労働新聞 2007年5月25日号・1面

米軍再編特措法成立を糾弾
全国から米軍再編に反撃を

軍事大国へ進む危険な
安倍政権と闘おう

 安倍政権は米軍再編による日米軍事一体化を進めるなど、軍事大国として国際社会に登場することを狙っているが、この再編は地元住民からの強い反発をあびている。安倍政権はそれを力で押さえつけようと強権的姿勢をあらわにしている。五月十八日には自衛隊艦船でどう喝して沖縄県名護市辺野古への調査を強行し、二十三日には在日米軍再編特別措置法を成立させ、集団的自衛権の行使容認でも一歩を踏み出した。しかしこの道は、米国に追随して日本を危険な戦争への道に引きずり込む亡国の道である。安倍政権の進める米軍再編に反対し、独立、自主・平和の進路こそ、アジアとともに繁栄する道である。


 安倍首相は四月の日米首脳会談で、米軍再編への協力を改めて約束し、日米の外務・防衛担当相による安全保障協議委員会(2+2)では、普天間基地の代替施設を二〇一四年までに建設することを約束した。
 安倍政権はブッシュとの約束を実行すべく、在日米軍再編特別措置法の成立を強行した。これは米軍施設建設や訓練移転などを受け入れる市町村に対し「再編交付金」をバラまき、グアムへの移転費用を負担するという許しがたい法案だ。
 だが政府のこの策動は成功する保証はなく、関係住民の反対は強い。政府は、空母艦載機移転受け入れに反対を表明した岩国市に対して、補助金カットの制裁的措置をとるなど、締め付けを強めている。しかし、井原市長は十九日に開かれた市民集会で反対の意向を改めて表明した。また、普天間基地を抱える宜野湾市の伊波市長は、名護市辺野古への移設に反対して、四月の市長選で勝利した。
 一方、米軍再編は着々と実施されており、十六日からは航空自衛隊小松基地(石川県小松市)で、沖縄嘉手納基地からの米軍機移転で日米共同訓練が始また。こうした日米軍事訓練は、東アジア地域の緊張を高めるものとなっている。

辺野古では果敢な抗議行動

 那覇防衛施設局は五月十八〜二十日、名護市キャンプシュワブ沿岸部の環境現況調査を強行した。この調査には海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が配備され、自衛隊員が潜水作業を行った。久間防衛相は「妨害行動があると、民間だけでは短期間で目的が達成できない」と述べ、自衛隊配備が反対住民弾圧のためであるかのように公言している。まさに国民への許しがたい挑戦である。
 米軍再編の焦点となっている沖縄では、軍隊を差し向けて新基地建設を進める政府への怒りがわき上がっている。キャンプシュワブ沖の海上では、新基地建設に反対する人びとが、カヌーで調査船にしがみつくなどの抗議行動を展開した。また、沖縄戦わい曲教科書問題でも安倍政権への反発が高まっている。
 米軍再編を許さぬ闘いを全国で巻き起こし、安倍政権を追いつめよう。労働者、労働組合はその先頭で闘おう。


沖縄の声 自衛隊動員に県民の激しい怒り
調査は敵のあせり示す


沖縄平和運動センター 山城 博治 事務局長の談話

 日米政府は2+2で海上調査を急ぐことを決定した。政府のあせり、特に米国のあせりを感じる。環境アセスに着手できないから事前調査するというのは違法行為である。それを日米政府が合意したことは、県民に対する挑戦だ。私たちを愚弄(ぐろう)するもので、激しい怒りを感じる。
 四月二十四日から事前調査に着手し、五月十八日からは調査器具設置を強行した。実際に、自衛艦まで動員する。自衛隊の任務にないことをやらせて、説明のつかない説明で平気でごり押ししてくる。
 県民の怒りは今、激しいものがある。自衛艦が導入されたことは六十二年前の戦争の恐怖を思い出す。また、銃剣とブルドーザーで沖縄の大地を囲い込んだ米軍と二重写しになる。軍隊が直接介入して基地をつくったことはぬぐいがたい沖縄の記憶だ。それを今、自衛隊がやろうとしている。「自衛隊よおまえもか、日本軍よ再びか」という感じがする。自衛隊が県民に銃口を向けたということだ。
 また、教科書検定では高校歴史教科書の中から「集団自決」の軍の強制が削除された。県民感情からいえば「集団自決」は当たり前の事実で、それどころか日本軍にスパイ扱いされて殺された、壕の中で泣き叫ぶ子供の首をしめて殺したとか、日常茶飯事だった。沖縄戦の現実を教科書から消していくことに、今県民は怒っている。
 沖縄からすると、日本政府を含めて日本に対して「やっぱりヤマトを信用できない」という根源にかかわるような思いだ。
 辺野古現地では海上保安庁が、反対住民を激しく規制する行動に出ている。ここまで激しく海上阻止行動を取り締まることはなかった。これまでにない過剰警備をしている。
 単に辺野古の基地建設問題というよりも、国家権力の本質があらわになってきたわけで、これは沖縄の存在の総力、歴史をかけた闘いだ。六月四日には自衛艦配備に抗議する集会、九日には教科書改ざんに抗議する県民集会を行う。
 米軍再編は沖縄の基地負担軽減というが、分散でも軽減でもない。全国の自衛隊基地を米軍が自由使用するため以外の何ものでもない。沖縄への同情を喚起しながら、進めていることに激しい怒りを感じる。
 米軍再編は沖縄だけで止められるものではない。米軍再編にかかわる地域が、山口県岩国市のように、地域がみんなで必死になって考えて行動しないと米軍再編は止められない。全国の仲間たちに、勇気をもって米軍再編に立ち向かおうと呼びかけたい。


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