労働新聞 2003年2月25日号 解説
公明党 イラク攻撃、対米支援で小泉の「露払い」 財界の番犬として「成熟」深める
小泉政権は、米ブッシュ政権によるイラク侵略戦争を公然と支持し、戦争協力、海外派兵を推進しようとしている。その小泉を与党として積極的に支えているのが、公明党である。この連中の危険な役割を暴露することは、わが国支配層の狙う内外政策と闘う国民運動を発展させる上で、とりわけ重要である。
国 公明党は、野党時代から長く「平和の党」を自称してきた。しかし、自民党と連立後、テロ対策特別措置法の制定を積極推進するなど、「平和」のメッキは急速にはげ落ちていた。 とくに、最近のイラク、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)外交に対する態度は、もはや、自民党との連立を維持するために「やむなく」「引きずられて」などという消極的なものではない。公明党は、国民を対米追随の戦争協力へと動員する役割を「積極的に」買って出ているのだ。 対イラク戦争に積極賛成 公明党の冬柴幹事長は2月16日、全世界で高まる対イラク戦争反対の運動に対して、「(反戦運動は)利敵行為」と悪ばを投げつけ、さらに「(査察継続を求めるフランス、ドイツなどは)間違っている」「(フセイン体制の転覆には)世界中が賛成する」と、暴言をはいている。対米協力と参戦を決めた当の小泉首相も、「イラクに間違ったメッセージを送ることになる」と、似たり寄ったりのことを言っているが、それと比べても冬柴発言は露骨であり、突出ぶりが目立っている。 冬柴は、「平和の党なら連立離脱を考えるべきでは?」とのマスコミの問いに対して、「イラクは誰が考えてもおかしい」と、事実上、米国による武力攻撃とそれへの協力を主張しているのである(日経新聞)。 さらに冬柴は、フランスやアラブ六カ国の駐日大使に面会、「米国対ドイツ、フランスではなく、国際社会とイラクが対立関係にあるということを出発点に考えていかなければならない」と、圧力をかける有り様だ。まさに、小泉政権が進める対米戦争協力の「露払い役」というべきであろう。 これは一人、冬柴だけではない。 北側政調会長も六日、国会質問で、小泉に「米国の単独行動を避けイラク包囲網の構築を」めざせと要請、わが国が米国を支持する国際的世論づくりを担うよう、発破(はっぱ)をかけた。日本政府は十四日、国連安全保障理事会非常任理事国であるカメルーンやギニアなどに、米英が提出をもくろむ武力行使容認の新決議を支持するよう「要請」を行っているが、公明党はこの尻押し役を演じたのである。 さらに公明党は、フセイン政権打倒後に駐留する米軍への支援を想定した「イラク復興支援法」(仮称)を見越して、従来の国連平和維持活動(PKO)協力法の枠を超える武器使用の容認などに踏み込もうとしている。冬柴はすでに、「武器使用基準は国際基準に合致するように直すべき」と述べている。 このような連中のどこが、「平和の党」なのか。 公明党は、昨年11月の党大会で、政権の中にあって「右傾化のブレーキ役をおおむね果たし得た」(運動方針)などと自画自賛した。実際は、米国のアフガニスタンへの報復戦争に参戦するテロ特措法の成立に積極協力するなど、「総括」はデタラメなものである。だが、それでさえ、「米国の報復活動の後押しではない」(冬柴)とペテンを弄(ろう)する「努力」をしていた。その後、年末にはイージス艦のインド洋派遣に賛成するなど、公明党はその「仮面」すらもかなぐり捨てた。 公明党はもはや、自民党と寸分違わぬ「戦争と亡国の党」であり、国益を危うくする売国奴というべきである。 財界に忠実な党へ「成熟」 公明党が、露骨に以上のような態度をとるのはなぜか。それは、内外共に危機が深まる中、わが国支配層が公明党に期待する政治的役割を、彼らが十分自覚しているからだ。 昨年の日本経団連の発足、そしてそのトップにトヨタの奥田が就任したことに象徴されるように、わが国支配層、財界の主導権は多国籍大企業に握られている。 彼らは年頭、「奥田ビジョン」を発表、グローバル資本主義の下で激化する国際競争に勝ち抜き、多国籍大企業が利益をむさぼるために、改革断行を号令している。消費税の一六%への引き上げや各種社会保障の切り捨て、地方交付税・補助金廃止など地方への犠牲押し付けは、そのほんの一例で、まさに、国民総犠牲の道である。 さらに、その改革のために「政治との新たな協力関係」を主張、多国籍大企業の望む改革政治を進めるか否かで政治家を評価し、その「実績」に即して政治資金を出すことを公言している。しかも、これを「与野党問わず」と言い、改革推進のための強力で安定的な二大政党制をめざしている。 これにそって、支配層は公明党に対し「国家観、国家戦略といった政治の根本にかかわる問題」で、「責任与党としての成熟」を要求している(読売新聞)。かつてのように、「平和・福祉」での「実績」を誇る野党的態度ではなく、日米基軸・改革断行で突き進め、というのである。 公明党はこの財界の意図を十分理解し、財界のめざす二大政党制への動きの中に、自らを位置づけている。 公明党は21日、初めて、日本経団連との懇談会を行った。席上、奥田は税制、財政、社会保障制度の「三位一体の改革」の必要性などを強調、「公明党の政策立案と実行に期待している」と、公明党の「成熟」を求めた。 これに対し、神崎代表は「(奥田ビジョンの)方向性は、公明党の考え方と同じ」とエールを交換、「奥田ビジョン」を引き写し、高度な技術開発力などを「国家戦略として位置付ける必要性を強調」した。 公明党は、財界の意向に忠実に振る舞うことを宣言したのである。 また、公明党内で集団的自衛権行使の容認を主張する赤松政調副会長は、「読売」の要求に絡めて、「わが党のみでなく、自民党にも突き付けられているテーマ」だと、賛同する。財界が「与野党問わず」と言い、自民党の再編をも含めて二大政党制を策動していることと照らし合わせれば、赤松の言わんとすることが透けて見える。財界の望む通り、改革をめざす政治再編の中で役割を果たします、ということであろう。 ここまでくれば、公明党がいくら「生活者の党」「中小企業の党」と言い繕ったとしても、その正体は明らかである。彼らは、財界の意にそった二大政党制を積極推進する、「財界の番犬」でしかない。 ◆ ◆ 公明党は4月の統一地方選に向け、「連立政権の実績」などを盛んに宣伝するであろう。もちろん、そのいくらかの「成果」なるものは、彼らの果たしている、より犯罪的な役割を覆い隠すための方便でしかない。 財界の番犬と成り下がって対米追随の戦争協力を突き進み、国民各層に「痛み」を押し付ける改革政治を推進する。これこそが、公明党の真の姿である。 自民党を支え、悪政の先陣をきる公明党を暴露することは、売国的な小泉政権を打ち倒し、国民大多数のための政治を樹立する上で、避けて通れぬ課題である。 国民諸階層、とりわけ歴史的に公明党を支持してきた創価学会や中小商工業者など勤労国民は、公明党への幻想を捨て、大衆行動に立ち上がろう。それこそが、敵に譲歩を強いる唯一の道である。