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労働新聞 2007年2月15日号・1面
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マスコミの悪質なキャンペーン
給食費の未払いが全児童の1%
「親のモラル」にすり替える文科省
子ども育てられる生活を保障しろ
払えぬ状況に
追い込んだのはだれだ!
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文部科学省は一月末、「学校給食費の徴収状況に関する調査結果」を発表した。調査のきっかけは、未納者の増加だ。その結果、学校給食を実施している全国の小中学校約三万二千校の約四四%で未納が発生し、児童総数の一%にあたる約十万人にのぼっていることがわかった。
文科省はこの調査結果から、「義務を果たしていない保護者が少なくない」と一方的に結論づけて、「保護者としての責任感や規範意識の欠如が問題」とのキャンペーンを繰り広げている。
しかし、この調査でさえ、「経済的な問題で未納者が増えたと思う」との回答は三七%にのぼっている。また、現場の先生たちの実感からしても、多くは払えない苦しい経済状況が背景にあることがうかがえる。文科省は、就学援助を受けていながら未納である保護者の規範を批判しているが、そこからは受給金さえやむなく生活費にまわさなければならない保護者の苦境が見えてくる。
マスコミも「親が高級車に乗っていながら払わない」などの特殊なケースを持ち出し、未納者の多くがそうであるかのような世論誘導を行っている。これは、給食費すら払えない人びとを増大させている社会構造を隠し、政府の責任を逃れるための問題のすり替え以外のなにものでもない。
県別の徴収状況では、未納の生徒の割合が一番多い県は沖縄県であり六・三%、次いで北海道二・四%となっている。一人当たりの所得が低い地方の道県で未納者が多いことを示しており、未納増大は格差社会を反映したものであることがわかる。
文科省はこの調査結果を根拠にして、地方自治体に就業援助制度の充実を求めている。しかし、就業援助制度に対する国の補助金は、三位一体改革によって廃止・一般財源化されている。結局、国の責任を地方自治体に押しつけようとの魂胆だ。また、就学援助の給食費を保護者ではなく校長に給付することや、PTAとの連携を強化して徴収することなどを提言している。自らの責任を放棄し、保護者同士を監視させるものだ。
ゆとりのない家計にとって給食費や教材費は大きな負担である。本来、義務教育の給食費や教材費は国費で保障すべきものであるはずだ。
改革政治によって国民の所得格差が拡大し、年収三百万円以下の世帯が三分の一を占めている。改革政治は、給食費を払いたくても払えぬ人びとを日々つくりだしている。国民は子どもを生み育てることさえままならない深刻な状況に追い込まれている。今になって政府があわてている出生率の低下も、国民の苦しい生活実態を反映したものである。安倍政権の支持率低下は、ここまで国民を疲弊(ひへい)させた政治に対する国民の怒りである。
苦境で手紙くれる保護者も
小学校教員 吉岡 雅充
私の学校では給食費は一カ月四千円弱、銀行引き落としになっている。地域で差もあるだろうが、クラスでは給食費が未納になっている子どもは四〜五人はいる。
マスコミは給食費の未納問題を取り上げて、「親の責任感や規範意識がない」と騒いでいるが、こういう報道はいたたまれない。「今月はどうしても払えないので来月まで待ってください」と手紙をくれる親もいるし、月々払えないのでボーナス時にまとめて払いこんでくる親もいる。ほとんどの人が卒業までには払い込んでくれる。
保護者の生活が経済的に苦しくなっていることを感じる。当然のことではあるが、病気で休んだ日数分の給食費の返金を請求してくる保護者もいる。全体の数字は知らないが、就学援助を受けている家庭が急増しているのは確かだ。
今回の調査では、経済的に困っているかどうか、だれがどうやって判断したのか疑問が残る。また、給食費未払いは以前からあった問題なのに、突然調査が発表されて、マスコミが騒ぐ??こういう調査には意図があるように思えてならない。学校が悪い、教員が悪い、親が悪いから、もっと国が教育に介入し、管理を強めようということか。
給食費の督促業務などは学校や担任の大きな負担となっている。また、未納をゼロにすることが管理者の目的化し、厳しく点検されて自分のポケットマネーで立て替えている先生もいるという話を聞く。教育予算が削減される中で、学校ではホウキ一本買うのもケチるような状況だ。なぜ教育予算を削るのか、納得いかない。
親が夜も働き帰ってもだれもいない家、二十四時間やっているコンビニ、ゲームセンター…子どもたちにとって住みやすい社会なのかということが、いま問われているのではないか。
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