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労働新聞 2008年4月15日号 通信・投稿
農村からの便り
新農政で家計は火の車
農外所得ゼロ、農業所得100万
滞納ばかり増えていく
農業 山田 幸男
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去年夏に投稿した、田舎町で農業と土方仕事で生計を立てている者です。全国の皆さん、その後、お変わりないですか。
ちょうど去年の今頃、土方仕事で腰を痛めました。足を上げられず、痛いのを我慢してひきずって歩いていました。
あれから七カ月間、治療しようと農業以外の仕事はしませんでした。整骨院に通ったり、薬草効果のある温泉につかったりしましたが、まだ完全には治っていません。でもずっと休んでもいられないのでハローワークに行きましたが、仕事は見つかりません。そこへタイミングよく、以前働いていた建設会社から声がかかりました。年度末に向けて仕事があったのでしょう。今も時々整骨院にも通い、サロンパを貼りながら仕事をしています。道路財源問題で事業が一時凍結になりそうなので、正社員ではなく日給制の身ですし、不安です。
そんなことで、去年は農外所得はほとんどありませんでした。農業所得の方は、コメと麦と大豆をつくっていますが、税務申告の時に計算したら百万円もありませんでした。
小農家に退場迫る農政
うちには、家の横に〇・五町歩と、その隣に小作で〇・二町歩、通りの向こう側に一・一町歩、あわせて一・八町歩の農地があります。
夏はコメと、コメを減反したところで大豆をつくっています。大豆なんて、豆腐とか味噌とか日本の「食」に欠かせないのに、輸入が九五%なんて、おかしな話です。
米の裏作で麦を十二月から五月にかけてつくっています。山手では小麦を大手製粉会社や地場製麺会社向けにつくり、平野で土地の条件がいいところでは品質がよく値段の高い大麦を主にビール用につくっています。五月二十日頃から大麦、六月に入ってから小麦の収穫ですが、今年はどんなものでしょうか。麦は収穫時期の天気、梅雨の影響で、とれる時ととれない時とで三倍ぐらい収量が違ってきます。長雨になると収穫できず、病気にかかってしまうこともあり、不安定です。
さて、去年から始まった「品目横断的経営安定対策」。
四ヘクタール以上の大規模農家か、二十ヘクタール以上の集落営農組織などに経理を一元化させて、そういうところでつくったものは高く買いましょうと、それ以外には補助金は出さないよ、というものでした。同じものをつくっても、大きな土地をもっていなければ補助が出ないなんておかしい。つまり、小さい農家は退場してくれという話でした。
私の集落は三十戸ありますが、経営規模は三反歩から二〜三町歩ぐらいの農家、作り手がいないところから小作で請け負って五〜六町歩やっている農家など、まちまちです。それが過渡的ながら「集落営農組織」となり、所有権はそのままですが、経理・販売・通帳は一元化されました。この先、完全に法人化させていくとのことです。
新制度で資金繰り困難に
これに伴って、これまであった輸入品との価格差を補填のしくみが大きく変更されました。たとえば麦では、すでに二〇〇〇年から政府買い入れだったのが民間流通になっていましたが、「麦作経営安定資金」で国内産麦に対して、年間固定の価格で、六月に出荷すれば八月には代金が入ってきました。大規模な土地で安価につくられる外国産のようにはつくれませんから、自給率を維持するためにこうしたことがやられてきたのです。
それが、いっぺんに入ってこなくなりました。一回聞いただけではわからないぐらい複雑な仕組みですが、簡単にいうと、当初は六、七月に出荷すれば十二月までに面積あたりの一定額の交付金、三月までに出荷量あたりの交付金、そして一年後に、価格が大きく変動した場合の補填分というふうに分けて入ってくるようになったのです。去年売った分で実際に最初に入金があったのは三月でした。
それまでにいろいろ経費がかかっているんです。燃料代からカントリー代、センター維持費、肥料代、農薬代…と。農協の通帳から落とされることになっているけれど、入っていないから払えない。うちの集落ではまだありませんが、資金繰りに困って離農した人もいると聞きます。
しかも、集落営農組織にお金がまず入り、そこから個別農家に分配されることになったので、現金をなかなか手にすることができません。
農民の不満と不安が去年の参院選での自民党大敗の要因になったものだから、その後、中身がころころかわっていきました。代金支払の問題も「利息一%で貸付してできるようにしよう」だとか。「対策」の名称まで変えることになったようです。先行きどうなるか分からないことだらけです。
うちは、ほ場整備の負担金の支払も滞ってしまっています。整備した当初は「コメの値段がこれぐらいだから、反あたり二万円、コメ一俵分ぐらいなら支払える」という話だったのですが、コメの値段が下がっているし、払うのがきつくなっています。先日、「払えなかった場合は差し押さえも考えられます」と督促状がきました。住民税滞納で役場の税務課の人に直接催促に来られましたが、今度は土地改良区の方からも来るでしょう。燃料高騰の問題もあります。所得が減っている中で困ったことです。
自給率を上げよう
やっぱりなんといっても食糧自給率が低いことが問題です。カロリーベースで四〇%しかないなんて、そもそもおかしいんです。欧米諸国は結構高いですが、米国とかオーストラリアみたいに大規模な開拓はできないにしても、日本が特別に条件が悪いわけではないし、高くあげられないこともないはずです。食料はなるべく近いところでつくったものを食べるべきです。
農業以外の他の産業もそうではないでしょうか。国内では成り立っていかないから外国へみんな出ていくのであれば、何が残るでしょうか。国の政策を抜本的に見直していかないと、国民が暮らしていけません。
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