|
労働新聞 2002年12月5日号 1面
|
全国町村長大会
市町村合併強制、交付税削減、罰則適応などで町村自治は存亡の危機
怒り 小泉政権の地方切り捨て
|
小泉政権の進める「地方分権改革」に対する、地方の反発・抵抗が強まっている。
「地方分権改革」は決して、住民はもちろん、市町村に恩恵をもたらすものではない。
その本質は、グローバル資本主義の下で国際競争で生き残りをかける多国籍大企業の利益のために、負担となるわが国旧来の行政システム、とりわけ地方自治制度を破壊し、安上がりなものへと再編しようとするものである。
そのため、各種補助金や地方交付税を大幅に削減、果ては「コスト高」な地方を、まるごと切り捨てようとまでしている。
すでに、政府の地方分権改革推進会議は10月30日、最終報告を小泉首相に提出した。ここでは、「補助金は減らす、税源は渡さない」という、露骨な地方切り捨てが表明されている(前号1面参照)。
また、第27次地方制度調査会では11月1日、専門小委員会において、「将来は町村をなくし、市を基礎的自治体にしていく」などとする副会長私案が提出された。ここでは、2005年以降に「第2次合併推進運動」を展開、それでも合併に至らなかった町村(一定人口規模未満の場合)は、合併か都道府県事務への垂直補完の選択(権限の取り上げ)を義務づけるか、他自治体への編入を強制するという。
また、自民党の「地方自治に関する検討プロジェクトチーム」も、人口1万人未満の町村については、その業務を窓口事務に限定するものとする中間報告をまとめた。
これらは、当該町村の意向をまったく無視しているのはもちろん、町村を一律に合理化の対象にするという、断じて許せないものだ。
それは必然的に「合理化」、すなわち住民サービスの低下や自治体職員のリストラを引き起こし、地域経済を冷え込ませることにもなる。
こうした支配層の攻撃に対して、地方自治体の首長、議会などからも、地方切り捨てへの激しい抵抗が起こっている。
全国市町村会は、市町村合併強制に重ねて反対を表明、福島県矢祭町議会は「市町村合併をしない矢祭町宣言」を発した。また、大分県臼杵市長も、「国の失政こそ市町村合併の元凶。合併特例債は借金を膨らませ、後に禍根(かこん)を残す」と、厳しい批判を行っている。
小泉改革に対する中小商工業者をはじめとする国民各層の反抗の強まりと併せて、これらの切り捨てられる地方の反発は、いっそう高まらざるを得ない。
地方自治を守る闘いを発展させるには、労働者をはじめとする住民の闘いの発展こそが、真の力となる。
窮地の小泉政権を打ち破る、国民的戦線と闘いを発展させよう。
町村長大会に3200人
地方切り捨て反対の声、続々と
全国町村長大会が11月27日、東京で開かれた。大会には3200人の首長などが結集、小泉政権の強制する市町村合併などに反対の声をあげた。

小泉政権による地方、町村切り捨てに反対した全国町村長大会(11月27日、東京)
|
同会は、昨年7月にも37年ぶりの臨時大会を開催、地方交付税の削減や市町村合併の強制に反対する特別決議を採択している。
あいさつを行った山本文男会長(福岡県添田町長)は、市場万能主義の下、地方を切り捨てようとする小泉改革を厳しく批判した(要旨・別掲)。
また、安原保元・全国町村議会議長会会長(広島県神辺町議会議長)は、「地方制度調査会の案は、憲法上の地方公共団体としての地位を町村から奪い、我々の自己決定権をまったく無視するもので、絶対に認められない。自民党の案も同様だ。これでは、町村は否応なく合併に追い込まれる。今後とも町村議会議長と十分に連携を密にし、積極的に運動を展開しきたい」と呼びかけた。
大会は、市町村合併の強制反対、市町村への権限縮小反対などの「緊急重点決議」(要旨・別掲)と、「直面する様々な課題に積極果敢に取り組む」などとする「宣言」を採択した。
緊急重点決議(要旨)
今、町村は、存亡の危機に直面している。
市町村合併が半ば強制的に進められている。合併は、あくまでも自主的な判断を尊重すべきである。
また、一定人口以下の市町村の権限を制限することがが論議されるなど、到底容認できない。
地方交付税は地方固有の財源であり、不可欠なものである。
よって、我々町村が役割を果たせるよう、国に強く要請する。
1、市町村合併は自主的に行うべきものであり、強制しないこと。
2、人口が一定規模に満たない市町村を、「小規模市町村」と位置づけ、その権限を制限・縮小することは、絶対に行わないこと。
3、税源移譲等により、町村税財源の充実確保をはかること。地方への負担転嫁は絶対に行わないこと。
4、地方交付税のもつ財政調整機能、財源保障機能を絶対堅持するとともに、必要な総額を確保すること。
山本文男・全国町村会長のあいさつ(要旨)
まさに、今、町村自治は存亡の危機にある。
市町村合併がこのまま強行されれば、また、人口が少ないということで町村の権限が制限・縮小されれば、地域社会はどうなってしまうのか、住民の福祉が守れるのか、自然環境や国土の保全ができるのか、という不安、憤りがある。
最近の国の政策は、あまりにも市場原理や財政効率の追求、さらに規模の拡大に重きを置き過ぎている。
全国の町村は、それぞれ歴史的な経緯や文化、風土が異なっている。合併を強制することは、絶対あってはならない。
また、一定の人口規模に満たない市町村の権限を制限・縮小したりなど、町村の存立さえも否定する議論がなされている。
このことは、地方自治の本旨、地方分権の理念に照らしても相反するものであり、町村が果たしてきた役割をまったく評価せず、また、町村が小規模ゆえに能力がないと決めつけ、切り捨てるといった横暴極まりなきもので、絶対に容認できない。
一方、先日の地方分権改革推進会議の意見では、税源移譲による財源措置が明確に示されておらず、これでは単なる地方への負担転嫁である。
地方交付税見直し論などは、地方行財政運営の基本的な仕組みを認識しない論外な議論である。
町村が、その役割を十分に果たせなくなるようになれば、地域の発展はなく、国の発展もない。
我々2542の町村長は、今後とも一致団結して、国などに強力な要請活動を展開していかなければならない。
Copyright(C) Japan Labor
Party 1996-2002 |
|