労働新聞 2007年2月15日号 トピックス

世界のできごと

(1月30日〜2月9日)

6カ国協議合意、米敵視政策は変えず
 朝鮮の核をめぐる六カ国協議が二月八日、北京で始まった。六日間の協議を経て、朝鮮が寧辺(ニョンビョン)の核施設の活動停止など核放棄に向けた措置をとる見返りに、重油の支援を段階的に計百万トン受けることなどで合意した。だが米国は一昨年の六カ国協議直後、朝鮮への金融制裁に踏み切るなど合意を踏みにじった。九四年の「米朝合意」の際にも、軽水炉発電所や重油の提供などをサボタージュしている。依然、朝鮮への敵視政策をやめない米国が、今回の合意をすんなり守る保証はない。

イラクでの米兵死者増加、3000人超す
 米国防総省は八日、イラク駐留米兵の死者が前日までに三千百人を超えたことを明らかにした。米軍が首都バグダッドで掃討作戦を増やしていることが背景にあり、イラクのでは戦闘が激化に歯止めがかからない。三日には米国のイラク侵攻以来最大規模の百三十人余が死亡する「テロ」事件が起きた。ブッシュ米大統領はさらに二万千五百人増派し、その多くをバグダッドに投入して「治安維持」の体裁を整えて撤兵への道筋をつける算段。だが、人民の抵抗は、米国を泥沼に導いている。

米予算教書、際限ない「対テロ」戦費
 ブッシュ米大統領は五日、〇八会計年度予算教書を議会に提出した。総額二兆九千十八億六千百万ドル(約三百五十兆円、対前年度比四・九%増)で、うち国防総省予算は四千八百十四億ドル(約五十八兆円)、前年度比一一・三%増と突出して増加、総予算に占める割合は二〇・一%となり、二〇%超は九二年以来。また、〇九年度の対テロ戦費を五百億ドルと予測、〇七年度補正予算でも九百九十六億ドルの追加支出を議会に求めた。同時多発テロが起きた〇一年以降の「対テロ」戦費は、九年間で総額七千九百七十八億ドル(約九十六兆円)に膨らみ、ベトナム戦争の戦費を大きく上回る。一方、高齢者・障害者・低所得者向けの公的医療保険や連邦政府の事業などは軒並み削減。国民犠牲の上に続行される泥沼的な「対テロ」戦争政策の破たんは避けがたい。

ロシア、ベネズエラが外資規制強化
 ロシア政府は一月三十一日、石油、天然ガスなどの資源開発と原子力を含む戦略産業に対する外国企業の出資を制限する法案を承認した。一定規模以上の油田、ガス田を運営する事業体に外資が五割以上出資することが不可能となる。ベネズエラのチャベス大統領も二月一日、オリノコ川流域の重質油地帯で欧米国際石油資本(メジャー)が参加している四つの操業プロジェクトについて「五月一日から国有化する」と宣言した。これらの動きは、多国籍大企業による資源収奪から自国の権益を守る動きである。

人民のたたかい

(1月30日〜2月9日)


 公務員労組は一月三十一日、公務員削減と民営化推進に反対する終日ストを行った。二十万人が参加した。
 ドイツの金属産業労組(IGメタル)は三十一日、年金支給年齢の引き上げに抗議するデモを全国の八州で行い、七万八千人が参加した。
 フランス全土で二月八日、教師や徴税担当者、郵便職員などの公務員が、人員削減撤回と賃上げを求めて終日ストを実施した。
 韓国のソウルで三日、米韓自由貿易協定(FTA)交渉に関して、養豚協会などが米国が押し付けようとしている米牛肉の輸入再開に反対して取り組みを行った。
 メキシコのメキシコシティーで一月三十一日、農業団体ら七万五千人がトウモロコシの価格対策を求めデモを行った。主食のトウモロコシはバイオ燃料として需要が増加、数カ月で四〇%以上値上りし、不満が高まっている。



日本のできごと

(1月30日〜2月9日)

6カ国協議でも孤立する日本
 朝鮮の核問題を議論する六カ国協議が二月八日、北京で開幕した。安倍首相は、議論されている朝鮮へのエネルギー支援問題や制裁解除などについて「拉致問題で進展がないと支援できない」などと、拉致問題を最大限政治利用しながら敵視政策を継続する姿勢を見せた。しかし、こうした安倍政権の姿勢は六カ国協議でまともに取り上げられることもなく、安倍政権の「打つ手なし」という状況を示したものだ。

米軍に大盤振る舞いの補正予算
 自公両与党は、六日の参院本会議で〇六年度補正予算を野党欠席のまま強行採決した。同予算では、キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県)への米海兵隊の新基地を建設調査費(約三十六億円)、米空軍嘉手納基地の戦闘機訓練を本土移転するための関連経費(約七十四億円)など、在日米軍再編の経費約百十億円を盛りんでいる。また、横須賀基地への原子力空母配備に向けた港内しゅんせつ工事費(約六十四億円)や、地上発射型迎撃ミサイルPAC3を三月までに航空自衛隊入間基地に配備するための費用(約七十六億円)も計上。政府・与党は「国民生活に必要性・緊急性の高い経費に対応」などと言っているが、その実際は、米軍に大盤振る舞いの売国的な予算だ。

愛知、北九州両選挙で安倍に批判
 愛知県知事選と北九州市長選が四日、投開票され、愛知は自公推薦の現職、北九州では民主などが推す新人が当選した。愛知では現職が優勢と見られていたが「薄氷」での当選、北九州でも自公与党は閣僚などを送り込む「異例の態勢」で取り組んだが及ばなかった。この結果には、柳沢厚労相発言なども影響したと見られるが、小泉改革政治とそれを継承した安倍政権への国民の批判が一定反映したものと見られる。しかし、野党・民主党はこれまで、両選挙区とも自公両党とオール与党を形成していた。この事実に口をつぐむ無責任さは許されず、共産党も独自候補を立てたが惨敗、悪政に対抗する結集軸にはなり得ない。

米軍再編法案が閣議決定
 安倍内閣は九日の閣議で「在日米軍再編促進法案」を決定した。法案は再編計画の対象となっている自治体への「再編交付金」などが柱となっている。防衛相が交付先の自治体を指定、振興計画などを決める「再編関連振興会議」を省内に設置する。「再編交付金」は再編計画の進行に合わせて、四段階で交付金を増額していく仕組み。また、在沖米軍海兵隊のグアム移転経費負担に向け、国際協力銀行(JBIC)の業務に特例を設け、日本政府がJBICを通じ、融資や出資を行うという。カネをちらつかせ自治体に再編計画を押しつけ、「貢献」を競わせようというのが狙いだ。

広がる企業規模間格差
 帝国データバンクが六日に発表した今年一月の景気動向調査によると、企業の景況感が五カ月連続で悪化していることが分かった。同調査によれば、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)が前月比〇・七ポイント減の四四・八と五カ月連続で悪化。なお四五ポイントを割るのは一年五カ月ぶり。規模別で見ると、大企業、中小企業共に前月比五カ月連続で悪化しているが、中小企業の悪化幅は大企業よりも大きい。企業規模別の格差が、〇六年六月以来七カ月ぶりに拡大した。

JAL、労働者犠牲のリストラ案
 日本航空(JAL)は六日、JAL本体で新年度中に七百人の特別早期退職を実施するなど、グループ人員約八%の四千三百人を削減する「経営再生プラン」を発表した。JALは業績低迷が続き、〇六年決算で二百六十八億円の営業赤字を計上していた。リストラはこれを口実としたものだが、労働者への犠牲押しつけは許せない。

07春闘が本格スタート
 〇七春闘が九日、本格的に始まった。私鉄総連は同日、定期昇給分プラス三千五百円のベアなど四項目の要求を提出した。自動車総連、電機連合なども、月中旬に要求を提出する予定だ。また、連合はパート労働者の時給千円引き上げ、中小労組共闘の推進などを打ち出している。財界の国際競争力強化のための賃金抑制策動を打ち破る、労働組合の断固とした闘いが求められている。


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