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労働新聞 2007年2月5日号 トピックス
一般教書演説、隠せぬ威信の衰え
ブッシュ米大統領は一月二十三日、一般教書演説を行った。ブッシュは、「米国の安全にはイラクでの成功が不可欠」と中東支配への決意を再度強調、約二万二千人規模の増派を「最善」とした。また、演説中でイランを五回も名指しするなど、敵視をむき出しにした。こうした居丈高な姿勢とはうらはらに、二十七日にはイラク戦争後最大規模の反戦集会が開かれ、民主党主導の上院外交委員会も増派反対決議案を可決するなど、ブッシュはいっそう追い込まれている。国内政策については、ブッシュは医療保険制度改革など民主党に「配慮」せざるを得ないありさまで、政権のレームダック状態は隠せない状況だ。
ライス、アフガンへ追加「支援」表明
北大西洋条約機構(NATO)外相級会合が二十六日、ベルギーのブリュッセルで行われた。ライス米国務長官は、アフガニスタンへの追加「支援」(二年間で百六億ドル=約一兆二千八百億円、うち約八割が治安対策費)を表明した。アフガンでは旧政権勢力のタリバンが大攻勢をかけ、NATO諸国は増派に追い込まれている。米国は部隊の帰還予定を延長、イタリアやドイツも派兵継続や部隊強化を予定する。だが、増派によってもアフガン人民の抵抗はやまず、米国には財政負担をはじめ、いっそうの重荷となることは確実だ。
ボリビア、資源国有化を強化
就任一年目を迎えたボリビアのモラレス大統領は二十二日、昨年の石油・天然ガスの国有化により、国家財政が三十七年ぶりに黒字化したことを明らかにした。また大統領は、過去に民営化された鉱業の再国有化など、さらなる資源管理の強化を明言した。中小国が米欧の資源収奪に抗し、資源を自国のために使うことは当然の権利だ。
債券市場でも存在感増すユーロ
国際資本市場協会の集計で、社債など〇六年の世界の債券市場(ドル換算)は十兆五千四百五十億ドルと、前年比で一〇%拡大したことがわかった。特徴的なのは、ユーロが新規発行債券の約四五%となったことで、これは〇二年比で一四ポイントの増加(ドルは一二ポイントのマイナス)。すでに、流通紙幣額ではユーロがドルを超えているが、債券市場でもユーロが存在感を増していることを示すものだ。
世界の失業者数が最大に
世界の失業者数が一億九千五百二十万人(前年比三百四十万人増)と過去最高に達したことが、国際労働機関(ILO)の調べで、二十五日わかった。また、一日二ドル以下で生活する極貧層も十三億七千万人にも及ぶ。「世界的な景気拡大」が宣伝され、多国籍大企業が空前の利益をあげる反面、人民の生活には何ら恩恵がないという事実が改めて明らかになった。
米ワシントンで二十七日、イラクへの米軍の増派に反対する反戦集会が開かれた。集会には、全米から約五十万人が参加、イラク戦争後最大規模の集会となった。また、二十五日には退役軍人団体がホワイトハウス前で反戦集会を行い、戦争に駆りたてたブッシュ大統領の弾劾を訴えた。
レバノンで二十三日、ヒズボラ支持者などが親米欧のシニョーラ政権の退陣を求め、全国でストライキとデモを行った。数千人が空港への道路などを封鎖、治安部隊と激しく激突した。
アフリカ北西部・ギニアの首都コナクリで二十二日、コンテ大統領の経済政策と腐敗に抗議するデモが行われた。警官隊は、大統領の退陣を求める参加者に発砲、二十七人が虐殺された。ギニアはボーキサイト輸出額で世界第二位だが、コンテ政権は国際通貨基金(IMF)からの支援を得、親欧米の民営化政策を進めている。
通常国会開会、内閣支持率40%切る
通常国会が一月二十五日に召集された。会期は六月二十三日までの百五十日間。安倍首相は、二十六日の施政方針演説で憲法改正の手続き法である国民投票法案の成立に「強い期待感」を表明し、外交では朝鮮敵視政策の継続、米軍再編の推進などを表明した。また、「今こそ戦後レジーム(体制)を原点に戻って大胆に見直すべきだ」と、軍事政治大国化をめざす持論を展開した。しかし、世論調査によれば、相次ぐ閣僚の不祥事などにより安倍内閣への支持率は四〇%を切り、不支持率が上回った。安倍政権は発足から四カ月で、早くも失速状態に陥っている。
麻生外相、「自由と繁栄の弧」
麻生外相は二十六日の衆参両院本会議で外交演説を行った。その中で、北東アジアから中央アジア、東欧、バルト諸国まで帯状に連なる新興国家群に「民主主義と自由、市場経済を根付かせ連携していく」などと「自由と繁栄の弧」構想をアピールした。これは、ブッシュドクトリンの「不安定の弧」の二番煎じである。米国のお先棒を担いで、中国をけん制しながら、政治軍事大国化を進む危険な道である。
安倍首相、教育3法改正を明言
政府の教育再生会議は二十四日、安倍首相に「ゆとり教育の見直し」などをうたった第一次報告を提出した。「いじめる子」への出席停止制度の活用など、公教育の責任放棄ともいえる内容を含んでいる。「教育再生」で政権浮揚を狙う安倍首相はこの報告を受け、通常国会に教員免許法、地方教育行政法、学校教育法の改正案の関連三法案を提出する考えを表明した。現場での「愛国心」教育、副校長や主幹ポストの新設、教員免許更新制の導入などを進め、教育内容や教員への統制を強めようとしている。教育労働者は今こそ、反撃に立ち上がろう。
国連非常任理事国への立候補を画策
安倍首相は二十四日、モンゴルのエンフバイヤル大統領と電話協議した。モンゴルは〇九年からの国連安全保障理事会の非常任理事国に立候補を予定している。協議では、モンゴルの立候補を取り下げさせ、代わりに日本が立候補することで合意した。日本は昨年末に任期を終えたばかりだが、国際政治で大国としてふるまうためにも、また、常任理事国入りへのステップとしても非常任理事国の席を再び狙っている。しかし、アジアではイランも立候補を表明しており、先行きは不透明だ。
ネパールPKOに自衛隊派遣へ
政府は二十三日、ネパールの武装解除監視などにあたるために設置された「国連ネパール支援団」に自衛隊員五〜十人を派遣する本格検討に入った。ネパールでは昨年十一月、政府と共産党毛沢東主義派が内戦を終結させる包括和平協定に調印している。防衛省への昇格に伴い、自衛隊の海外での活動が「本来任務」に格上げされてから、初めての国連平和維持活動(PKO)派遣となる。海外派兵の実績を積み上げることを狙っている。
宮崎県知事選、東国原氏が当選
談合問題での知事辞職を受けて、宮崎県知事選挙が二十一日投開票され、「しがらみのなさ」を訴えたタレントのそのまんま東(東国原)氏が圧勝した。宮崎県は衆参両院五議席のうち四議席を自民党が占めるが、自民党は分裂選挙となり、自公推薦の候補者は三位と惨敗した。出口調査では自民党支持層の三四%、分裂に便乗した民主党支持層の四八%が東国原氏に投票した。県民の不満に政党がこたえていない結果であり、与党候補が惨敗したという意味で、安倍政権には打撃となった。
柳沢厚労相、「出産する機械」と暴言
柳沢厚生労働相は二十七日の講演会で、女性を「出産する機械」と述べ、少子化対策のために女性にもっと子どもを生むように発言した。これは、女性の人権を否定する発言であり、時代錯誤もはなはだしい。少子化対策にかかわる閣僚のこうした不見識は許されない。各界の女性たちからも強い抗議の声が起こっており、柳沢厚労相はただちに辞職すべきである。安倍内閣では佐田行革担当相が辞任したばかりだが、こうした大臣たちを任命した安倍首相の責任も問われる。
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