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労働新聞 2007年9月15日号・5面
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福岡
日豪EPAは国全体の問題
JA青年部がトラクター行進
日本農業の未来任せてくれ
倉富 信隆・福岡県
農協青年部協議会委員長に聞く
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現在、日本の食料自給率(カロリーベース)は四〇%を切っている。世界の食料供給もひっ迫する中、国内の食料生産を高めることは日本の進路にとってきわめて重要な課題となっている。先月二十三日、福岡県農協青年部協議会はトラクター行進などで市民に日本の農と食を守る大切さを訴え、日本とオーストラリアとの経済連携協定(EPA)など農産物の関税自由化について、ともに考えようと呼びかけた。アピール行動の狙いと成果などについて、福岡県農協青年部協議会の倉富信隆委員長に聞いた。
大きな主旨での取り組み
話し合い、費用問題克服
アピール行動自体は福岡県農青協として毎年行っていて、農産物自由化や食育など旬の話題をアピールし、農産物の無料配布などをしてきた。
ただ私自身は農産物を無料で配布することが本当にアピールになるのかなあという思いもあり、今年は嗜好(しこう)を変えてみたかった。
そこで思いついたのがトラクターデモだった。以前は押しつけがましいという印象も持っていたが、今年の六月に全青協が行った銀座でのトラクターデモを見て少し考えが変わった。私自身感動もしたし、何よりマスコミの取り上げ方が全然違う。
アピールの手段として良いのではと委員会で提案したら、他の委員も「やろう、やろう」と乗ってきて行動が決まった。県内には二十二の単組があり、すべての単組から一台ずつトラクターを出すことを目標にした。
しかし、ここで経費の問題がネックになった。県内も広いので、福岡市までのトラクターの運搬費や燃料費など、場所によっては結構な出費になる。費用は単組が負担することになっていたので、二の足を踏むところもあった。
個々の単組の台所が苦しいのは理解していたが、それでも私は自分がオーストラリア大使館への要請行動に参加した経験なども交えながらEPA交渉など世界情勢について話し、「今おれたちが声を出さなきゃ」と訴えた。そうした呼びかけに、渋っていたところも「おれらも動くけん」と応じてくれ、最終的にはほぼすべての単組から二十二台のトラクターを集めることができた。
当日は、トラクターデモは県青協として初めてということもあり、テレビや新聞などマスコミが大勢集まった。マスコミの方々に強調したのは「生産者のエゴでやるデモではない」ということだ。大変だから農業・農家を守ってくれ、ということではなく、自給率が三九%になっている状況の中で、自分たちの食料のことをみんなで考えましょうということ、そういう大きな主旨でやった行動だ。
同時に「農業は後継者が不足して、いずれやる人がいなくなる。だから海外の農作物に頼るしかない」という論調に「そうじゃないんだよ」と言いたかった。当日は二十六〜四十歳の青年部員約二百人が参加した。こういう若くて元気な後継者もこんなにいるんだよ、だから安心して日本の食料生産をおれたちに任せてくれという思いを伝えたかった。
沿道のあたたかい声援
取り組みへの自信深めた
沿道の市民の反応はとても良かった。声援を送ってくれる若者や、いっしょにシュプレヒコールをあげてくれるお年寄りもいた。地元紙だけでなく全国紙も取り上げてくれ、中には「テレビで見た」と富山の方から激励の電話も頂いた。
このように街頭に出て自分たちの元気な姿をアピールし、それに対して多くの激励をもらうことで、自分たちの行動に非常に自信を持つことができた。講演会やシンポジウム、学童への食育などの活動も大事だが、このように街頭に出て広く市民に訴える活動も重要だと実感した。
「攻めの農業」など輸出向けの食料生産についてもいろいろと言われている。それも悪いことではないが、世界の食料事情がどうなるか、だれも読めない。それよりまず、最低限の自給率の確保は国家戦略として必要だろう。現実に関税がなくなれば農業はやっていけないし、燃料や飼料の高騰の問題もある。国の責任として手立てを打ってほしいところだ。
安全なものを子どもたちに食べさせるのは、自分たち生産者の責任だし、大人の責任だ。これからも行動を地道に続けていきたい。
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