労働新聞 2008年3月15日号 通信・投稿

オレたちの春闘始まる
切り詰め生活も限界

ストで闘えとの声高まる
賃上げ要求は9000円だ

中小電機工場労働者 赤谷 勇


 自動車や電機など大企業の春闘が、だいたい昨年並みの水準で決着しそうだ。闘う前から結論は見えていたようなもので、この間ボロもうけしてきた多国籍大企業・大手がこんな具合だから、結局、中小企業の賃上げは抑え込まれてしまうと思うと腹立たしい。ボーナスは俺たちの何倍も取っており、格差がどんどん広がっていく。
 俺たちの春闘は、十三日が第一回目の団交で、これからだ。今年の要求は九千円の賃上げと退職金の積み上げ、労働時間の短縮などで、これは産別の統一要求だ。だが、ここ数年、まともに要求を勝ち取れたことはない。私の会社には、同じ連合に加盟しているが、別の労使協調組合があるので、結局、押し切られてしまうのが実情だ。
 会社は、十数年前から中国に子会社をつくって、生産の主力は中国においている。中国の従業員は国内の三倍もいるが、設備は国内より劣り、手作業も多いと聞く。安い賃金でこき使っているのだ。それでもうかってきたのだが、やはり原材料の値上げや売上げの低迷で業績はかなり悪くなっているようだ。サブプライムローン問題など世界的な景気後退で、この先どうなるかわからない。生産の主力をおいている中国もどうなるかわからない。多国籍大企業のように、世界のあちこちに展開しているわけではないのだ。
 今年の春闘は、これまでにもまして厳しくなりそうだ。福田首相が「賃上げを」といってみたところで、何の足しになるだろうか?

生活が苦しくなるばかり
 オレは、会社に入って三十数年になり、手取りは二十万ちょっとで、ここ数年は実質賃金は下がっている。とくに市県民税の引き上げで、去年から月に五千円以上も負担が増えた。ガソリン代やいろんなものが値上がりしている。
 オレの会社では、五十五歳以上は基本給が二割カットされる。もうすぐ目の前だ。月四万円の賃下げで、ボーナスももちろん下げられる。なんとか共働きでやってきたが、ますます生活は苦しくなる。
 産別が実施した春闘アンケートでも、六割の人が、一年前に比べて生活が苦しくなったと答えている。楽になったという人は一%しかいない。一人当たりの作業量が増えたという答え、残業や休日出勤が増えたという答え、有給休暇が取りにくくなったという答えが、一年前に比べて、いずれも増えている。
 家計のやりくりでどうやっているのかで多い順では、娯楽・レジャー費の切り詰め、食費の切り詰め、衣料品の切り詰め、貯蓄・保険を抑える、家族が働くなどの順になっている。
 だから、春闘についても、ストライキで闘え、時間外拒否で闘えなどという切実な声が高まっている。

高まる政党不信
 しかし、それだけでどうにもならんという声もある。会社に対する怒りはあるし、闘いは当然だ。労働者がこうした闘いを積み上げて団結を強め、社会的に発言力をつけて、政治を大きく変えないとどうにもならんと思う。
 ところが、テレビやマスコミが二大政党制を騒ぎ立て、民主党を支える連合によって、産別でも民主党への幻想が広げられている。
 「いま選挙になったらどの党に投票するか」というアンケートに対して、昨年までは社民党と民主党はほぼ五分五分だったのだが、今年の回答では社民党は大きく減って、民主党に投票するという答えが六割以上に増えている。自民党に投票するという人も少し増えている。社民党は選挙に立てないから仕方ないが、やはり民主党への幻想が広がっているのかと思う。
 ところがオレのまわりでは、「民主党なんて自民党と同じじゃないか」という声はけっこうある。「道路特定財源のことなど選挙目当てだ。デタラメなことを言っている」「これ以上公共事業が減ったらオレの会社はつぶれてしまう」などだ。政治不信のほうが目立っている。
 組合で決まったからといって、本当に支持できるわけではないので、選挙には行かない人が多い。労働者は自分たちの政党を持たなくてはならんと思う。「なんとかならんのか」と毎日腹の中でくやしい思いをしているのは俺だけではなかろう。


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