労働新聞 2005年9月15日号・解説

総選挙
またも鮮明となった
公明党の犯罪性

自民支えたが限界も露呈

 第四十四回総選挙は、自民党が二百九十六議席を獲得して大勝した。自民党は都市部を中心に票を伸ばしたが、前回総選挙に続き、与党・公明党が果たした役割を無視することはできない。これまで以上に小選挙区で自民党を支え、選挙後も悪政に加担し続けようとする公明党に対し、批判を強めなければならない。


前回総選挙の割合を超え
公明支持者の80%が自民に投票


 今回、公明党は小選挙区の三百選挙区中、過去最多の二百三十九選挙区で自民党候補を推薦した。全選挙区中、自民党候補が当選したのは二百十九選挙区だが、うち、公明党が推薦していた選挙区は百九十区と、九割近くにのぼる。
 マスコミ各社の調査によれば、小選挙区で自民党に投票した公明党支持者は、全国平均で七三〜七八%にのぼる。これは前回(二〇〇三年)総選挙時と比べて六〜十ポイントも上昇した。
 これを、公明党が明確に自民党候補に推薦を出した選挙区に限ると、自民党に投票した公明党支持者の割合は、なんと八一%にのぼるという。
 小選挙区で公明支持層が自民党候補を支える構図がいちだんと鮮明になっている。

公明党の支持なければ
自民単独過半数も危うい


 こうした自公選挙協力は、当落に大きな影響を与えた。
 八〇%前後の公明党支持者が自民党に投票したというマスコミの調査を考慮し、比例区の公明票中、七割が当該小選挙区の自民党候補に投じられていると仮定する(自民党の中には「比例は公明」と呼びかけた候補も多く、公明党の比例票自身が底上げされていた可能性があるため、一割分を差し引いた)。
 自民党候補が得た票数からその分を差し引くと、自民党の小選挙区当選者二百十九人中、なんと四十五人前後が落選してしまう(グラフ)。なお、これは重複立候補者が比例代表で復活するケースは考慮していない。
 これは〇三年総選挙の際の数(五十五人前後)よりも少ない。それにしても、もし公明党の支持がなければ、自民党の当選者数は過半数(二百五十一)ギリギリまで減っていたことになる。
 さらに、万が一、比例区の公明票分がまったく自民党に投票されなかったとすると、自民党の議席は九十三も減ってしまう。
 自民党が、なんとしても公明党を与党に取り込んでおきたい大きな理由の一つが、ここにある。

進む自公の一体化
「比例は公明」も公然と容認

 公明党は小渕政権下の一九九九年に与党入りし、行き詰まった自民党の政治支配を支えた。
 以降、選挙のたびに、公明党候補のいない小選挙区で自民党候補を支持してきたが、実際に投票した公明党支持者の割合は、二〇〇〇年が約六〇%、〇三年が六三〜七二%、さらに今回と上昇してきた。
 一方、公明党候補のいる小選挙区で、公明党候補に投票した自民支持層の割合も、〇〇年が三八%、〇三年が五六%、今回六八%と、これまた上昇を続けている(読売新聞・毎日新聞などの調査)。
 今回、小選挙区の自民党候補の少なくない部分が、「比例は公明」と公然と呼びかけた。
 自民党は前回、「単独過半数」を目標に掲げ、自民候補が「比例選は公明へ」と訴えるのを公式には容認しなかった。だが、今回は、小泉首相自らが「自公両党で過半数を得るよう全力を尽くす」と、バーター協力を認めるにいたった。自公が票を取り引きすることは、もはや公然と行われている。
 これにより、選挙ポスターに「比例は公明党」と明記する自民党候補(千葉二区の山中候補)や、支持者名簿を差し出し、公明党支持者によるローラー作戦を容認する候補(福岡九区の三原候補)まであらわれたほどだ。
 まさに、安定した支持層をもつ公明党の票ほしさに、なりふり構わぬ有り様だ。郵政民営化法案に反対した「造反派」候補も、公明党の支持を願うという意味では同様であった(岐阜一区の野田候補、福岡十一区の武田候補など)。
 これに対し、自民党からは「(郵政)造反者と公認候補のどちらが『比例は公明』に熱心か。公明党にとって、両てんびんをかけやすい選挙だ」という皮肉も聞かれたという。
 にもかかわらず、自民党支持者で比例代表で公明党に投票したのは全国平均七・三%と、〇三年の五・九%から上昇をみせたものの(共同通信の調査)、ごくわずかであった。

「存在感」アピールするが
与党効果はターニングポイント


 公明党は、「自民党大勝の裏には公明党ありだ」「参院で自民党は過半数がない」(神崎代表)などと言い、自党の存在感をアピールしようと懸命だ。
 さらに、小泉首相の自民党総裁任期(〇六年九月)の延長問題について、神崎代表は「これだけの議席をいただいたのだから、是非引き続きやってほしい」と、いち早く「続投」への期待を表明した。まるで、公明党が自民党の一派閥になったかのごとくだ。
 だが、公明党は沖縄一区で落選させるなど、自民党への貢献にふさわしいほどには「見返り」を得ていない。
 しかも、公明党は安全保障や憲法問題、社会保障問題などでの基本政策で、自民党と間に一定の違いがあるのも事実である。
 公明党幹部の一人は「自民党との議席差が広がり過ぎ発言力が弱まりかねない」と語った。
 事実、財界は小泉政権に改革の加速化を求めている。日本経団連の「自民党支持」は、まさにそのためのものであった。
 それゆえ、かつての「商品券」のような、公明党の協力に対する「見返り」は、いっそう困難となろう。
 公明党にとっての与党効果は、ターニングポイントを迎えている。
 公明党の欺まんを打ち破り、闘いを発展させなければならない。


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