労働新聞 2008年3月15日号 通信・投稿

売上収入は月12万〜15万円
配達単価50円が30円にダウン

ガソリン高騰で生活に大打撃
自己防衛では追いつかぬ

メール便運送業 鹿田 隆


100部配達して3000円
 「ガソリン価格また上昇」。今日もまたこのニュースが流れてきました。何度聞いたことか、うんざりしますーー。
 私は田舎町で、大手のメール便、カタログとか書籍などを請け負って、軽トラックで配送する仕事をして十数年になります。ガソリン価格の値上がりがそのまま収入に響くので、本当に困っています。
 メール便請負のドライバーの収入は完全出来高だけです。そのほかに何の保証もありません。単価は以前は五十円だったのに、今や三十円です。二十九円にするという話もありましたが、さすがに反対の声が大きく、今のところ三十円です。百部配達するものがあれば、三千円という具合です。
 配送エリアは、田舎町の山も近いところですから、都会と違って家がまばらです。たった一つの荷物を届けるのに、山を越えて走らなければならない時もあります。
 私は単価三十円で請け負っているだけですから、ガソリン代が出るだけで、バカらしくなります。だから、そういう時は、カタログなど時間の迫られていないものは、配送センターにためておいてから配達します。
 また、送り先が転居していた時は送り主に戻しますが、最近はポストに表札が出ていないことも多いので、後になって「うちにこんな人はいません」と苦情がくることもあります。
 メール便は「信書」でないから印鑑もとらず、「何があっても知らない」というようなものです。しかも、配達するのは一部三十円ぽっきりのドライバー。二度手間になれば、稼ぎになりません。ボランティアじゃありませんから。

車も買い換えが必要だが……
 収入は、毎月十二万円から十五万円ぐらいです。支出は、まずガソリン代。近辺でいちばん安いスタンドの会員になって、「二円」安くなる土日にたくさん入れるよう、平日は千円ずつ、週末に三千円という具合に給油しています。最近は月二万円くらい。家だけは古い持ち家があるので住居費は助かっていますが、水光熱費、食費、保険などを引くと、ごくわずかにしか手元に残りません。その中から、毎月千円ずつ貯金しています。
 おまけに来月にはトラックが車検期を迎えます。古くなって燃費も悪くなって、ガソリンを食うし、あちこちにガタがきています。ホロも破れて、とりあえず補修はしていますが、これも変えなければなりません。いっそのこと車自体を変えてしまおうかとも思いますが、月々の支払いが重くのしかかるし、どうしたものか考え中です。
 ついでながら、今年の正月はがんばって三が日も働きました。ところが、住民税が高くなりました。これでは、まったくなんのためにがんばったのかわかりません。
 いっそのこと、仕事を辞めてしまおうかと思うけれど、生きていくために仕事をしないわけにもいきません。
 そして、またガソリン価格の上昇……自己防衛しようにも、どうにもならないものがあります。「原油の高騰で農家が悲鳴」という話が前号の「労働新聞」にも出ていましたが、みんな大変なんですね。こんなことにならないよう、国際的な金融とか投機の動きを規制するとか、仕事をしたら正当な対価を得られるような仕組みをつくっていくとか、そういうことが必要だと思います。


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