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労働新聞 2007年3月25日号・5面 国民運動
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介護保険改悪もうがまんできない
自治体は住民の生活守れ
制度抜本的に見直し、
区は福祉重視に転換を
杉並わくわく会議代表
東京都杉並区議会議員選挙予定候補
松尾 ゆり
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介護保険制度による住民福祉切り捨てをやめさせるためには、国の制度見直しとともに、自治体に住民の生活を守るよう迫る必要がある。地域で介護・福祉の問題に関する住民の声を集め、行政にはたらきかける運動を続けている東京都杉並区議会議員選挙予定候補の松尾ゆり・杉並わくわく会議代表に聞いた。
また家族介護へ逆戻り
介護保険制度の発足にあたって、国は「家族介護から公の介護へ」とのうたい文句を掲げていた。実際、保険料を払って利用する制度に変わることによって、気後れすることなく介護を頼むことができるようになった利用者がいることも一面の事実だ。
しかし、昨年四月の介護保険制度の変更により、サービスを減らされる人が相次いでいる。私たちの会では、街頭署名や地域懇談会などを行って区民の声を聞いているが、悲鳴のような切実な声が数多く寄せられている。
例えば「二世帯住宅で娘が同じ敷地内に住んでいるため、これまで利用していた生活支援のヘルパーが認められなくなった。娘は昼間働いているために日中独居だと言っても、まるで聞いてもらえない」「デイサービスの食事代が高くなって通えなくなった」「『要介護1』だったのが、からだの状態は変わらないのに『要支援』にされ、介護保険のサービスを打ち切られた」など。
介護保険の利用が伸びて国の財政負担が大きくなりすぎたという口実で、国は介護保険の利用抑制に走っている。要介護認定の要件が厳しくなったこと、利用した場合の本人負担が大きくなったことと併せ、家族がいれば生活支援のサービスを受けさせないという「適正化」の指導によって、利用したくてもできない制度に変えてしまっている。
サービスは利用できなくなったのに、昨年介護保険料が四割も引き上げられたため「利用できない介護保険の保険料を一生払い続けなくてはならないのか」という怒りの声も大きくなっている。高齢者にとって増税、医療費の自己負担増とあわせ、生活への打撃となっている。
介護が公的なものから家族へと逆戻りしている。私は介護保険が始まる前から十年ほど介護保険に関する運動を続けてきている。当初から危ぐしていたことではあったが、予想をはるかに超える惨たんたる状況になっている。
行政の責任投げ出す区長
私は、国の介護保険制度そのものを抜本的に見直し、公的な福祉の制度をもういちど再生する必要があると考えている。そのためには、自治体も、私たち住民とともに、国に対して「これではやっていけない」との声を上げる必要がある。杉並区に対しては「国に対して意見を上げるように」と申し入れている。区は住民の生活を守るためには、国の政策と対決すべきだし、「国がこう決めたのでしかたない」と開き直るのではなくて、住民のために区独自で何ができるのかを、もっと真剣に考えるべきだ。
ところが、杉並区は他区と比べても「適正化」指導では厳密であり、住民サービスが急速に低下している。また、独自の事業を展開する点でも遅れをとっている。
先日、区の担当者と話し合いをもったが、杉並では区独自の福祉制度をこれ以上拡大していくことは困難だという回答だった。「区の政策の重点は福祉ではない」からであり、また、提案しても「上が認めてくれない」という理由だった。職員にやる気があったとしても、実現できない区政になっている。
杉並区の山田区長は「区の事業の六割を民営化する」という計画を掲げている。福祉などは行政の仕事ではないという考え方だ。かつて地域で高齢者を見守っていた福祉事務所や保健所の職員はすでに削減されてしまい、福祉の担当者にすら地域のようすがわからなくなっている。
こうした区政を変えて住民自治を取り戻すため、区民とともに闘いたい。
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