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労働新聞 2010年4月15日号 通信・投稿

突然の配転、課長に抗議
配転は会社の「嫌がらせ」だ

悔しくて夜も眠れない

機械部品工場契約社員 山形 優也

 三月初め、「契約更新のことで話があります」と事務所に呼ばれた。「山形さんは今年八月で五十五歳になるので、今回から契約が半年になり、給料が下がります。この契約書にサインして判を押してください」と言う。おい、おい、俺はまだ五十四歳。なぜ四月から給料が下がるんだ? そんなの聞いてないよ。知らないうちに労働条件が変わっている。「給料が下がる? いつから変わったの?」と聞くと、「労働者代表と会社が話し合って決めた」とのこと。
 労働者代表とは労働者の過半数を代表する人。「労働者代表」の意見を聞けば労働条件を変えられるように労基法が改悪されたそうだ。労働者代表とは名ばかりで、うちでは回覧板が回ってきてみんながそれに何だか分からないままに半ば強制的に署名をさせられて、選ばれた。俺たちのように非正規労働者の方が多い職場では、正社員だけでは過半数にならないから、労組委員長が代表になる狙いでパートなどを組合に入れたりしているケースもあるという。
 その後、俺は労働者代表に会って話を聞いた。その結果、労働者代表は労働条件の変更を認めたが、「給料が下がるのは誕生日が来てから」ということだった。会社は就業規則が変わったことを俺たちにはまったく知らせていない上に、ごまかそうとしていたことが分かった。会社に就業規則を見せてくれと言ったら、カギのかかったロッカーから取り出してきた。そんなのありか。みんなが見ることができるところに置けよ。

何で俺が配転?
 三月二十八日、突然、係長に呼ばれ、「山形さんは四月一日から◎◎に配転になります」と言われた。直前の現場責任者の話では「今回の配転はありません」という話だったのに、なぜだ?  その足で、課長に抗議に行った。みんながいる前で、課長をどなりつけた。殴りかからんばかりの顔をしていたと思う。
 俺 「今回の配転を誰が決定したのか?」
 課長「秘密だから言えない。人事権は私にある」
 みんなじーっと聞いている。
 「通勤場所とか本人の都合もあるので、話し合って納得した上やるべきだ。労働者をモノのように勝手に動かすのは人権問題だ。『配転はない』と言ったのに嫌がらせじゃないか。こういうことはやめてくれ。勝手に決めて何でもできると思うのは間違っている」
 みんなは、もうこれで俺はクビになると思っただろうね。一年契約の俺たちにとって正社員の課長は雲の上の人、逆らったら怖いとみんな思っているから。でも、俺は言いたいことを言ってもクビにはならないということを、みんなに伝えたいと思った。
 その後、怒りで夜も眠れない日が続いた。労働者にとっていちばんつらいことは、低賃金だけでなく配転だった。いやがらせで一カ月ごと、二カ月ごとに配転させられる人もいる。職場には会社にゴマをする人もいるし、いじわるな人もいる。新人は仲間はずれにされたりしてつらい。クビにしなくても辞めるように仕向ける、会社の汚いやり方だ。
 俺も職場で「配転」についての相談を受けていた。もっと相談にのればよかったと反省している。うつ病みたいになって職場を辞めた人もいるから心が痛い。何とかしなければいけない。自分が突然飛ばされて初めて分かった。居残る人は「向こうでがんばってね」と気楽に言うが、去っていく人はものすごく傷ついている。無茶苦茶な配転で泣いている人がたくさんいる。
 三月三十一日、ひどく怒っている顔で、最後の仕事を丁寧にやった。味方のような顔をしながら俺を飛ばした主任には「このままじゃ済まないからね」と言い残して、職場を出た……


管理職の給料は数倍
 俺はここで十年働いている。十年もたっているからみんなをまとめなければと思い、旅行や山登りなどで同僚との交流の場をつくってきた。労働組合を立ち上げる必要があると、みんなで話したりもしていた。こうした動きが目立ったので目をつけられたのか。労働者代表に会ったことに対する攻撃なのか。みんなのためにと思ってやっているのに、くやしくて眠れない。
 正社員の管理職たちは「雇ってやっている」とばかりにいばりちらし、契約社員の俺たちを下に見ている。また、会社に文句を言う人、仕事ができない人にレッテルを張る。だれも抗議する人がいないから、職場はちっとも改善されない。管理職はラクな仕事しかやってないのに、給料は俺たちの数倍取っている。おまえらそのうち泣きをみるよ。
 不景気で就職先がない中で、最近は二十歳代の若い人が増えてきているが、五十歳代で月十三万円、二十歳代も同額。生活のためにかけもち就労している人は、いつも倒れそうに疲れている。
 会社は「ボーナスを見せ合うな。査定してあるから」という。俺は「そんなのおかしい。見せていいんだよ」と言って、みんなに見せている。俺のボーナスは確実に減ると思う。会社は労働者を少しの査定や役職手当で分断している。現場責任者手当五千円、副責任者手当三千円で「会社の犬」にはなりたくないね。
 今回の配転で、応援してくれている人たちが送別会を開いてくれた。この怒りをエネルギーに仲間たちといっしょに闘っていきたい。賃金だけでなく、配転など幅広い要求を取り上げることが大事だということが分かってきた。闘いはこれからだ


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