労働新聞 2007年4月5日号 トピックス

世界のできごと

(3月20日〜3月29日)

6者協議、金融制裁解除めぐり休会に
 中国・北京で行われていた朝鮮の核開発をめぐる六者協議は三月二十二日、休会した。二月の合意に基づいて朝鮮は核施設の停止準備を開始したが、米国が金融制裁解除手続きを遅らせたため、協議が中断した。また、同時期に米韓合同演習が強行されており、朝鮮が「対話の雰囲気を壊し、合意事項の履行を阻んでいる」と非難するのは当然。「朝鮮の強硬姿勢」などというわが国マスコミは、事態をアベコベに描いている。

国連安保理、不当なイラン制裁決議
 国連安全保障理事会は二十四日、ウラン濃縮活動を理由に、対イラン追加制裁決議を採択した。昨年十二月の決議に続くもので、英仏独が提出。内容はイランの武器輸出禁止、金融資産凍結の対象拡大が特徴。核開発への圧力とともに、「イランがイラクなどの武装勢力を支援している」との口実で、中東における同国の影響力拡大を防ぎたい、米国の意向が反映したもの。だが、決議に賛成したカタールでさえイスラエルの核保有を引き合いにイランへの過度の圧力に抵抗、米国への批判は強い。イランのモッタキ外相は決議の不当性を訴え、国際原子力機関(IAEA)への協力を一部停止すると発表したが、当然だ。

米英が挑発、イランが兵士拘束
 イランは二十三日、ペルシャ湾内で英国軍兵士十五人を拘束した。英艦艇がイラン領海内に不法侵入した疑い。米英は事件を口実に、国連安保理の決議も含めてイランへの圧力を強めている。自らが相手国領海内で挑発行動を行っていたことを暴露するだけだ。

イラク戦争後の犠牲者が 万人突破
 英国の放送局は二十六日、イラク戦争開戦後昨年六月末までのイラク人死者が、六十五万人に達したという調査結果を発表した。年頭、米軍の死者が三千人を超えたが、イラク人の犠牲はその二〇〇倍以上。この責任は、無法な侵略を行った米帝国主義にある。

中ロ首脳会談、共同宣言に調印
 ロシア訪問中の胡錦濤・中国国家主席とプーチン大統領は二十六日、会談を行い、両国の「戦略的パートナーシップ」強化などの共同宣言に調印した。宣言は、エネルギー・宇宙開発協力やインドを加えた三カ国の連携拡大、中ロ間の国境確定作業推進などを含む。国際的影響力を増す両国の連携強化は、米国をけん制するものだ。

EU、「ベルリン宣言」を採択
 欧州統合の基礎となったローマ条約締結から五十周年を迎えた二十五日、欧州連合(EU)は非公式首脳会議を行い「ベルリン宣言」を採択した。宣言はEU憲法を〇九年までに発効させるなど、統合を深めることで合意した。共通通貨ユーロが米ドル圏を脅かす中、欧州の統合強化は世界の多極化をいっそう促すもの。だが、域内では労働条件悪化などが進むため、反発も避けられない。

人民のたたかい

(3月20日〜3月29日)


 韓国・ソウルの日本大使館前で二十一日、慰安婦問題をめぐる安倍首相の妄言に抗議し、元慰安婦と支援者百人が集会を行った。被害者の李さんは「私こそ生きた歴史の証人」と、国による強制を認めぬ日本政府を糾弾した。また、中国・台湾の台北市でも同日、元慰安婦が日本の窓口機関前で抗議行動を行った。
 韓国のソウルで二十五日、米韓自由貿易協定(FTA)に反対する「汎国民運動本部」が集会とデモを行った。行動には労働者など七千二百人が参加、道路を封鎖し激しく抗議した。
 イスラエルの労働総同盟が二十一日、地方公務員の賃上げを求めてストライキを闘った。ストにより、各官庁・港湾・鉄道・電話などの業務が全国的にストップした。




日本のできごと

(3月20日〜3月29日)

統一地方選挙始まる
 東京、神奈川など十三の都道県知事選挙が四月二十二日告示され、七月の参院選挙の前哨戦ともいわれる第十六回統一地方選挙が始まった。二十五日に四政令市長選、三十日に四十四道府県議選と十五政令市議選が始まり、前半戦の投票日は四月八日となる。改革政治で疲弊(ひへい)する地方経済、三位一体改革で自治体財政が悪化する中、住民の生活と地域を守る上で自治体の役割が問われている。

米軍再編特措法案が審議入り
 在日米軍再編に協力する自治体に「再編交付金」を配分する特別措置法案が二十三日、衆議院本会議で審議入りした。法案では市町村の公共事業に対する国の補助率引き上げ、再編関連特定周辺市町村に再編完了から五年間の交付なども盛り込まれている。財政難の自治体にカネをばらまき、各地で巻き起こっている住民の反対運動を圧殺しようという許し難い策動である。同時に政府はミサイル防衛(MD)システムの一環として、弾道ミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)を、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)に配備するなど、対米追随の下で軍事大国化の動きを強めている。

慰安婦「関与ない」と下村副長官
 下村官房副長官は二十六日、慰安婦問題について「直接的な軍の関与はなかった」と公言した。慰安婦問題についての日本政府の対応については、韓国・中国などアジア各国をはじめ米国やカナダ、オーストラリアからも批判が高まっている。下村官房副長官の発言は、軍の関与を認めた九三年の「河野談話」を否定し、安倍首相を援護する確信犯的なもので、断じて許せない。こうした政権では、アジアとの共生などできるはずもない。

自衛隊中央即応集団が発足
 テロなどに対応して移動する米軍のストラーカー軍団がモデルとされる防衛相直属の自衛隊精鋭組織「中央即応集団」が二十八日、発足した。陸上自衛隊六部隊約三千二百人で発足したが、来年三月には国連平和維持活動(PKO)の先遣隊となる「中央即応連隊」も加え約四千百人体制となる。司令部は当面、埼玉県朝霞駐屯地におくが、米第一軍団司令部がキャンプ座間に移った時点で座間に移転し、日米軍事一体化の一翼を担う。対米追随の下での軍事大国化が、着々と進められている。

自公が国民投票法案国会提出へ
 自公両党は二十七日、改憲手続きを定める国民投票法案を国会に提出した。二十八日に新潟と大阪で地方公聴会、四月五日に二度目の中央公聴会を開き、今国会での成立を狙っている。民主党小沢代表は「与党案には反対」というが、与党修正案は昨年十二月に民主と大筋合意した修正案の内容をほぼ踏襲したもので、「反対」は選挙目当てのポーズにすぎないことは明白。国民投票法は改憲に向けた一里塚で、事実上手を貸している民主党には期待できない。

国民負担増の07年度予算案成立
 〇七年度予算が二十六日、参院本会議で自公の賛成多数で成立した。一般会計総額は前年度に比べ四%増の八十二兆九千八十八億円。米軍への「思いやり予算」は二千百七十三億円、MDシステム関連経費は千八百二十六億円と過去最高なった。一方、四月から生活保護の母子加算の縮小、国民年金保険料の引き上げ、六月の住民税定額減税廃止、九月の厚生年金保険料の引き上げなどが相次ぐ。財政赤字を社会福祉切り捨て、国民負担増で乗り切る政治に、国民の不満と怒りが高まっている。

タミフル被害、企業とのゆ着が原因
 厚労省は二十二日、タミフル服用者と異常行動の因果関係を再調査する考えを示した。厚労省はこの問題について、同省研究班の調査結果を根拠に因果関係を「否定」してきたが、相次ぐ事故の発覚によって見直しを余儀なくされた。厚労省医薬局の元課長がタミフルを販売している中外製薬に天下りしたり、中外製薬が副作用を調べる同省研究班に献金してきたことも明らかになっている。国民の命を守るべき厚労省が製薬会社とゆ着する体質が続いており、こうした体質が数々の薬害問題を引き起こしている。


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