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労働新聞 2007年2月25日号 トピックス
6カ国協議、「合意」はあいまい
中国の北京で行われていた、朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は二月十三日、「合意文書」を発表して閉幕した。朝鮮が六十日以内に寧辺の核施設を停止、国際原子力機関(IAEA)の監視を受け入れるなどの見返りとして、参加国が五万トン相当の重油支援を行う。第二段階は、核施設の「無能力化」などと引き替えに、九十五万トンの重油を供与するなど。五つの作業部会設置も合意された。だが、合意文書は「無能力化」の定義などであいまいさを含んでいる。米国は金融制裁の一部解除に向けた準備を始めたというが、ライス国務長官が「ウラン濃縮停止も今後提起」と新たな要求を突きつけ、「テロ支援国家」指定解除手続きについては早くも難癖をつけるなど、敵視政策をやめていない。協議の合意通りにすんなりと進む保証はない。(社説参照)
米下院、イラク増派反対決議可決
米下院は十六日、イラクへの米軍増派に反対する決議を、与党・共和党の一部議員も含む賛成多数で採択した。昨年末の中間選挙での共和党の大敗を受けてのものだが、イラク戦争開始後、議会が大統領の方針に反対の意思を示したのは初めて。上院での同決議採択は断念されたものの、野党・民主党は、イラク戦争の根拠となった〇二年秋の「開戦決議」の修正も求める構え。ブッシュ政権の政局運営は、ますます困難となっている。
プーチン、米国を激しく非難
ロシアのプーチン大統領は十日、ドイルのミュンヘンで開かれた「ミュンヘン安全保障政策会議」で演説し、米高官を前に、朝鮮・イランなどの核兵器開発は米国の責任で、各国は米国の武力行使からの自衛を求めていると述べた。また、米国による東欧諸国へのミサイル配備や旧ユーゴ・コソボへの干渉を批判した。資源を武器に国際的影響力を増し、米国へのけん制を強めるロシアの外交姿勢が目立った形。なお、同会議は六二年に発足したが、冷戦崩壊後はロシア、東欧、中国、日本なども参加、世界の安全保障に影響ある会議。
G7、円安めぐり対立
ドイツのエッセンで開かれていた七カ国財務相・中央銀行総裁会議は十日、共同声明を採択して閉幕した。会議に先立ち、欧州諸国は、円安ユーロ高が輸出競争力低下につながると、日本に円安是正を求めていた。だが、輸出拡大の恩恵を受ける日本と、円安が金利差を利用した投機活動にとって有利と判断する米国がこれに反対、欧州の足並みも揃わなかったことから、「声明」では直接には言及されなかった。為替をめぐり、列強間の矛盾がかいま見えた会議となった。
イタリア北部のビチェンツァで十七日、米軍基地の拡張に反対する集会とデモが行われ、十二万人が参加した。参加者は「米国によるテロ基地を閉鎖しよう」と叫んだ。
ドイツ南部のミュンヘンで十日、北大西洋条約機構(NATO)へのドイツ軍の参加の見直しを求め、三千人が集会を行った。
チェコの首都プラハで十三日、米国による同国へのミサイル防衛(MD)配備と基地建設に反対する、平和団体による集会が国会前で開かれた。世論調査では、建設計画に「反対」の国民は「賛成」の倍以上。
イラク北部のモスルで十五日、マリキ政権が燃料供給を行わないことに抗議し、バス・タクシー運転手がストライキを行った。交通労組委員長は、「燃料不足で企業が操業を止め、かなりの労働者が職を失った」と訴えた。
6カ国協議で孤立した日本
朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議が二月十三日、合意文書を採択して閉幕した。日本は安倍政権の看板である拉致問題を口実に対朝鮮強硬姿勢を崩さず、六カ国協議の中でも孤立した。三十日以内に日朝交渉正常化部会を開くことが決まったが、安倍首相は「拉致問題の解決なくして国交正常化はありえない」との主張を繰り返している。政府は朝鮮敵視政策を転換すべきで、前提条件なしで即時国交正常化することこそ、北東アジアの平和に貢献する道である。(社説参照)
求心力低下を露呈する安倍政権
対米関係をめぐる閣内不一致発言などが続いている安倍政権だが、自民党の中川幹事長は十八日、閣僚や官僚に対して「首相への絶対的な忠誠と自己犠牲」を求めた。また、「首相が入室した時に起立できない、私語を慎めない政治家は内閣にふさわしくない」と指摘した。安倍首相の求心力の低下の一端を示す発言である。こうした状況下で、安倍内閣の支持率がさらに低下している。
日米同盟の揺らぎを懸念する民主党
民主党の前原前代表は十三日の衆院予算委員会で質問に立ち、久間防衛大臣の「イラク開戦は早まったのではないか」との発言を取り上げ、「現職の大臣の発言としては日米同盟の信頼を損なう、国益を損なう」と指摘した。日米同盟が揺らぐことを懸念した発言であり、与党とまったく同じである。このような民主党には、米軍再編問題などで闘えないことは明白だ。
日本がイラン経済制裁を発動
政府は十七日、国連安全保障理事会での制裁決議に基づくイランへの経済制裁を発動した。資金移転の防止と決議で指定された団体や個人の資産凍結が柱。米国の強い要請にこたえたもので、米政府はさっそく歓迎した。日本はイランのアザデガン油田の権利を手放し、事実上撤退を強いられた。原油をイランに依存する日本にとって、制裁は国益を損なう愚挙である。
アーミテージらが日米同盟で提言
米国のアーミテージ元国務副長官ら超党派の有識者グループが十六日、「日米同盟?二〇二〇年までの正しいアジアのために」と題した報告書を発表した。中国が「責任ある利害共有国(ステークホルダー)」となるために、日米で「道を照らしていく必要がある」とした。また、日米印の三カ国による「戦略的パートナーシップ」の構築を提唱。日本には防衛費の増加、日米自由貿易協定(FTA)の締結を提言した。この報告書は民主、共和の政権にかかわらぬ米国の外交方針を提起しており、日米が軍事・経済面で一体化し、台頭する中国をけん制しようというものだ。
中国外相が訪日、ガス田協議再開へ
安倍首相は十六日、来日した中国の李外相と会談し、東シナ海でのガス田の共同開発に向け、昨年七月以来開かれていない局長級会議を三月に再開することで一致した。日本は中国の弾道ミサイルによる衛星破壊実験についても非難。安倍首相は小泉政権下で最悪となった日中関係をとりあえず修復したものの、ネックといえる靖国や歴史認識問題は留保されたままだ。
米国産牛肉、またも基準外混入
米国産の牛肉で、日米合意で定められた月齢二十カ月を超える肉が日本に輸出されたことが十六日、明らかになった。さらに米国は月齢二十カ月以下という日本の基準について、基準が厳しすぎるとして三十カ月以下に緩和するように強く求めているが、とんでもないことだ。国民の安全を守るために、米国の要求に屈することなく輸入禁止措置を取るべきである。
〇六年国際収支、所得収支が最大
財務省が十四日発表した〇六年の国際収支速報によると、所得収支(日本の民間が海外から受け取った利子や配当金などから海外に支払った額を差し引いたもの)の黒字が、前年比二〇・八%の十三兆七千四百四十九億円で三年連続過去最大を更新した。海外債券からの利子・配当金収入が二一・九%と大幅に伸びたほか、日本企業の海外法人が稼いだ収益も三一・三%増えた。円安も追い風として、多国籍大企業が直接投資で大もうけしている実態を示している。
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