|
労働新聞 2007年7月25日号・5面
|
またも地震で原発事故、
大惨事と紙一重
直ちに安全性の抜本見直しを
|
新潟県中越沖地震によって、柏崎刈羽原発(東京電力)で火災や放射性物質を含んだ水漏れなどの事故が相次いだ。東京電力などは「想定外の強さの揺れ」などと言っているが、その「想定」は電力会社に都合よく設定されたもので、地元住民や反原発団体などからは再三にわたって見直しを求められていたものだ。今年三月にも石川県の志賀原発(北陸電力)のすぐ近くを震源とする能登半島地震が発生、想定を大きく上回る揺れが起こったばかりだ。これらの事故が大惨事の一歩手前であり、これらを教訓として、国は直ちに原発の安全性の見直しを含む原子力政策の抜本的改革に着手する責任がある。
小日山紀郎
新潟県平和運動センター/柏崎刈羽原発設置反対県民共闘会議 議長に聞く
今回の地震で、われわれがこれまで訴え続けててきたことが残念ながら現実となってしまった。これを受けて七月十九日、われわれは県に対し、被害の全容解明と原発設置許可の同意を取り消すよう申し入れを行った。一歩間違えば大惨事となりかねない事態だけに、県として明確な判断を示すべきだ。
世界最大規模の原発
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所は、世界最大規模の原発基地だ。多くの地元住民は常に放射能への不安を抱えているわけだが、東京電力は「安全なんだ、絶対大丈夫なんだ」と言い続けてきた。
今回の事故で、そうした主張は根本から崩れた。地震の規模はマグニチュード六・八と、想定した直下型の六・五を上回り、揺れの強さを示す加速度は一号機で六八〇ガルを記録、限界地震の設計値二七三ガルの二倍を超えた。
火災や放射性物質を含んだ水漏れなどのトラブルも続出した。このこと自体も大問題だが、何よりそうした事態に対する準備がまったくなっていないことが明らかになってしまった。自前の消火体制を持たず、放射能漏れにも対応できていない。
現在原発は停止しているが、余震の脅威は去っていない。電力会社はもちろん、これを許してきた行政の責任、そして地震対策の前提となる基準を設け許可を出した国の責任は重大で、猛省を促したい。
耐震偽造建築より危険
昨年三月に金沢地裁が耐震性の問題で、志賀原発の運転差止の判決を出したが、今回の地震で図らずも判決の正しさが裏付けられることとなった。設置許可を出した前提が今回の地震で崩れたのだから、国は直ちに基準見直しに着手するべきだ。
県への申し入れでは「耐震強度を偽造していたマンションが壊されているのに、もっと、被害が大きなな原発が今のままでよいのか」と迫った。県は委員会を設置して安全性を検討しているが、従来のように御用学者を呼んでアリバイ的な協議をするのではなく、県民の安全のためにき然として電力会社に対応してほしい。
Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2007 |
|