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労働新聞 2007年5月25日号 トピックス
ブレア辞任、ブッシュ支えた末路
英ブレア首相が五月十日、辞任を正式に表明した。後継はブラウン財務相が確実。ブレア辞任の理由は、直接にはイラク戦争支持など徹底した対米追随外交が批判を受けたものだが、保守党と変わらぬ改革政治で国民の貧困化を進めたことも背景にある。英国の対イラク政策に大きな変化はないとされるが、米ブッシュ政権の「盟友」がまた一人退場したことになる。
世銀総裁辞任で米国に打撃
世界銀行のウルフォウィツ総裁が十七日、女性スキャンダルを理由に辞任を発表した。イラク戦争を主導し世銀に乗り込んだウルフォウィツは、二年もたたずにその地位を追われることとなった。背景は米国の国益にそって資金援助対象国を選別、内政干渉を行ってきた同総裁に対する、途上国や欧州の強い不満がある。総裁の辞任は、国際機関を通じての世界支配を策したブッシュ政権にも大きな打撃だ。一方、ウルフォウィツの続投を唯一支持した日本は、各国のひんしゅくを買った。
ロシア・EU首脳会議が決裂
ロシアと欧州連合(EU)の首脳会議が十八日、ロシア中部のサマラで開かれた。会議は、ロ欧間の現行「パートナーシップ協定」が今秋期限切れとなることに合わせ、新たにエネルギー安定供給や貿易拡大などを盛り込んだ新協定をめざして開かれたもの。だが、ロシアは東欧へのミサイル防衛(MD)施設建設や、欧州諸国によるロシア国内の問題への干渉などに反発、会議は事実上決裂した。欧州委員会は、ロ欧関係は「冷戦終結後最低の水準」と評価しているが、背後には、MDなどでロシアへのけん制を強める米国の策動がある。
南北、56年ぶりに直通列車開通
朝鮮と韓国は十七日、軍事境界線を越えて南北を結ぶ、直通列車の試験運転を五十六年ぶりに行った。京義線と東海線の二路線で、一九九二年の南北基本合意以来の実現。韓国側は、早期の定期運行をめざす方針。核実験などを口実とした米日の朝鮮敵視政策にもかかわらず、韓国は柔軟姿勢を維持、南北は統一に向けた自主的努力を積み重ねている。
中国が人民元を事実上切り上げ
中国人民銀行は十八日、人民元の対ドル変動幅を上下〇・二ポイント拡大し、〇・五%とすると発表した。変動幅が大きくなることで、若干の元高となる。二十二日からの米中戦略対話を前に、膨大な対中貿易赤字削減を願う米国の「人民元改革」要求に配慮したもの。また、将来の元高を当て込んだ投機資金の流入を抑える狙いもある。だが、今回の措置で米民主党などの対中要求がおさまる保証はなく、米中間の懸案は残ったままだ。
韓国の釜山鉄道労組の労働者二千人が十六日、労働条件の改善を求める交渉が決裂したことを受けて、三年ぶりのストライキに突入した。
パキスタンで十二日、大統領による最高裁長官の停職処分に対し、激しい抗議デモとストライキが起きた。政府は「暴徒は見つけ次第射殺」という激しい弾圧姿勢で臨んでいるが、抗議は翌日以降も続いている。大統領は、長官が「対テロ戦争」による行方不明者に対する情報提供を求めたことを口実に、処分を強行した。
米国ワシントンで十四日、イラク占領の即時停止を求める行動が行われた。兵士の母親ら数千人が参加、ホワイトハウス周辺をデモ行進した。
米カリフォルニア大学の学生が十六、十七日、同大学で行われている新型核兵器開発のための研究の中止を求め、四十人がハンガーストライキを行った。
改憲へ「国民投票法」成立
憲法改悪に向けた「国民投票法」が、五月十四日の参議院本会議で自公両与党などの賛成多数で可決、成立した。同法施行は五月中を予定する公布から三年後で、改悪原案の提出は早くて二〇一〇年。同法は、投票テーマを憲法に限定。一定の投票率を超えないと成立しない最低投票率を設けないことや、有料CMが投票日前二週間以前は野放しされるなど、問題が多い。また、公務員労働者の改悪反対運動を事実上封じている。民主党は採決で「反対」したが、もともと改憲を主張、採決をめぐり自民と合意するなど、その「反対」姿勢は参院選に向けたポーズでしかない。
共産4中総、闘い提起せず
共産党は十七日、第四回中央委員会総会を開いた。先の統一地方選で議席を減らす中、今夏の参院選に向けて下部党員の尻をたたくことに終始した。志位委員長は民主党について「もう一つの保守党に変質した」などと指摘したが、この間の「野党共闘」で民主党を美化してきたことには口をつぐんだ。憲法改悪や米軍再編など安倍政権の反動政策が打ち出される中で、大衆運動を提起せず、闘いをひたすら参院選に押し込もうとしている。
安倍、集団的自衛権行使へ指示
憲法解釈で禁じられてきたとされている集団的自衛権行使に向けた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井前駐米大使)の初会合が十八日、開かれた。安倍首相は?米国に向かう弾道ミサイルの迎撃?公海上の米軍艦船援護?国連平和維持活動(PKO)など他国軍隊の救援?PKOなどの後方支援の四事例を上げ、検討を指示した。同懇談会は秋までに行使に向けた結論を出す。安倍は集団的自衛権行使を「戦後レジームからの脱却」の柱の一つとして突破を図り、米軍と共に世界のどこでも行動できることを狙っている。
「価値外交」推進へ実働部隊
自民党の中堅・若手議員四十三人が十七日、「価値外交を推進する議員の会」を発足させた。初会合では、会長に就任した古屋衆院議員が「中国は共通の価値観を持っていない」と言い放ち、顧問の中川政調会長も「われわれが中国の一つの省になることは避けなくては」などと、異様なまでに対中敵視をあらわにさせた。参加する議員の多くは、歴史教科書問題などで侵略美化を叫ぶ連中だ。安倍首相掲げる「価値外交」を後押しする実働部隊だ。
基地抱える自治体が再編反対訴え
衆院安全保障委員会で十七日、在日米軍再編計画の対象になっている北海道千歳市、山口県岩国市、沖縄県宜野湾市の三市長が意見陳述を行った。米軍艦載機の移駐計画がある井原・岩国市長は昨年三月に行われた住民投票で九割もの市民が移駐計画に反対したことを報告。計画に反対したため、新庁舎建設の政府補助金がカットされたことを告発した。また、普天間基地を抱える伊波・宜野湾市長も基地の危険な実態を明らかにし、名護市への移設に反対した。計画を受け入れた山口千歳市長も「苦渋の決断」と、必ずしも本意ではないことを示唆(しさ)した。
公的医療放棄加速化へ
政府の経済財政諮問会議は十五日、公立病院の民営化などを盛りこんだ二〇一二年度までの医療・介護分野での「効率化」計画で合意した。菅総務相が打ち出したもので、独立行政法人化や民間医療法人への事業譲渡などの民営化で、地域での中核医療機関の機能・規模の縮小を促すという。地方における医師不足が問題化される中で、いっそう地域における公的医療放棄を促すもので、国民の命を危険にさらすものだ。
過労自殺が過去最多
二〇〇六年度に過労やストレスが原因で自殺(未遂含む)したとして、労災認定された人が、前年度より二十四人多い六十六人と過去最多となったことが十六日、厚生労働省のまとめで分かった。過労自殺を含む精神障害の労災補償認定者数も同六一・四%増の二百五人と大幅に増加、年代別では三十歳代が四〇%を占めた。あげられた数字は、氷山の一角に過ぎない。企業の人員削減が進み、加重労働が労働者一人ひとりにのしかかっている現状を示すものだ。
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