|
自主・平和・民主のための広範な国民連合は、11月23、24日、第9回全国総会を埼玉県で開催した。
米国テロ事件以後、「世界の歴史は転換点を迎えている」(総会議案)もとで、わが国は国の進路の問題、悪化する国民生活の危機打開など、重大な課題に直面している。国民各層の連合した力で政治転換をめざす国民連合への期待が、ますます高まる情勢のもとで開催された。
総会には、北海道から沖縄まで、各方面、各階層の人びとが結集あるいは共感を寄せ、その幅広さが印象づけられた。全国の生き生きした報告や活発な討論をへて、この時期に前進する重要な方向を決めた。国民連合の呼びかけからちょうど十年、結成から八年、この国民連合を「飛躍的に発展させる」ことも決議した。この情勢のもとで、国民連合が国民の間でますます大きな力を発揮することが期待される。
この共同の事業に奮闘する全国の賛同人の皆さんの努力に、心から敬意を表する。とともに、わが党はこの前進への努力を真剣に支持するものである。
時代は大きな転換へ 確信に満ちた共同の闘いの報告
総会は、国民連合が引き続き広範な各党、各階層が共同する場であることを示した。来賓として、埼玉県の社民党、民主党、新社会党、朝鮮総聯、日中友好県民会議からのあいさつ、日教組、部落解放同盟、韓統連各中央からのあいさつが行われた。さらに横路民主党副代表、土井社民党党首、小森新社会党委員長、土屋埼玉県知事、農政協、書店組合などからメッセージが寄せられた。
総会は、冒頭から歴史的転換期の大局について提起された。議案は「アメリカの一極支配から多極化の時代へ、世界の歴史は転換点を迎えている」といっている。冒頭、代表世話人としてあいさつした伏見康治・元日本学術会議会長は、戦前の恐慌について自らの経験を踏まえて、こんにちの資本主義の危機と根本的矛盾をはっきりと指摘した。閉会あいさつでも、代表世話人の武者小路公秀・中部大教授は、世界の平等・互恵を無視する横暴なグローバリズムとの闘いを呼びかけた。
討論では、第8回総会で決議した「日米安保はいらない、沖縄にも本土にも米軍基地はいらない、自主外交でアジアの共生を!」という方向に沿って、各地が奮闘し、国民世論の形成など先進的役割を果たしていることが生き生きと報告された。
米国のアフガン報復戦争、自衛隊の海外派兵、教科書問題、米原潜によるえひめ丸沈没事件、米軍基地撤去、日朝国交正常化など、わが国がアジアとどう向き合うのか、日本の進路にかかわる国民運動の課題で、各県は競うように世論形成と広範な闘いに貢献した。
9月以後の米国のアフガン攻撃と自衛隊派兵に反対する闘いは、規模の大小を問わず、国民連合が全国いたる所で闘ったことが報告された。とくに、米軍基地問題では、昨年に続いて神奈川の厚木基地で約5000人の集会・デモが成功したが、住民や労組、平和団体の連合はさらに進んだ。国民連合・神奈川は県央共闘会議に加わり、世論形成や連合の促進に奮闘したことが報告された。
教科書問題では、事務局がいち早く「つくる会」を暴露する資料を大量普及し、「つくる会」教科書不採択の全国世論の高揚に、大きな役割を果たしたといえる。これは、国民連合が全国組織として前進しているあかしでもあろう。
また、深刻化する国民生活の課題によりいっそう力を傾けようという議論も、これまで以上に熱を帯びてきた。失業や中小商工業者の経営危機、農業の衰退、小泉改革による強制的な市町村合併問題などと真正面から向き合う力強い政治勢力が存在しないだけに、この方面での前進は重要である。佐賀からはノリの不作問題で有明漁民を呼んでの講演会、狂牛病問題について報告された。
総会討論の多くの意見には、この1年、情勢の劇的な転換期を迎えて、昨年決めた基本方向や、広範な共同をめざす国民連合の精神について確信を深めたことが反映された。この点は、以後の国民連合の大きな発展にとって、重要な「財産」となるであろう。
総会は「日米安保を終了させ、沖縄から全土から米軍基地を撤去し、自主平和外交でアジア共生の道を進もう」という基本方向を確認した。「国民運動の課題」の2番目では「国民各層は力をあわせて、国民の生活・営業・権利・環境を守ろう」と提起している。
米国のアフガン攻撃・干渉、これに追随する小泉政権、また深まる世界同時不況と国民生活の苦境など、情勢は大きな転換期の様相を示している。こうした時、国民連合が、前記のような共同して闘う方針を提起したことはきわめて重要である。
なぜなら国会などには、国民大多数の期待を担って広範な戦線をつくり、大衆行動などで小泉政権の悪政と断固闘う政治勢力が存在しないからである。最大野党の民主党は、最近のテロ対策特別措置法制定や自衛隊派兵計画国会承認問題を見ても歴然としているように、国の進路の問題で小泉首相にすり寄るばかりである。共産党も現実路線をひた走り、日米安保問題などは事実上棚上げで、米国にすらおもねっている。まして、共産党系の全国革新懇などは何の力にもならない。こういう連中は、まるであてにならない。
国の進路をめぐる小泉政権の路線に対し、保守層の中に新たに危ぐするものさえ生まれている。さらに、小泉改革には、引き続き抵抗が全国で拡大している。この情勢は、いっそう広い戦線形成が十分可能である。「国民連合のように、沖縄は党派の小さな思惑を超えて、広範な統一戦線をつくって政府と闘う」と述べた玉城義和・沖縄県議の特別報告は、国民連合の幅広い共同の精神と期待を集中的に表したものであろう。われわれが見るところ、そういう意味で、国民連合への期待はますます高まっているといえる。
槙枝元文・代表世話人(元総評議長)は、討論のまとめとして組織拡大の問題に触れ、各県連合がまだ少ない点を指摘した。国民連合が地域で諸課題に取り組み、信頼されながら組織の拡大・強化をするよう呼びかけた。
討論においても、神奈川の全国世話人から、「国民連合をめざした討論からちょうど十年、結成から八年になり、初心に返るべきだ。こういう時代だからこそ、戦線の拡大が必要である」と熱烈な決意と呼びかけの発言がなされた。
確かに経過を追えば、冷戦終了、湾岸危機後の90年7月に日本の進路について懇談会が持たれ、91年7月「広範な国民の連合の呼びかけ」を発表、同年11月に全国討論集会、翌年11月に第二回全国討論集会と準備会発足の後、細川政権成立や保守二大政党の動きがあり、93年11月に国民連合は結成された。
結成宣言は「『広範な国民連合』の結成は、まだすべての労働者や農民や中小商工業者の連合ではありませんが、壮大な連合への歴史的な一歩です。いま、財界主導で保守二大政党制への流れが強まり、国民大多数の利益を代表する政治勢力が弱まっています。国民各層が連携して闘う以外に、自分たちの生活を守ることはできず、国民大多数のための政治を実現することもできません。都道府県を基礎にした『広範な国民連合』は、国民各層の連合を促し、国民運動を発展させ、この重大な情勢において大きな役割を演ずるに違いありません」と高々とうたっている。
国民運動の組織化に8年間、奮闘してきた結果、総会議案は国民連合を「飛躍的に発展させる」と提起した。総会の討論でも明らかなように、国民連合に対する全国での期待は高まっている。この事業の前進のために奮闘している人びとも皆、その方向性に確信を強めていることを意見表明した。
歴史的な転換点の様相を見せる情勢のもとで、全国での国民連合の大きな飛躍は十分可能であろう。国の進路を憂え、また生活危機の打開を求める国民大多数の期待にこたえるために、国民連合の前進めざして共に奮闘したいものである。
|