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労働新聞 2007年5月15日号・7面 国民運動
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東京
日朝国交正常化めざしシンポ
国民世論形成へ貴重な一歩
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安倍政権は、朝鮮敵視と排外主義をあおることで日米軍事一体化と軍事大国化を押し進めている。在日米軍の再編・強化や憲法改悪策動もその一環だ。これらの攻撃と闘うためにも、日朝国交正常化を実現して東アジアの平和を求める広範な運動をつくることは急務である。こうした中、四月二十六日に自主・平和・民主のための広範な国民連合が事務局となって東京で行われたシンポジウム「日朝国交正常化即時実現ー米国最優先の外交からアジア重視の外交へ」は、こうした考えを広げ、日朝国交正常化を求める国民運動を大きく発展させる上で貴重な取り組みとなった。
シンポの会場には約二百人が詰めかけ、この課題への関心の高さを示してた。
開会あいさつで槙枝元文・日中技能者交流センター理事長は「朝鮮は日本に最も近い国で、本来最も近い友だちとしてつきあうべき国だ。しかし戦前日本は朝鮮を植民地支配し、敗戦によって朝鮮が解放された後も朝鮮民主主義人民共和国を独立国として認めず、植民地支配の謝罪もしていない。こんな異常な状態を改めて初めて、日本はアジアの人びとから信頼される国になれる。このシンポを国交正常化の実現を求める国民運動の新たな出発点にしたい」と訴えた。
正しい歴史・現状認識必要
続いて中江要介・元中国大使が問題提起を行った。
中江氏はまず「国交が正常化していないにもかかわらず、国民はそれを気にしていないし、何より今の政治家が分かっていない。もどかしさを感じてる」と現状の異常さを指摘した。
そして朝鮮の独立を承認することは日本の義務であることを、憲法やポツダム宣言などを引用しながら解説し、「二百カ国近い国がある中で、いまだに国交を正常化せず、戦後処理の終わっていない国は朝鮮だけだ。この国際社会の一員としての最低の義務、戦後処理も済ませずに偉そうに『国際社会に貢献する』などと主張するのは、まやかしだ」と正常化の緊急性・重要性を強く訴えた。
さらに「安倍首相は『拉致問題が解決しなければ、国交正常化しない』と言っているが、私は『正常化しなければ、拉致問題は解決しない』と思う。相手と正常に話ができるようになって初めて理解し合えるようになり、難しい問題が解決できる。これが国際社会の常道だ。相手国との付き合いをまったく拒否しておいて、その相手国との問題を解決しようというのは本末転倒だ」と、安倍政権の朝鮮敵視外交を批判した。
最後に「日朝国交正常化をするためには、正しい歴史認識と現状認識が必要だ。日本が戦前に行った朝鮮半島の植民地支配について、謝罪と補償を行うことは当たり前のこと。また、日本は朝鮮に攻撃されることばかり考えている。なぜそんなに怖がるのか。日本人はひとりひとり胸に手を当てて考えなければいけない」とした上で、「私は、日本のアジア外交の貧しさ、無力さを心の底から嘆いている。ただ一つ残っている朝鮮との国交正常化を一日も早く実現し、日本が一人前の国になり、アジアの多くの国から信頼される国になってほしい。アジアで平和と安定の秩序をつくれる日を呼び寄せるために、今日の集まりが大きな起爆剤になってほしい」としめくくった。
パネリストからの発言で、清水澄子・朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表は日本政府が放置している朝鮮人の戦時強制労働の犠牲者の遺骨問題など戦後補償に関する問題点を指摘した上で、「日朝平壌宣言では、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するとの共通の認識を確認している。安倍政権はこの原点に戻るべきだ。私たちがこの通りやるように迫る必要がある」と訴えた。
吉元政矩・元沖縄県副知事は「朝鮮の脅威をあおりながら日本がやってきたことは日米軍事同盟の強化、日本の軍事力強化だ。今年に入ってからは米国を中心とした日本、オーストラリア、インドによる新しい軍事的な体制も進んでいる」とした上で、「拉致問題で批判的な意見を出せば非難されるとか肩身の狭い思いをするとか、そういアジアの信頼を回復し、東アジアと日本のつき合いを正しい軌道に乗せていくために、私たちは踏み出さなければいけない」と訴えた。
品川正治・経済同友会終身幹事は「朝鮮はいま、自国を守るために必死になってやっているのだということを、もっと親身になって考えるべきではなか。あれだけ小さな国が、戦争をしている巨大な大国に屈することなく、自存自衛のために必死になってやっていると理解することは、この問題全体を論議するときに必要なことだ」と提起した。そして「安倍総理は拉致という問題を利用して、国民のナショナリズムを危険な方向にあおっている。彼の極端なイデオロギーにとらわれたやり方を、私は許せない」と怒りをあらわした。
在日朝鮮人への迫害やめよ
フリートークでは、会場から熱意の込められた発言、現状を変えるための真剣な提起が相次いで出された。「ゆがめられた情報ばかりを流すマスコミとの闘いは重要だ」「国交正常化と同時に、民衆レベルの交流を進めることが大切」「歴史わい曲の動きなどとの闘いも必要だ」などの意見が出された。
またシンポの前日に行われた朝鮮総聯関連団体への警視庁の不当捜索などについて発言した人は「いまこの日本で行われている在日朝鮮人への差別・迫害、異常なマスコミの宣伝の実態などについてもっと目を向けてほしい」と切実な訴えを行った。
シンポの最後に武者小路公秀・大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター所長がこれまでの発言をまとめた上で、「日朝国交正常化の即時実現のために、全国各地で国民運動を広げ、在日朝鮮・韓国人の皆さんと連帯してがんばろう」と締めくくった。
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