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労働新聞 2007年11月15日号・5面
現在、米価下落などを受けた農民の怒りが高まっている。コメの生産調整・減産政策に協力しながら米価は大幅下落、苦しい経営を余儀なくされている。また今年度から「戦後農政の大転換」と鳴り物入りで始まった品目横断的経営安定対策についても、「高齢者・小規模農家つぶし」「大規模農家の経営安定にもつながっていない」「制度が複雑すぎ、現場実態とかけ離れている」と不満が高まっている。問題の根底には、農業と地域を切り捨てる政治がある。この課題は農民だけのものではない。重要な国民的課題として、各層が連帯して取り組まなくてはならない。
JA全中が全国集会
JA全中と全国農政連は十一月六日、東京で「水田農業・基本政策確立全国代表者集会」を開いた。全国から農業者や農協関係者ら千人が参加した。
主催者あいさつで宮田勇・全中会長は「年々の米価の下落で生産調整に正直に取り組む担い手は将来展望を開けない危機的な状況にある」と現状を訴え、「確信を持って水田農業の再構築に取り組むためには生産調整実施者に対するメリットの抜本的な拡充、強化が必要」と強調した。また品目横断的経営安定対策について、地域における多様な担い手が施策対象となるような集落営農要件や、担い手に十分な支援となるような水準の見直しなどを求めた。
代表要請では、廣瀬竹造・全中副会長が、コメ政策では、生産調整に関する国の責任と役割の強化と、生産調整に参加する担い手の万全な所得対策の確立などを求めた。また品目横断的経営安定対策の見直しでは、地域における多様な担い手を対象とするための対策や、生産条件不利補正交付金の十分な支援水準確保と事務の簡素化・運用改善などを求めた。
農政・与党への不満続出
集会では、先の参院選で示された農民・地方の不満をみて多くの自公与党の国会議員が参加したが、開会十分ほどであいさつして国会へと大挙して引き揚げる議員に対し、会場から失笑がもれた。また、米価の下落を受けて政府・与党はコメ三十四万トンの政府買い入れなど緊急対策を決めたが、これらを声高にアピール、「農民の味方」を必死に演出する与党議員に対し「もっと早くやれ」などの小さなつぶやきも。
議員が引き揚げた後に行われた決意表明ではさらに農民の本音が出された。
JAたんなん(福井県)の堀勝賣組合長は「私たちはまじめに三十年間生産調整に協力している。まじめに農業をやれば六〇キロ一万円の米価が一万五千円ぐらいになるよう、きちんと政策をやってほしい」と切実な願いを述べた。また「私たちは福井でも大会を開いたが、みなムシロ旗を掲げて参加した。危機感と不安は大変なものだ。それに比べてこの集会は大人しすぎる。中央には危機感が足りないのではないか」という注文も出した上で、「私たちは国民の食料を生産する自負を持っている。そういう農家にきちんとした政策をやってもらいたい」と強く訴えた。
JA全国女性協の佐藤あき子理事は「私は青森県の中山間地でコメづくりをしているが、ここ数年価格が下がりっぱなしで、赤字が続いている。今のコメの価格では米づくりを続けるのは無理だ」「今の品目経営安定政策は、ゲタとかナラシとか、よく理解できない。本当に生産者にメリットがあるのか疑問だ。決して多くを望んでいない。安定した所得で安心して生活できる、現場で分かりやすい政策をお願いしたい」と農政の抜本改革を求めた。
JA全青協の坂元芳郎会長は「この秋、農業の現場では収穫を心から喜べない状況にある。まじめに生産調整を守り、麦などの生産に取り組んできたにも関わらず、この米価下落はどういうことなのか、麦の手取りがなぜ下がったのか、そういう声があちこちから出ている。われわれ青年農業者は高齢化が進むなか責任ある担い手として地域と環境を守りそして農作業に励んいる。コストを下げ、ギリギリの経営をしているが、一向に何の光も見えてこない。本当に農政の大転換なのか。額に汗し、まじめに働く農家が将来を展望できる農政が必要だ」と訴えた。
全日農などが院内集会
全日農や北海道農民連盟などは十一月七日、米価問題や所得補償政策を求めて「米・畜産危機突破、所得補償実現緊急集会」を国会で開催した。フォーラム平和・環境・人権や日本消費者連盟なども参加・協力し、全国から百二十人が参加した。
主催団体あいさつで、全日農の谷本巍会長は「この米価の下落は制度の問題だ。先祖伝来の水田を守るためにコメづくりを続けてきた農家も、止めることを余儀なくされている。コメの消費を増やすための国民的な議論もない。また酪農・畜産においても、世界的な飼料価格の高騰が経営を圧迫し、倒産の危機に追い込まれている。飼料米など耕畜連携を進め、日本のコメ作と酪農・畜産を守る政治が今こそ求められている」と訴えた。
集会後、コメ政策問題や世界貿易機関(WTO)交渉問題、日本とオーストラリアとの自由貿易交渉(FTA)問題、牛海綿状脳症(BSE)の検査体制問題について、農水省や厚生省などに対する要請行動が行われた。
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