|
労働新聞 2008年4月25日号 通信・投稿
納税で頭が痛い4月
利益削って消費税を納税
夫婦で年収やっと200万円
零細卸売事業者 町田 淳司
|
夫婦とパート従業員の計三人で、通信機器の卸売業を営んでいる個人事業者です。政府発表の経済報告とは逆に、ここ数年は売り上げが減少し、苦しい経営が続いています。
消費税に異議あり
四月は個人事業者が所得税(二十二日)と消費税(二十四日)を納付する月です。私のところでは、銀行口座からの自動振替になります。四月半ばになると、ご丁寧なことに(皮肉ですが)、「振替日に預金残高が不足しないように注意をしてください」と、税務署から手紙が来ます。毎年のことですが、やっとの思いで用意します。残高不足で振替できないと延滞税がかかるといわれますので、何事にも優先して税金分を確保しています。この消費税について、思うことがあります。
消費税が導入されたのは一九八九年の竹下内閣の時で、税率三%でしたね。税の目的は「高齢者福祉対策のため」とうたわれていましたが、実際はどこに使われてきたのでしょうか。国民に明確に説明すべきと思います。
消費税は生産や流通から販売にいたる各段階で販売価格に上乗せされていきますが、最終的に税を負担するのは消費者です。個人事業者や会社は、消費税を一時的に預かっているので納税義務があります。「預かったお金を支払うのだから、なぜ苦労するのか?」と思われることでしょう。
当社では、消費税導入から数年間、計算の簡単な「簡易課税方式」(卸売業は平均一〇%の利益率という国の基準があり、売上金額×一〇%×三%=消費税額…正確な計算方法ではありませんが税額の目安にはなります)で申告していました。しかし、事業利益率が一〇%以下の場合には、国に納める税額よりも預かった税額が少ないので、実際には会社の利益から不足分を補って納税することになります。この時期当社の利益率は約五%でしたから、納めた消費税の約半分は私の収入から補てんしていたことになります。
今は、本則課税方式(売上の消費税│仕入の消費税=消費税額)で申告していますから、以前と比べれば負担は減っています。でも、取引によっては売り上げに消費税率分を上乗せできないこともありますので、利益を削って消費税を支払っているのが現状です。
政府に対して怒り爆発
所得税は景気の動向で増減しますが、消費税はすべての国民から確実に徴収できる税金です。導入から数年後、橋本内閣で消費税率五%に引き上げられました。二〇〇三年の税制改正では、納税が免除される売上高の上限が三千万円から千万円に引き下げになりました。
これにより多くの個人事業者や零細企業が新たな納税者となりましたが、小さな事業者ほど消費税を売り上げに転嫁できません。そして、〇四年からの総額表示(税込み価格の表示)義務付けは、消費税引き上げの時に、消費者の目から高額になった税額を隠そうという魂胆でしょう。
先日も、谷垣・自民党政調会長は「消費税率引き上げが必要」と発言しています。国民の反応を見ながら消費税率引き上げの時期を探っているように思えて仕方ありません。消費税の引き上げは、個人事業主や零細企業が経営難に陥るきっかけとなり、すべての国民が増税(収入の少ない人ほど負担が重くなる)になります。
高齢者医療制度、介護年金、定率減税廃止、地方分権のための税源移譲による増税など、国民には重い負担を強いて、大もうけをした大企業には減税をする政府に対して怒りが爆発しています。
中小零細業者は闘うしかない
この数年で、取引先小売店の廃業が十軒近くにのぼります。この売り上げ減少に加えて業界全体も景気が悪いので、少しでも利益を稼ぐために、これまで製品で仕入れた商品を部品で購入して原価を下げています。寝る時間を削ってこれを組み立て、製品にしています。それでも昨年の年収は二百万円台(妻の給料の支払いはなし)でした。
中小零細企業は、団結して「大企業のための政治」を打ち破る闘いに参加しなければ、苦しい状況を変えることはできません。仕事に追われる毎日ですが、運動を組織するためにも重要な「学習」を仲間と始めました。政治を変えるまでがんばりたいと思います。
Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2008 |
|