労働新聞 2007年9月5日号・5面

東京
全国地方議員交流会行われる
連携した闘い、いっそう前進

 第五回全国地方議員交流会が八月二十日から二十二日まで東京で行われた。この五年間、雇用・社会保障制度の改悪などにより国民生活は破壊され、「三位一体改革」などで特に地方は犠牲を強いられてきた。そうした住民の悲鳴に背を押されて、住民に最も身近な地方政治で活動する議員が全国から結集、状況を変えるために何ができるか、真剣な討論が行われた。またその議論の成果を踏まえ、地方議員が直接に厚労省に出向き福祉制度の改善を迫るなど、いっそう発展した全国の地方議員の連携を具体的な闘い力に変えていく試みも行われるなど、意義の深い取り組みとなった。


「米軍再編、日朝国交正常化
先進的な取り組み学ぶ

 今年で五回目となる交流会には全国から地方議員や関係者など二百人が参加した。自主・平和・民主のための広範な国民連合が事務局となり、全国の地方議員三百二十八人の賛同者による実行委員会が主催した。
 第一日目の開会のあいさつで原田章弘・神奈川県横須賀市議は、地方経済の疲弊や医療・介護の崩壊などの現状などにふれ、地域の問題解決を進めるために「交流を成功させ、連携を深めよう」と呼びかけた。
 連帯あいさつで加藤毅・広範な国民連合事務局長は、「国民の改革への怒りの声にどう応えるかが問われている。国民全体の立場に立って、地域から変えていこう」と訴えた。
 続いて普天間基地を抱える沖縄県宜野湾市の伊波洋一市長が「基地を抱える地方自治体と国の政策」と題した記念講演を行った。
 伊波氏は、基地がつくられた経過や基地の被害の実態と危険性などを説明した上で、「国は『沖縄の負担軽減』などを言っているが、いま宜野湾市に横たわる危険な状況に何ら手を打とうとしない」と厳しく批判した。また世界的な米軍再編の中での沖縄と日本の位置づけについて「自衛隊と米軍の一体化が進み、日本全土が戦略拠点化される方向だ」と、全国でこの課題での闘いが必要であると訴えた。さらに、基地の早期返還に向けた市の取り組みなどが具体的に紹介され、参加者は熱心に聞き入った。
 武者小路公秀・大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター所長は「アジアの共生と日朝国交正常化」と題した問題提起を行い、日朝間の問題の背景にある世界情勢や米国の世界戦略などについてふれ、「長期的な平和共存、平等互恵の関係をめざした日朝国交正常化はアジアの共生につながる」「国内で朝鮮人をはじめアジアの人びとと共生をすることが前提」などと市民レベルでできる対話と協力などについて提起した。
 東京の「日朝友好促進をすすめる二十三区議員連絡会」の代表世話人の江口済三郎・中野区議会議員(公明党)は「地方議員としてすすめる日朝友好運動」と題した特別報告を行った。江口氏は、朝鮮で生まれ母親から「朝鮮の人たちのおかげで今のお前がある」と言われて育ったエピソードなどにふれ、日朝友好を進めるためには教育の問題が重要であることを指摘した。また国策に振り回され曲折のあった日朝議員連盟の活動を振り返り、「必ず地方の声は国を動かす。二十三区の取り組みが全国の模範になるようなものにしたい」と意気込みを語り、満場の拍手を浴びた。
 また現場からの報告として川崎市立井田病院の医師である鈴木厚氏が医療制度の改悪により進んだ医療現場の荒廃などを告発した。

*    *

 第二日目は「いま地域で何がおきているか、この政治をどう変えるか」という共通テーマで四つの課題に関する分科会が行われた。
 第一分科会「地方の疲弊と地域間格差の是正」では、各地の情報交換が行われ、「第二の夕張になるな」との合い言葉で行われる財政中心の行政ではなく、住民生活中心の行政への転換などが議論された。
 第二分科会「崩壊する医療・福祉・年金」では、厚労省への要請内容を詰めるかたちで社会保障制度の問題点を討議、「持続可能な制度」の名の下で行われている社会保障切り崩しに反撃する決意が固められた。
 第三分科会「教育基本法の改悪でどうなる? 地域の教育」では、さまざまな教育制度の改悪が行われている東京都と杉並区の現状について現場からの報告が行われ、こうした攻撃に対し保護者や地方議員などの連携した闘いについて議論された。
 第四分科会「税・財政、権限。どうする地方交付税」では、「地方分権」の名目で行われている国の行財政改革のウソをどう暴露していくべきか、住民に訴えるかなどについてさまざまな議論が行われた。

議員が厚労省と直談判
住民の悲鳴ぶつける

 第三日目には厚労省との交渉が行われた。約二十人の地方議員とともに、細川律夫・衆院議員と川田龍平・参院議員が参加した。
 前日の分科会とその後の全体会合での討論の結果をふまえ、介護保険、医療制度、障害者自立支援法、生活保護制度、児童扶養手当について改善や見直しを要望した。加えて各地の住民生活の切実な実態を訴え、国民生活を最重視する政策へ転換するよう訴えた。
 厚労省側は若手クラスを寄こしたが、住民の悲鳴を背負ってきている地方議員の気迫の訴えに青ざめ、オズオズと官僚答弁を繰り返すにとどまった。
 交流会の成果を直接国にぶつけ、地方の窮状の改善を求める貴重な交渉の機会となった。


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