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労働新聞 2008年2月15日号 通信・投稿
Sちゃんから久しぶりの電話
「労働法について教えて」
もう黙っていられないわ
賃下げで上司に詰め寄る
関岡 優子
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「時給下げるのは 納得できない」
久しぶりにSちゃんから電話がかかってきました。半年ぐらい連絡を取り合ってなかったので、「元気にしてるかな」と思っていたところでした。
「いま図書館にいます。労働法についての本を見て調べているんですが、分からないことがあって、教えてほしいんです。明日の朝ミーティングの時に、どうしても上司に言わなきゃならないことがあるんです。時給が八百二十円から八百円に下げられてしまうかもしれなくて……納得できないんです」とのことでした。
私は労働組合の役員をしているので、時々Sちゃんにも働いている私たちの権利について話をしていました。Sチャンは二十歳代後半の私の若い友人の一人です。
職場は女性が多い清掃業務
Sちゃんが働いているのは、県外に本社を持つビルメンテ会社です。市内の大きな病院や大型ショッピングセンター、遊園地等約五カ所の清掃や受付業務をしています。各職場ごとに責任者がいて、その上に市内五カ所を見廻り管理指導するマネージャーがいます。責任者とマネージャーのみが正社員で、あとはパート・アルバイトという身分です。
Sちゃんの職場は、ホテル施設もある大型遊園地です。身体を動かす今の仕事が性に合っているとのことで、他の職種も経験したのですがこの仕事に戻りました。勤務年数は延べ四年目に入っています。募集広告によれば「都合のつく時間に好きな時間だけ働ける職場です」とうたわれているそうです。
そのため十五人ほどいるパート・アルバイト社員は子育て中の女性が多く、独身で若いSちゃんは皆が入れないシフトもこなし、一日実働七時間働いています。
ミーティングで思い切って質問
責任者が二〜三人の人たちに「自分の都合ばかりでシフトへの協力も悪い。これからはQC活動への協力度やシフト協力等について評価して、時給も差をつける。八百円の人も出るからな」と言ったそうで、皆の中に不安が広がりました。「入る時にそんなの聞いていないし『好きな時間に』とあったし、QC活動なんてどこにも書いてなかったじゃない」と休憩時間にも話が出ました。
電話で話を聞いた私は「まず雇用契約書を確認し、一時間八百二十円であることがきちんと明記されているか、評価で時給を決めることが書いてあるか、書いてないのであれば会社の契約違反であり基準局に訴えても労働者の方に軍配が上がるよ」と伝えました。
翌日のミーティングで、Sちゃんは思い切って手を上げて質問し、同席していたマネージャーをもびっくりさせました。「もしこんなことが通るのならば私は労働基準局に相談に行きます」とまで発言しました。
あわてたマネージャーが「そんなことはありません。八百二十円でこれからも働いていただきます。心配しないで下さい」と言ったそうです。ミーティングが終わったあと「ありがとう、よく言ってくれたわね」「若い子は勇気があって違うわ」「助かったわ」と職場の皆んなが声をかけてくれたと、報告の電話の声ははずんでいました。
会社の目的は、まずSちゃんの職場でこの賃下げを成功させ、市内の他の各職場に広め、全社へと拡大していくことだったのではないかとわかってきました。
職場はおかしいことがいっぱい
いまSちゃんは「いつ辞めても未練はないって思ってましたが、考えたら有給休暇もないんですよ。おかしいですよね」と、次は有休のことを取り上げようと思っているらしいです。
「私だけが文句を言ってるみたいだけど他の人にも労働法があることを知ってほしいし、法律を守らない会社に、守らないと痛い目に合うことを思い知らせてやりたいんですけどね」と言っています。
一回目は会社もすんなり引き下がりましたが、有休を文字通り与えなければならないとなると、壁は厚いかもしれません。どうしたら壁を破ることができるのか、Sちゃんといっしょに考えていこうと思っています。
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