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労働新聞 2007年9月5日号 トピックス
サブプライム問題から金融不安拡大
米連邦準備制度理事会(FRB)は八月十七日、緊急会議を開いて公定歩合の〇・五%引き下げを決めた。米国の「信用力の低い」個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題から米欧で金融不安が広がったためだ。十四日のニューヨーク市場で株価が二百ドル超の下げとなり、アジアでも全面安となった。米国では住宅ローン会社が次々と倒産、バブルの破たんが鮮明となり、実態経済への影響が懸念されている。米国経済の舵取りはますます難しい局面を迎えた。
上海協力機構が首脳会議
ロシア、中国と中央アジア四カ国が参加する上海協力機構(SCO)が十六日、キルギスで首脳会議を開いた。「ビシケク宣言」では、米国のミサイル防衛(MD)システム配備を批判し、中央アジアからの米国の影響力の排除をにじませた。十七日にはロシアで合同軍事演習を行った。プーチン大統領は演習の定期化を提案し、ソ連崩壊以降停止していた戦略爆撃機による長距離飛行の定期訓練の再開を表明するなど、米国への対抗姿勢を改めて打ち出した。中国も十八日、カザフスタンと石油・ガスのパイプライン建設で合意、安全保障やエネルギー面での結束を強めている。
朝鮮の洪水被害、各国が緊急援助
朝鮮は八月上旬からの集中豪雨によって、六百人を超える死者・行方不明者を出す大きな被害を受けている。この洪水を受け、八月末に予定されていた南北首脳会談が十月に延期された。オーストラリアは二十日、二百万豪ドル(一億七千万円)、韓国は二十三日、七十五億ウォン(約九億円)の緊急支援物資の輸送を開始した。中国、米国、欧州連合(EU)なども緊急支援を表明している。しかし、日本は赤十字に任せ、政府としての援助は行わない方針。朝鮮敵視を続ける日本はアジアから孤立するばかりだ。
ブッシュ大統領側近が辞任へ
米国のゴンザレス司法長官が二十七日、辞任を表明した。同長官は国家安全保障局(NSA)の令状なし盗聴問題などをめぐり、民主党からの激しい更迭要求を受けていた。ブッシュ大統領の対テロ戦争を支えた側近の辞任は、同政権にとっては大きな打撃。また、米共和党の重鎮ウォーナー前上院軍事委員長は二十三日、イラク駐留米軍の撤退開始を大統領に求めると表明した。政権末期の求心力低下に歯止めがかからない状況になっている。
ブッシュ米大統領が米・カナダ・メキシコ三カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)首脳会議出席のためにカナダを訪問した。これに合わせてオタワ近郊で二十日、ブッシュの中東政策や北米の経済統合に反対して二千人が抗議行動を展開した。アフガニスタンで戦死したカナダ兵は六十七人にものぼり、国民からはアフガン駐留部隊の撤退を求める声が日増しに高まっている。
韓国の挺身隊問題対策協議会は、十五日、世界九カ国・地域で、日本軍慰安婦問題の解決に向け各国の参加と日本政府の責任追及を求める集会を開いた。また、韓国・ソウルでは、元「従軍慰安婦」と支持者たちが日本政府の公式な謝罪を要求して座り込みを行った。
英国で十九日、ロンドン・ヒースロー空港の拡張計画に反対して抗議活動を行っている環境保護団体など約二千人が、同空港を運営するBAA本社や滑走路建設予定地で抗議行動を展開し、警察側と衝突した。
チリの首都サンティアゴで二十九日、バチェレ大統領が進める民営化政策に反対する数千人の労働者がデモを展開し、市民と機動隊が激しく衝突した。。
安倍改造内閣発足も困難は山積み
安倍改造内閣が八月二十七日、発足した。参院選の惨敗を受け、町村外相、高村防衛相、額賀財務相など、主要閣僚に派閥の代表格をあて「挙党態勢」を演出。また、消費税増税に積極的とされる与謝野官房長官、「三位一体改革」を推進してきた増田総務相(前岩手県知事)を起用、「改革」の旗を維持した。前日には麻生幹事長、二階総務会長、石原政調会長の自民党三役も決まった。だが、内閣支持率は微増したものの三三%程度で、不支持(五二〜五三%)が大きく上回る(朝日・毎日)。参院の過半数を野党が握るというだけでなく、世界経済の不安定化など、内外の危機が深まる下での内閣改造でもあり、前途多難だ。
安倍首相、中国包囲狙うインド訪問
インドネシア、インド、マレーシアを訪問した安倍首相は二十二日、インドのシン首相と会談した。会談では「日印戦略的グローバルパートナーシップのロードマップ」で合意、安全保障面での協力策を来年までに検討すること、貿易額を二〇一〇年までに二倍にすることや温暖化ガス削減などを掲げた。安倍首相は、日米豪による中国包囲網にインドを引き込むことを狙っているが、インドは中国との関係強化も進めており、両首脳にはズレもある。また、安倍首相は東京裁判で被告全員の無罪を主張したパール元判事の遺族と面会、ひんしゅくを買った。
日・ASEANが連携協定締結で合意
日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は二十五日、包括的経済連携協定(AJCEP)締結でおおむね合意した。協定は来年にも発効する予定。日本は輸入品目の約九割の関税を即時撤廃すると提案、代わりに自動車・家電などへのアジア諸国の関税が段階的に撤廃されるなど、わが国多国籍大企業には恩恵が大きい。当面、コメなどは「重要品目」として関税を維持するが、財界は「農業の競争力強化」などと完全自由化を主張している。わが国財界に奉仕し、国内産業を犠牲にする協定だ。
参院選惨敗で不満高まる公明党
公明党は二十二日、国会議員と都道府県代表者による「全国県代表者協議会」を開いた。参院選の大敗を受け、会議では「国民の負担増に対し、敏感ではなかった」「閣外協力に転じるべき」など、安倍政権と太田執行部に対する批判が続出した。大敗は悪政加担の当然の結果だが、公明党にとっての「与党効果」ははげ落ちてきており、自公連立体制はターニングポイントを超えた。
米軍再編交付金の基準決まる
防衛省は二十九日、米軍再編促進法に基づき、当該自治体への交付金配分基準を決めた。施設面積や航空機・艦船の数などで住民負担を点数化、それに応じて交付総額を決定した上で、再編の進み具合に応じ、毎年の配分額を四段階に分けて増額するという仕組み。防衛省は初年度分を来年度予算に計上する予定だが、交付金をエサに住民の抵抗を抑え込もうという、卑劣で売国的な政策だ。
与野党47人が靖国に参拝
終戦の日の十五日、与野党の国会議員四十七人が靖国神社に参拝した。閣僚級では、高市少子化担当相、山谷首相補佐官らが参拝、民主党からも、渡辺元郵政相ら四人が参拝した。与党との「対決」を演じる民主党だが、侵略戦争を美化する点で、自民党と歩調を合わせている。
食料自給率が40%割り込む
農林水産省は十日、〇六年度の食料自給率が三九%と、十三年ぶりに四〇%を割り込んだと発表した。農水省はコメの作況が「やや不良」だったことなどを理由に挙げているが、背景には、長年の売国農政と改革政治がある。政府は一五年までに自給率を四五%にする目標だが、地方や小規模農家を切り捨ててる政策では、その目標達成すら危うい。
ネットカフェ難民が5400人
厚生労働省は二十八日、インターネットカフェを泊まり歩く「ネットカフェ難民」が全国で約五千四百人にのぼるという調査報告をまとめた。約半数は派遣などの不安定雇用労働者、約四〇%が失業者で、改革政治によって国民の貧困化が進んでいることが示される結果に。だが、これはカフェ経営者への電話による調査が大部分で、深刻な実態を一部しか反映していない。「難民」の生活難に対策を打つ意味では、おざなりのものだ。
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