれた。米軍兵士の死者は三千七百人を超え、駐留軍のペトレアス司令官が「米軍の負担が限界に近い」と議会証言している。だが、大統領は「一月以来の増派は成功」と開き直り、失敗を認めていない。共和党内からも大統領を批判する声が高まっており、ブッシュ政権はいよいよ深刻な行き詰まりを見せている。
米国、金利0.5%下げへ
米連邦準備制度理事会(FRB)は十八日、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を〇・五%引き下げ、年四・七五%とした。四年三カ月ぶりの本格的な金融緩和策となる。米国では信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安が広がり、経済全体に影響を与え始めている。こうした状況に対する危機感から、米国は大幅な金利下げに踏み切らざるを得なくなったものだ。
仏、公務員攻撃への反撃必至
フランスのサルコジ大統領は十八日、公務員年金の改悪を宣言し、定数削減を打ち出した。財政赤字を公務員労働者に転嫁しようとする攻撃に対して、最大の組合である労働総同盟(CGT)は、週三十五時間労働制の緩和や医療保障の見直しなどの政策も「容認できない」と、ストで闘う構えだ。民主労働同盟(CFDT)も「重大な衝突は避けられない」と抗議した。サルコジ政権に対する公務員労働者の反撃は必至だ。
安保理改革案、ブラジルなどが提出
国連の安全保障理事会の改革を求めて、ブラジル、インド、南アフリカなど二十カ国が十二日、決議案を国連総会に提出した。常任、非常任理事国枠の拡大、途上国代表の増加、島しょ国家や小国の発言権確保のための方策を年内に決定すべきだとする内容。インド、ブラジルは日本、ドイツと共にG4として共同歩調をとっていたが、日本の常任理事国入りに中国が反発するなどでG4の思惑は破たんした。経済力をつけたブラジル、インドは国連での発言力強化のため、新たな動きを始めている。
米ワシントンのホワイトハウス前で十五日、ブッシュ大統領の弾劾を求める五千人のデモが行われた。デモの先頭にはイラク帰還兵が立ち、米軍の即時撤退を求めた。
ドイツのベルリンで十五日、独連邦軍のアフガニスタンからの撤退を求める集会とデモが行われた。国会でアフガン駐留延長をめぐる採決が行われることに対する行動で、各地から一万人が参加した。
日本の傀儡(かいらい)「満州国」建設の発端となった一九三一年の柳条湖事件から七十六周年を迎えた十八日、中国の瀋陽市で記念式典が開かれた。市内にはサイレンが流され、一時停止した車がいっせいにクラクションを鳴らした。
タイのティラ運輸相は十日、バンコク新国際空港周辺の騒音や住民への補償を協議する委員会を設立することを明らかにした。騒音拡大に反発する住民ら約三千人が抗議集会を開き、ターミナルビル前を占拠するなど、闘いは大きな広がりをみせていた。
ネパールの首都カトマンズで十八日、ネパール共産党毛沢東主義派の支持者ら五千人が王政廃止・共和制移行を要求してデモ行進した。ネパールでは十一月に政憲議会が発足するが、要求を拒否されたことに抗議して毛沢東主義派は政権から離脱、政権批判を強めている。。
国民の怒り受け、安倍首相突如辞任
安倍首相は九月十二日、「これ以上責任を果たせない」などとして、辞任を表明した。安倍政権は「主張する外交」「戦後レジュームからの脱却」などといい、対米追随の軍事大国化と国民犠牲の改革政治を進めた。当初は約七〇%の支持率を誇ったが、年金問題や閣僚の相次ぐ不祥事をきっかけに国民の怒りが集中、参院選で惨敗したあげく、一年足らずで政権を放り出す結果となった。所信表明演説直後の突然の発表に、与党内からさえ「無責任」との批判が渦巻いているが、国民各層からすれば遅すぎる。
自民党総裁選、悪政競う福田、麻生
安倍首相の辞任にともなって十五日、自民党総裁選挙が始まり、福田元官房長官と麻生幹事長が立候補した。両候補とも「手直し」などといいつつ、小泉政権以来の改革政治を基本的に継承することを表明、消費税増税にも前向きの態度をとった。外交政策では対アジア政策に違いがあるとされるが、インド洋への自衛隊派兵を継続する意思を示すなど、危険な政策を進める点で共通。選挙の結果、福田元官房長官が自民党総裁に選出された。
財政問題で独自性狙う公明党
公明党の北側幹事長は十九日、二〇一一年までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化をめざす政府目標を先送りすべきと述べた。参院選の大敗を受け、福祉や地方に「配慮」した支出を求めてのもの。また、民主党が「一円以上」の領収書提出を義務づける政治資金規正法案を提出した場合、賛成する可能性があると述べた。独自性発揮を狙う姑息(こそく)な態度だが、連立を維持したままで国民の信頼を得られるはずもない。
特措法通過のため新国連決議を策動
国連安全保障理事会は十九日、アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の任務を延長する決議を採択した。日本政府はこの決議中に、自衛隊が支援するインド洋での海上行動への「謝意」をもぐり込ませ、テロ特措法延長を合理化することをもくろんだ。しかし、ロシアが日本の内政目当ての文言を批判し棄権した。国連の「お墨付き」を狙った日本政府だが、全会一致が実現しなかったことで、その策動は見事に外れた。
日本経団連、消費税増税求める提言
日本経団連は十八日、「税制改正に関する提言」を発表した。消費税については当面二%引き上げ、二〇一五年までに一〇%とすることを求めている。一方、「国際競争力の維持」を口実に、法人実効税率(現行約四〇%)の三〇%への引き下げ、研究開発費への控除(同二〇%)引き上げを求める勝手なもの。さらに「提言」は「国民的議論を喚起すべき」と、改革推進に向けた多国籍大企業のあせりを表明、与野党に断行を迫っている。しかし、これらの施策は、国民生活をさらに困窮へと追い込むものだ。
医療改革促進狙う「厚労白書」
「〇七年度版厚生労働白書」が十四日、閣議決定された。白書は財政難を口実として、先進国中最低の医療費をいっそう削減する方針を列挙。「持続可能な医療制度」などと称し、すでに問題となっている長期入院患者のたたき出しを公言している。全国的な医師不足には無策で、これでは続発する患者「たらい回し」などの悲劇はなくならない。国民の命を守る政府の責任を放棄するものだ。
テレビを見られない世帯が60万も
総務省は十二日、二〇一一年七月に予定されているテレビのアナログ放送停波・デジタル完全移行により、少なくとも六十万世帯でテレビが見られなくなるとの試算をまとめた。山間部や離島での中継局の整備遅れを理由としている。仮に電波が届いても、利用者は高価な受信機を購入しなければならず、さらに多くの国民が情報にアクセスできない。アナログ停波計画は直ちに撤回すべきだ。
奨学金「滞納」は貧困化のあらわれ
〇六年度末の奨学金事業の返済滞納の累積額が、前年度比一一%増の二千七十四億円となったことが、十七日までにわかった。政府は「利用者のモラル低下」などとし、事業の「見直し」を検討する意向。だが、「滞納」増加の真の原因は、非正規雇用拡大などによる若年層の貧困化にある。実際、累積額は小泉政権発足の〇一年度以降で約二倍になっており、政府の宣伝はまやかしだ。
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