労働新聞 2007年6月25日号・2面 国民運動

日豪EPA JAが統一行動

全国で農業・地域つぶしと闘おう

 日本とオーストラリアの両政府間で自由貿易協定(FTA)を中心とする経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉が行われている。この締結による重要農畜産物への関税撤廃に反対し、JAは統一行動を敢行、東京で街宣活動と全国集会を行い、沖縄では島ぐるみの一万人県民大会が行われた。農業改革と称した国内農業の切り捨てをもくろむわが国財界と対峙(たいじ)し、闘いをいっそう発展させ全国民的な運動としなければならない。そのためには、とりわけ労働者・労組の取り組みが重要だ。


トラクター・デモ
政府・与党に迫る

 JAグループは六月十一、十二日に統一行動を東京で行った。

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 十一日、全青協を中心としたトラクター・デモと街頭宣伝活動が行われた。都心にあらわれた大型トラクター部隊は大いに市民の注目を集めた。また農産物を配布しながら日豪EPAや世界貿易機関(WTO)交渉の関税引き下げ問題と農業・食料生産・農村の大切さを訴える宣伝・署名活動を行った。

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 十二日には「WTO・日豪EPA・基本農政確立対策全国大会」が行われた。JA全中と全国農政連が主催、生産者を中心に三千人が結集した。
 壇上には各地で集められた食と農を守ることに賛同する百八十三万筆の署名も積み上げられた。
 あいさつに立った宮田勇・全中会長は「農業・農村をないがしろにして美しい国づくりはあり得ない」と政府をけん制、そして「『農』を原風景とするわが国が今まさに崩壊しかねない状況にある。われわれは持てる力を最大限結集しなければならない」と総力を上げて闘うことを呼びかけた。
 来賓として参加した欧州連合(EU)農業団体連合会副会長のジュゼッペ・ポリティ氏は「私たち農業者は人間の生活の活力を生み出している。必須の食料を輸入に頼るわけにはいかない。自分たちの食料安保を守る権利がある。多国籍企業の勝手は許されない」と連帯して闘おうと訴えた。
 また坂元芳郎・全青協会長は「農村では人が減り高齢化が進み、それでも日夜額に汗して安全・安心でおいしい農産物づくりに努力している。コストを下げぎりぎりの経営をしているときにこれ以上大量の食料が輸入されれば経営は困難になる。われわれの生活を守り、農業への思いを次世代につなぐために結集を図らなければならない。日本農業の存在価値が問われる闘いだ」と語気を強めた。
 福代俊子・全国女性協会長は「食と農は生産者だけの問題ではない。次世代を担う子どもたちの食には関心を払うべき。多様な動植物の命を育む自然環境は輸入できない。行き過ぎた市場原理は人びとの暮らしと命を脅かす」と警鐘を鳴らし、食と農の交流事業を通じた運動のいっそうの発展を呼びかけた。
 集会後、参加者は官庁街と国会を貫くデモ行進を行った。デモ行進で参加者は、農水省や国会前でひときわ力を入れたシュプレヒコールを上げた。「政府は本気で農業を守れ」「農水省は最後まで農民の立場に立って闘え」と何度も繰り返した。
 集会そのものは参院選前の全中出身候補者の決起集会の色合いを濃く反映したものでもあったが、同時に全国各地から参加した農民の農政への不満が強く打ち出された集会ともなった。

沖縄 県民大会、各界1万人が結集
貿易自由化による沖縄つぶし許すな


 沖縄では十六日、那覇市で「食と農と暮らしを守る沖縄県民大会」が行われた。JAグループ沖縄などの生産者、県など行政、経済界、連合沖縄など労働組合も参加、全国最大規模の一万人が結集した。
 県の試算では、関税撤廃による損失波及額は七百八十一億円に上り、県の農業生産全体の約八割を占めるサトウキビとパインが消滅、「地域農業はもとより、まず離島経済が崩壊。人口流出を招き農業の多面的機能が崩壊する」などと指摘されている。
 主催者あいさつで、仲井真弘多知事が「農業振興は産業の振興や県民生活の向上のためにも重要」と強調、農業団体や行政、経済界、消費者が一体となった取り組みの必要性を指摘し、「沖縄を守るため、県民の声を交渉に反映させることが必要不可欠。県民一丸となり全力で取り組もう」と訴えた。
 また大城惟宏・JA沖縄中央会会長は「ここ沖縄で全国最大規模の大会が行われることは、多くの県民の危機意識を反映したものだ」と取り組みの成果を強調、目的達成まで断固として闘おうと呼びかけた。
 生産者を代表して発言した渡久山毅・伊良部地区さとうきび生産組合長は「宮古の経済を支えるサトウキビは私たち農家の命。将来に悔いを残さないよう重要品目の例外措置の確保を求めていくべき」と訴えた。
 最後に「実現しよう! 地域を守る国際貿易ルールの確立を」「考えよう! 安全・安心な地域社会と食文化を」など四項目のスローガンを採択、ガンバロー三唱で気勢を上げた。大会終了後、参加者はトラクターを先頭に「沖縄の産業・農業基盤を守ろう」「豊かな自然と安全な食料を未来につなごう」などと訴えデモ行進した。

新潟でも緊急集会

 JA新潟中央会と新潟県JA農政対策本部委員会は十六日、県内四カ所で「WTO・EPA対策、農政危機突破JAグループ新潟・緊急集会」を開いた。翌十七日にも県内二カ所で集会を行い、合わせて二千百人が参加した。集会では、WTO農業交渉や、日本とオーストラリアとのEPA交渉への危機感、緊迫した農業情勢を県民に訴え、農政運動への結集を呼びかけようと決意が固められた。


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