|
労働新聞 2007年10月15日号・1面
|
与党案=米軍の侵略支える
補給継続
民主案=「国連」の名の
下での戦争参加
保守二大政党の「違い」にすぎぬ
国会のテロ特措法
「論戦」は茶番
どちらも同じ
対米追随の亡国の道
民主党への期待捨て闘おう
|
国会では、インド洋で米軍などに補給を行うテロ特措法の延長や新法をめぐり、与野党が「攻防」を演じている。これは茶番だ。
こんにち、米軍によるイラク、アフガニスタンの占領は窮地に陥っている。米国の衰退を見透かし、世界各国は自主的な動きを強めている。孤立を深める米国にとって、同盟国・日本はもっとも頼りになる「手駒」である。
また、世界中に膨大な権益を持つに至ったわが国多国籍大企業も、それを守るため、自衛隊の海外派兵拡大と集団的自衛権の行使容認などを要求している。
だからこそ、米国は補給継続を求めたし、安倍前政権はこれに「公約」という形で応えた。安倍を引き継いだ福田政権も、この要求に応えようと、活動延長を策動している。
この補給活動なるものは、「反テロ」を口実にアフガニスタンを占領し、人民を虐殺している米軍への加担である。また、自衛隊による補給によって、米軍によるイラク戦争・占領や、今年年頭のソマリア爆撃が実施されたこともほぼ間違いない。インド洋への自衛隊派兵は、米国の戦略を支え、アフガン人民のみならず、中東、アフリカの人民に銃を向ける、きわめて危険なものなのである。
テロ特措法の延長であれ、新テロ特措法であれ、その廃止と自衛隊の撤退を求めなければならない。
海外での武力行使求める小沢
参議院の主導権を握った民主党は、このインド洋への派兵に「反対」し、与党との「対決」を演じている。だが、その「反対」が欺まんであることは、小沢・民主党代表の言動に明らかである。
小沢代表の主張は、アフガン本土に展開する、北大西洋条約機構(NATO)軍指導下の国際治安支援部隊(ISAF)に参加する、というものである。加えて、内戦状態にあるアフリカのスーダンに国連平和維持(PKO)部隊が派遣されるならば、これにも「参加すべき」とする。両者は、空爆や武力掃討作戦などを行う活動だ。小沢は、インド洋での米軍への補給はいけないが、米軍と肩を並べて人民を虐殺するのはよいというのである。
小沢は、国連の活動であれば海外での戦争も「憲法の理念に適う」と詭弁(きべん)を弄(ろう)する。
小沢の主張が悪質であるのは、「憲法」を掲げることで、労組などの取り込みを狙っていることだ。さらに小沢は、アフガン国内の活動で著名な海外援助団体(NGO)の発言まで悪用し、派兵がアフガン国民の「生活の安定」につながるかのように言うのだ。
小沢民主党の主張は米帝国主義を喜ばせることはあっても、国民にとっては戦争への道であり、日本の進路を誤らせる危険なものである。この点で、政府・与党案と同じである。
財界の狙う保守二大政党制の一方の装置という民主党の性格からすれば、このような態度は当然なのだ。
民主党を批判できぬ野党
ところが民主党以外の野党は、こうした小沢民主党への批判を避けている。海外派兵に反対したり「護憲」を掲げる大衆団体の中にも、民主党に「期待」をつなぐ意見が根強い。
先の第五回中央委員会総会で民主党との「共同」を方針化した共産党は、「憲法違反」(志位委員長)などと、民主党に弱々しく注文をつけるだけだ。
共産党は、「国連中心主義」という意味で、小沢と共通の基盤の上に立っている。一例を挙げよう。共産党は、二〇〇一年の米軍によるアフガン侵略に対し、国連決議に基づく「警察行動」であると、事実上支持した。せいぜい、軍事攻撃が「早すぎた」と不満を述べた程度である。
このような共産党に、民主党への幻想を打ち破る役割など、期待できるはずもないのである。
民主党との「選挙協力」協議に入っている社民党も、機関紙「社会新報」を見る限り、小沢民主党への批判はほとんど見られない。福島党首は最近、「ISAF参加反対」の意思を示したが、闘いを組織することこそ問われている。
国民運動こそが事態を動かす
自公政権の悪政を許せないと思うのは当然である。だが、民主党に期待する限り、自衛隊の海外派兵に反対することも、集団的自衛権の行使容認を阻止することもできない。民主党への幻想は、きっぱりと捨て去るべきである。
事態を動かすのは、強力な国民運動の発展である。それは、九五年の沖縄における少女暴行事件に対する県民運動や、つい先日の、「集団自決」への旧日本軍の強制を否定した教科書検定に抗議する県民大会の例をあげれば明らかである。
民主党への幻想を捨て、自主・独立のための断固たる大衆行動を発展させよう。
Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2007 |
|