労働新聞 2007年9月25日号・5面

沖縄戦歴史わい曲の
教科書検定
52万筆以上の署名、
東京で全国集会

検定意見撤回まで断固闘おう

 沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を文科省が削除した高校歴史教科書の検定問題に対し、「政府による沖縄戦の歴史わい曲を許さない」「戦争の本質隠ぺい、戦争動員に向けた準備を許すな」と、検定意見撤回を求める闘いが、現地沖縄で、そして全国でいっそう発展している。沖縄では今月二十九日に予定されている県民大会に五万人以上、そして全首長の参加が予定され、まさに島ぐるみの闘いへと発展している。また撤回を求める署名は全国で五十二万筆を超えるなど、全国での取り組みも大きく前進している。


 沖縄県高教組の松田寛委員長や琉球大の高嶋伸欣教授などは九月十四日、文部科学省を訪ね、修正撤回を求める約四十二万筆の署名を追加提出した。これで署名の累計は五十二万七千二百十七筆となった。
 要請団は「教科用図書検定調査審議会(審議会)日本史小委員会で沖縄戦に関する意見が出ず、審議の実態がなかった」などと指摘し詰め寄った。これに対し文科省の担当者は、同省職員の教科書調査官が作成した調査意見書の「集団自決」に関する意見が審議会でそのまま承認されたことや、委員に沖縄戦の専門家がいないことなどの事実関係をおおむね認めながらも「手続きとしては正当に検定が行われた」と問題視しない考えを強調、また審議過程の公開や審議委員との面談要求には「できない」と突っぱねた。

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 続いて同日、「沖縄戦の歴史歪曲を許さない! 全国集会」が東京で行われた。フォーラム平和・人権・環境が主催、関東の教育労働者など八百人が参加した。沖縄からも多数かけつけた。
 集会で松田氏は「今回の検定で『軍の関与』という主語がなくなったため『米軍による集団自決』とか『住民同士の殺し合い』とも読める教科書になった。沖縄の実相を否定するものだ」と問題点を指摘、その上で大会に向けた現地での取り組みを紹介、一九九五年の大会を上回る参加に向けた意気込みを語った。
 また高嶋氏は「検定結果が世論の力で覆されたことが過去二回ある。八一年の現代社会の検定で四大公害訴訟の記述から「チッソ」という社名が削除された。いまさら社名を隠すのはおかしいという世論がまき起こり、文部省は撤回した。また八二年に日本軍による沖縄の住民虐殺についての記述を「沖縄県史は信用できない」として削除させた。しかし沖縄県議会の全会一致決議など県民の猛抗議で翌年の検定で撤回し、記述が復活した」と過去の闘いを紹介、二十九日の大会の成功で撤回を勝ち取りたいとした。また「この問題を沖縄だけの問題にせず、日本全国の人に連帯していっしょに闘ってほしい」と呼びかけた。
 また寺川徹・出版労連書記次長は「検定済み教科書は八月に各高校に見本本として配布されている。この段階で誤記や新事実が発見されれば訂正申請することになっている。大きく運動を盛り上げ訂正申請に持ち込みたい」と訴えた。
 集会の最後、山城博治・沖縄平和運動センター事務局長の力強いガンバローで参加者の闘う決意が一つにまとめられた。


沖縄 県民大会
95年上回る人数、41市町村全首長、全議員参加めざす
まさに「島ぐるみ」の様相に

 九月二十九日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」に向けた県民への参加呼びかけが進んでいる。大会は九五年の米兵による少女暴行事件に抗議する県民大会を超える規模の参加をめざしている。まさしく「県民ぐるみ、島ぐるみ」との形容がふさわしい様相を呈してきている。
 地元紙の報道によると、八重山と宮古地域で行われる地方大会も含め、四十一市町村の全首長が大会参加を決めたほか、三十一市町村の議会が全議員参加を決めたという。
 職員への参加呼びかけを行う市町村も増えている。沖縄市の東門美津子市長は十二日、「県民の一人として、ぜひ参加してほしい」と、臨時や嘱託を含む全職員約千六百人に参加を呼びかけるメッセージをメールで配信した。
 また労組も取り組みを強めている。
 沖教組は十二日、本島や周辺離島の小中学校約三百二十校の校長と県内四十一市町村教育長あてに、県民大会への教職員らの参加を促す依頼文を送付した。沖教組から小中学校の管理職らにあてた依頼文の送付は異例で、文書は「文部科学省は県民大会の参加人数に注目している」と指摘、具体的に職員会議での校長からの参加呼びかけやPTAと協力した保護者への大会案内などを求めている。
 自治労沖縄県本部は十三日、定例執行委員会で県民大会に組合員と家族ら一万人以上の参加を目指すことを確認した。また全国の自治労青年部二百人の大会参加が決まった。


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