労働新聞 2007年3月15日号 トピックス

世界のできごと

(3月1日〜3月9日)

南北閣僚級会談、コメ支援再開へ
 約七カ月ぶりに朝鮮の平壌で行われていた南北首脳会談は三月二日、共同報道文を発表して閉幕した。会談では、赤十字会談や経済協力推進委員会など、中断していた対話チャネル復活や離散家族再会事業の再開、南北鉄道の試験運転実施などで合意した。またこれを機に、朝鮮はコメ・肥料の支援を要請、韓国は四月にもこれに応じる予定だ。韓国は、相も変わらず敵視を続ける日米とは明確な一線を画している。

国連開発計画、朝鮮支援を停止
 国連開発計画(UNDP)は一日、支援事業の「流用」を口実に、朝鮮に対する全支援事業を停止した。UNDPは「民主的統治」を最大の重点支援分野とし、イラン「復興」支援やアフガニスタンでの傀儡(かいらい)政権樹立を支援するなど、米戦略を支えている面がある。国連機関が、米国をはじめとする大国による世界支配の道具であることが、またも示された。

朝鮮口座は「すべて合法」
 米国の金融制裁によって凍結された、中国・マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアの朝鮮名義口座について、マカオ当局が一日までに、「すべて合法資金」との結論を出していたことが明らかになった。米国による「マネーロンダリング」などの宣伝に根拠がなかったことが明らかになったものだ。デタラメな制裁に追随して敵視をあおる、わが国政府の責任も重大だ。

米、EUが航空市場開放で合意
 米国と欧州連合(EU)は二日、両地域の航空市場を開放する「オープンスカイ協定」締結で合意した。米欧で世界の航空需要の六割を占めるため、両者の合意に各国は追随せざるを得ず、世界の空は米欧の巨大航空資本に牛耳られることになる。これにより、料金引き下げ競争、中小航空会社の合併や倒産、リストラが激化することは必至。これらは、公共機関の一つである航空機の安全な運行を損ねることにもつながる。このような自由化は許されない。

人民のたたかい

(3月1日〜3月9日)


 韓国で七日、旧日本軍の元「慰安婦」と支援者がソウルの日本大使館前で抗議行動を行い、「慰安婦」強制の事実を認めない日本政府に謝罪を求めた。オーストラリアのシドニーでも、連帯行動が行われた。
 フィリピンのマニラで八日、国際女性デーに際して数千人がデモを行った。デモ隊は、フィリピン人女性を暴行して終身刑判決を受けた米兵の、即時引き渡しを求めた。
 ベトナム南東部ドンナイ省の工業団地にある日系企業マブチモーターで五日、労働者約七千人が給与が規定通り払われていないことの改善を求め、ストライキを行った。
 ブラジルのサンパウロで八日、ブッシュ米大統領の訪問に反対する一万人規模のデモが行われた。デモ隊は、米総領事館や米系金融機関などにも押し寄せ、激しく抗議した。
 フランス南部のトゥールーズで六日、航空機大手エアバスのリストラ計画に反対し、一万二千人の労働者がデモを行った。同地従業員の八割以上が参加、下請の労働者も合流した。
 ポルトガルで二日、医療・教育予算をカットしているソクラテス政権に対して、抗議行動が行われた。労働組合を中心に五万人が参加、議会に向けてデモを行った。
 英国で三日、ブレア政権による医療の民営化に反対し、数千人の医師や看護師が主要都市でデモを行った。英国では昨年、民営化で三千ものベッドが減らされ、二万人以上の労働者が失業または異動を強制された。
 南米エクアドルで七日、「外国軍事基地撤去国際大会」が行われ、十数カ国から平和団体が参加した。参加者は同地の米軍基地にデモを行った。



日本のできごと

(3月1日〜3月9日)

居丈高な日本、日朝作業部会は物別れ
 六者協議の合意を受けて日本と朝鮮は三月七、八日、ベトナム・ハノイで日朝国交正常化に関する作業部会を開いた。日朝間の本格交渉は一年一カ月ぶり。平壌宣言にのっとり、拉致問題と過去の清算は同時に議論すべきだとする朝鮮に対し、日本側代表の日朝国交正常化交渉担当・原口大使は「最大の目的はすべての拉致被害者の早期帰国」と公言。政府が拉致と認定していない特定失踪者の調査なども求めるなど、さらにハードルを高くする居丈高な態度で臨んだ。朝鮮は拉致問題ばかりを言い立てる日本に当然にも反発、会談は物別れに終わった。米国の対朝鮮圧力に頼りながら強硬策をとり続ける安倍政権には、国交正常化の意思も能力もないことが改めて鮮明になった。

安倍首相の慰安婦発言、各国が批判
 米国下院の従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を要求する決議案について安倍首相は五日、「決議があったからといって謝罪することはない」「強制性について裏付けのある証言はない」などと開き直った。これは慰安所の設置など旧日本軍の関与を認めて謝罪と反省を示した九三年の河野談話を否定するもの。これに対して韓国、中国は強く批判、台湾当局も異例ともいえる抗議を表明した。また、フィリピンも河野談話の順守を求めた。この発言は安倍首相の本音。歴史的な真実をごまかし、政治軍事大国化に踏み出した安倍政権では、アジアから信頼を得ることはできない。

日米印が四月、初の共同訓練へ
 日本、米国、インド三カ国が四月上旬、神奈川県の南方の太平洋で初めて共同で訓練を実施することが四日、明らかになった。海上自衛隊の護衛艦や哨戒ヘリコプターなどが参加し、インドの艦船が参加する。日米印の軍事面での共同訓練は、大国化する中国を包囲し、けん制する狙いがある。

民主党の腰砕け、予算案が衆院通過
 〇七年度予算案は三日未明、自民、公明などの賛成多数で衆院を通過し、事実上成立した。対決姿勢を強調した民主党だが、小沢代表自らが予算案の衆院本会議採決前に退席。予算委員長などの解任決議案を三本提出したものの、自公と妥協して一本を取り下げるなど、国会対応は腰砕けに終わった。今後の国会では、米軍再編法案、国民投票法案、教育改革関連法案、雇用ルール見直し法案などの国民生活に密接に関連した重要法案が続くが、こんな民主党に期待することはできない。

郵政造反組復党でゆれる自民党
 郵政民営化問題で造反し九月の衆院選挙で落選した衛藤前衆院議員の自民党への復党が九日、正式に決まった。安倍首相は今後も、落選組の復党を容認していく考えを示している。しかし、「強引な復党は支持率低下に拍車をかけ、参院選に悪影響を与える」と、与党内にさえ、安倍首相を批判する声が強まり、復党の決定は異例の多数決となった。国民を愚弄(ぐろう)する党利党略であり、安倍政権はさらに不安定さを増している。

郵政民営化で米生命保険協会が声明
 米生命保険協会(ACLI)のキーティング会長は一日、日本の郵政民営化に関する声明を発表し、発足するゆうちょ銀行とかんぽ生命保険について民間保険会社と同じ競争条件の確保を求め、この問題を日米首脳会談で協議すべきだと指図した。この間、米生命保険協会は日本市場開放のために政治的発言を繰り返し、日本の郵政民営化を強く求めてきた経過がある。自らの利益につながる、改革政治の「後戻り」を許さず、日本市場でより自由に、より多くの利益を享受することを狙った圧力で、許せない干渉だ。

好景気どこ吹く風、労働者の賃金低下
 厚生労働省が二日発表した一月の毎月勤労統計調査によると、すべての給与を合わせた現金給与総額は前年同月比一・四%減の二十八万二百六十円となった。現金給与総額のうち、基本給を示す所定内給与は〇・二%減の二十四万九千四百二十六円。政府やマスコミは「好景気」と世論をあおっているが、格差が広がる中で労働者の賃金が低下している現実が、この統計からもうかがえる。組織労働者はストライキを構えて闘い、〇七春闘で大幅賃上げを勝ち取ろう。


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