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労働新聞 2008年2月25日号・5面 国民運動
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飼料高騰
廃業続出、経営はもう限界
国は早急な対策で
食料生産守れ
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歴史的な飼料高騰により、全国の畜産・酪農経営者は存亡の危機に立たされている。すでに倒産・廃業に追い込まれている人も少なくなく、地域経済への悪影響も危ぐされる事態となっている。経営者と地域経済、そして国内の食料生産を守るため、国は早急な対策を打たなければならない。
JAが危機突破全国集会
JA全中と全国農政連は二月十五日、東京で畜産・酪農対策危機突破全国代表者集会を開いた。農業者代表六百人が参加した。飼料や原油価格の高騰により生産コストが急激に上昇、農家経営が急速に悪化してわが国の畜産・酪農が危機立たされていることをふまえ、経営安定・所得確保対策と生産基盤強化対策の実現などを政府に訴えた。
あいさつに立った宮田勇・JA全中会長は「今、われわれは三つの面から危機的な状況にある。一つは飼料価格の高騰による畜産酪農経営の危機だ。畜産酪農は生き物が相手、経営が厳しくなっても飼料を止めることはできない。生産費を切りつめ必死で営農を続けているのが現状だ」と訴えた。
また「二つ目に、畜産酪農家の離農が止まらない問題。これまで国政に従い、規模拡大と生産性の向上に懸命に取り組んできた。しかし、生産者の努力はもう限界。これ以上、畜産酪農家が減少することになれば、わが国の畜産酪農の基盤自体が継続できなくなる。飼料、乳業、食肉センターなど関連産業を含めて畜産酪農は地域経済における位置づけも大きく、その崩壊は地域社会全体に大変な影響を与える」と、深刻さを訴えた。
最後に三つめの危機として「国民が求める安全で安心な国産の畜産物を提供することが難しくなる危機がある。畜産の危機は単に生産者だけの問題ではなく、食の安全、安心を強く求めている消費者にとっても大きな問題である」と問題の重要性を指摘した。
代表要請で茂木守・JA全中副会長が「世界的な穀物高騰という新たな環境変化によって経営者の努力だけではどうにもならない状況が生まれている。現場の実態を十分理解し、生産者が将来展望を持てるよう経営と所得の安定が確保されるような対策を求めたい」とした。
BSE騒動よりひどい状況
現場からの決意表明で、竹村英久・高知県農協青壮年連盟委員長は「八年前、夢と希望を持って酪農の世界に足を踏み入れた。厳しい生乳需給による減産型の計画生産や家畜排せつ物法の施行による負担増など、苦しい状況もあったが乗り越えてきた」と振り返り、「まさにこれからという時、飼料価格の高騰という状況になり生産コストが生乳価格を上回るというかつてない事態に追い込まれた。こうした危機的な状況を自らの努力でなんとか乗り越えようとできるコストダウンを進めているが、飼料価格の高騰が続く中では限界」と状況を説明した。
そして「来年度の乳価交渉は、コスト上昇分を価格転嫁できると期待していたが、大手乳業会社の圧力に屈したった三%の値上げしか実現できなかった。これでは酪農家をやめろと言っているようなもの。この状況が続けばどれだけ多くの仲間を失うか分からない。乳価交渉への国の関与も含めた飲用乳の経営安定ための対策の創設など、生産者の経営安定が図られる対策が必要」と訴えた。
角井智仁・宮崎県農協青年組織協議会副委員長は「和牛の繁殖と肥育を行っている。この十年間、口てい疫や、牛海綿状脳症(BSE)と、いくども経営の難局に立たされたが仲間たちとJAと手を取り合いなんとか乗り越えてくることができた。しかし今回の飼料価格高騰という今まで以上の難局により大変厳しい経営を強いられている」と厳しい状況を訴えた。
また「今般の飼料価格の高騰は穀物の需要だけではなくて、一部の拝金主義の投資家によるマネーゲームの影響もあると聞く。カネがカネを生むようなマネーゲームで飼料価格が高騰し私たちが愛情を注いで育てる家畜を手放さなければならないこの危機的な状況が悔しくてならない」と語気を強め、生産価格の上昇が販売価格に反映される制度へと見直すことなどを求めた。
瀧沢義一・JAくしろ丹頂代表理事組合長は「地元、釧路には農業は酪農しかない。国民に安心・安全な牛乳・乳製品を提供していくことにプライドを持って報われない労働にも耐えてきたが、この飼料高騰は最大の危機で、将来に大きな不安を持ちながら営農を続けている。こうした気持ちは全国の酪農家共通だと思う。この打開には政治の力が必要だ」と訴えた。
鶏卵生産者も集会
鶏卵生産者も飼料高騰に苦しんでいる。国内の鶏卵生産者でつくる日本鶏卵生産者協会は十二日、東京で養鶏危機突破緊急全国生産者大会を開いた。大会には関係者ら四百人が参加、梅原宏保・同協会会長は「鶏インフルエンザがまだ解決しない中、異常な飼料高騰、低卵価という三重苦にあえいでいる。国内の養鶏業界はかつてない危機にある」と、政府に対し五百億円規模の融資などを柱とする経営安定に向けた緊急対策を求めることを決めた。
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