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労働新聞 2007年9月15日号 トピックス
APEC首脳会談、米の存在感低下
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が九月九日、閉幕した。会議では地球温暖化問題に関する「シドニー宣言」を採択。また、世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の妥結を求めていく考えも示された。「この地域におけるいかなる重要な枠組みも、米国抜きであってはならぬ」と意気込んでシドニーに乗り込んだブッシュ米大統領だが、会議最終日にはイラク問題に対応するため帰国するなど手詰まりで、アジア太平洋地域で存在感を高めることができない米国の姿をさらした。日米豪の首脳会談も開かれたが、安倍政権は弱体化、豪州のハワード政権も年内に予定される総選挙で苦戦が予想される。一方、中国はその豪州と閣僚級の安全保障会議の開始で合意、温暖化問題でも歩み寄り、合意形成に力を見せつけた。またロシアも、極東シベリアのAPEC経済圏への統合を急ぐ方針を明確にした。米国の存在感の低下の反面、中ロ両国の影響力の高まりが示された会議となった。
米朝、作業部会で「次の段階」合意
米国と朝鮮民主主義人民共和国は一日、スイス・ジュネーブで六者協議の米朝国交正常化に関する作業部会を開催、核施設の「無能力化」や、米国による朝鮮への「テロ支援国家」指定の解除問題などが議論された。朝鮮の「核放棄」に向け核計画の申告など「次の段階」について年末まで履行することで合意した。これを受け、米中ロの核専門家が十一日から訪朝し、「無能力化」の方法を検討する。中東情勢の泥沼化に足を取られている米国は、朝鮮をめぐっては思うようにできず、妥協を強いられている。
ポーランドにMD、米ロの緊張必至
ポーランドのシュチグウォ国防相らは五日、米国とのミサイル防衛(MD)計画について、二〇一二年春までに同国北部に迎撃ミサイルを配備すると明言した。建設費用については米国が全額負担する見通し。これについて隣国・ロシアは「ロシアを狙ったもの」と強く反発している。欧州を舞台に、米ロのせめぎ合いに拍車をかけるのは必至だ。
サブプライムローン問題、経済に影響
ブッシュ米大統領は八月三十一日、信用力の低い個人向け住宅投資(サブプライムローン)問題について、政府による信用保証の拡充など、「借り手保護」対策を発表した。米経済の落ち込みを恐れて打ち出したものだが、八月の雇用統計で四千人のマイナスと四年ぶりの減少となり、同月の製造業景況感指数も悪化。サブプライムローン問題は米国の実態経済にも悪影響を及ぼし始めている。「ブラックマンデーと酷似」(グリーンスパン前FRB議長)との指摘も出る不安定な状況だ。
オーストラリアのシドニーで四日、APEC閣僚・首脳会議が開催されるのに合わせて米・豪のイラク戦争政策とブッシュ米大統領の訪問に反対する集会が開かれた。八日には三千人規模のデモが行われ、参加者は「ブッシュは出ていけ」などと叫んだ。
米ワシントンで五日、夏休み明けで再開した議会を受けて、全国から米軍のイラク撤退を求める人びとが押しかけた。
ニューヨークで六日、市当局が全タクシーに全地球測位システム(GPS)搭載義務化を決めたことに抗議し、運転手でつくるタクシー労働者同盟が四十八時間ストに突入した。
インドで四日、共産党など左翼政党が、印米日豪、シンガポール五カ国がベンガル湾で行う軍事演習に抗議してキャラバンを行った。
民主新体制、挙党・与党との対決演出
民主党は八月三十一日、安倍改造内閣の発足を踏まえた新執行部を発足させた。小沢代表は菅代表代行、鳩山幹事長を留任させるとともに、副代表に岡田元代表と前原前代表を起用、挙党態勢を演出した。小沢は与党との「対決」を演出したが、欺まんであり、幻想は禁物だ。
民主党にすり寄り幻想あおる共産党
臨時国会の開会を前にした九月四日、野党の国対委員長会談が開かれた。会談には共産党も参加、与党との「対決」で一致した。また共産党の志位委員長は八日、第五回中央委員会総会(五中総)で、国会での民主党との関係について「一致点について野党共闘を進める努力を図る」との方針を示した。共産党は参院選後半以降、民主党への批判を手控え、すり寄りを策動しているが、これは労働者・国民に民主党への幻想を広げる犯罪的行為だ。
遠藤農相が辞任 安倍政権に大打撃
遠藤農水相は三日、自身が組合長理事を務める農業共済組合が補助金を不正受給していた問題の責任を取って辞任した。安倍政権における閣僚交代は五人目。また坂本外務政務官も、代表を務める自民党支部の政治資金収支報告書に二重計上が指摘された問題で辞表を提出した。「人心一新」を掲げた内閣改造だったが、わずか一週間での閣僚の辞任で、改造内閣への大きな打撃となった。
初の日米豪会談、「価値外交」演出
安倍首相は八日、訪問先のオーストラリアのシドニーでブッシュ米大統領、ハワード豪首相と会談した。日米豪首脳による会談は初めて。三首脳は「共通の価値観」を有する国として、アジア太平洋や地球規模の問題での協力強化で合意した。会談は日本政府の強い希望で実施されたもので、日豪を手足にアジアでの覇権を維持しようとする米国にあらためて忠誠を誓い、主に中国やロシアをけん制するもの。「死に体」である日米両政権は外交で点数を稼ごうと必死だ。
突出した朝鮮敵視政策続く
政府は七日、集中豪雨で被害を受けた朝鮮に対し、国連が求めていた緊急支援(総額約十六億円)を実施せず、また、実施中の経済制裁措置を、期限切れとなる十月十三日以降も半年間延長する方針を固めた。五、六日にモンゴルのウランバートルで開かれた日朝国交正常化作業部会で「拉致問題に進展が見られなかった」ことを理由としている。水害被害への緊急支援は米国でさえも行っており、ここでも日本の敵視政策が突出した。また政府は、朝鮮総聯が六日に支援物資を送るため、同国からの貨物船の入港許可を求めた安倍首相あての要請書を内容証明付きで送り返すなど、恥知らずな外交姿勢を取っている。
テロ特措法でのソマリア支援が明らかに
テロ特措法に基づいてインド洋に派兵されている海上自衛隊艦船が、本年一月の米軍によるアフリカ・ソマリア攻撃に加担した可能性が高いことが、六日までに明らかになった。同法は、法的にはアフガニスタンを対象としたものだが、イラク占領米軍への支援を行っていることもすでに明白。特措法は、まさに米軍を地球規模で支援するもので、延長など許せない。
最低賃金14円上昇も格差は拡大
厚生労働省は七日、都道府県別の最低賃金の決定状況を発表した。全国の平均額が昨年度比十四円増の六百八十七円で、過去十年で最大の引き上げ幅となった。しかし、最高の東京と最低の沖縄の差は昨年度の百九円から百二十一円と拡大、地域間の格差はさらに広がった。また最低賃金が生活保護の水準を下回る状態にあった十一都道府県で、状況が改善されたのはたった二県で、生活保護以下の水準を強いられる状況が続いている。労働者に人間らしい生活を保障する賃金としては、まったく不十分なものだ。
石原、詐欺まがいの減免公約撤回
石原都知事は七日、生活保護受給水準の低所得者を対象に都独自に個人都民税を減免する方針の撤回を表明した。この方針は石原が四月の都知事選の際に選挙公約として位置付けていたもの。石原は「代わりに就労支援や手当支給などの施策導入を検討する」などと苦しい言い訳をしているが、都民の票をかすめ取った後に手のひらを返す政策転換は、詐欺にも等しい犯罪行為だ。
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