労働新聞 2008年2月15日号 通信・投稿

俳句作りを楽しむ(3)

だれでも作れる俳句

水津 哲


俳句は明治時代に誕生!
 「俳句は明治時代になってから、初めて俳句になりました」と言ったら、えっ! と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
 江戸時代にも、芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」や、一茶の「やれ打つな蝿が手をすり足をする」などの作品があります。
 それでは、芭蕉や一茶の作品はなんと呼ばれていたのでしょうか。それは俳諧の「発句」(ほっく)と言われていたのです。
 正岡子規という人が、「俳諧大要」(一八九五年)で、「俳句は文学の一部なり、俳諧は文学にあらず」と宣言して、俳句は新しく出発したのです。つまり、五・七・五・七・七・五・七……と連綿と続く俳諧(連句)の下の句である七・七以下を切り離して、五・七・五の十七音のみの句で独立した形式になりました。ですから、俳句は誕生して、まだ百年と少ししか経っていない、新しい、まだまだ発展途上の詩型といえます。

感じたことを言葉にしてみよう
 俳句はだれでも作ることができます。
といっても、最初はどうしてよいか、とまどうかも知れません。俳句を作ろうと思ったら、まず、指折り数えて五・七・五にしてみて下さい。

あぶらぜみ空をいためて食べている     恩田皓充

 この句は数年前、「俳句界の新星・十三歳鮮烈にデビュー、小さな一茶誕生」と宣伝された句集『青空のゆびきり』のものです。あぶらぜみのジージーという鳴き声を炒めものをしている音のように感じ、あぶらぜみが空を炒めて食べているととらえたのです。少年の新鮮な発見と、驚きがここにあります。
 俳句も他の文芸と同じように、作者の年齢に応じた作品が生まれるはずです。人生の経験を積んだ人には、その深い経験が必ず作品に表われます。あなたもチャレンジしてみませんか。

レッスン1
 まず、作ってみよう。言葉(季語) を当てはめる
 ともかく、俳句を作ってみましょう。季語を入れると簡単に俳句に仕立てることができます。俳句は四季の変化に学ぶことが多く、焦点をそこに当ててみるのです。寒い、暑い、涼しい、といった感覚はだれにでも共通している感じがあります。第一歩はこうした日常の感じ方を大事することで道が開けます。
 まず、冬の季語を使った句を見てみましょう。
 俳句は言葉のパズルと考えて、五・七・五の定型を生かし、初五・中七の部分は、季語と関係のない言葉を置き、下五に季語を入れた例です。

くれなゐの色をみてゐる寒さかな        細見綾子

 「寒さ」が冬の季語で、「い」が「ゐ」と、旧かな使いで書かれています(俳句には、旧かな使いが、けっこうあります)。あざやかなくれなゐ(紅)の色を見ていると、いっそう寒さが身にしみてくると作者は感じているのです。物音もしない静まりかえった様子さえ想像できます。
 上五・中七・下五のどれかに季語を入れて、その他の部分には、季語と関係ない風景を描写(言葉を入れる)する。この形が俳句の基本型の一つです。(三月十五日号に続く)


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