労働新聞 2007年11月5日号 通信・投稿

休み増えて生活できない
有給休暇をよこせ

トヨタ式導入で人減らし
やはり労働組合が必要だ

契約社員 田所 毅

4年前に再就職
 私は工場内作業の請負を中心にしているT社に、契約社員として働き始めて四年半になります。この会社の従業員は約百五十人いますが、ほとんどは契約社員やパートと呼ばれる非正社員で、社員は幹部を中心にして十人程度しかいません。
 前の会社を定年で辞めて再就職した人や中年の主婦、五十歳以上の人がほとんどです。そういう会社ですから賃金は低く、社会保険や雇用保険にも加入していません。私は五年前に体を壊して前の会社を辞め、その後再就職先を探したのですが、すでに四十歳半ばを超えていたため、正社員として採用してくれるところはありませんでした。どうにか採用されたのが今の会社で、時給千百円で働いています。

「改善」で定数削減
 私の職場は大手食品会社関連のM社工場にあります。このM社は約一年前からトヨタ系列のコンサルティング会社に依頼して、トヨタ生産方式の目玉となっている4S活動(整理・整頓・清潔・清掃)に取り組んでいます。4S活動を通じて作業や在庫、管理のムダ、ムリ、ムラを徹底して減らし、効率を上げていこうというものです。
 社内では4S活動を進めていくためにドリームチームと呼ばれる組織をつくり、ここが工場内の全職場を回って「ここをああしろ、あそこをこうしろ」とさまざまなことに口を出して、「改善」を進めています。
 出退勤のタイムカードを押す工場内の通路には看板を天井から大きく掲げ、壁にはどこをどう改善してどういう4Sができたか、どういう効果があったかを職場ごとに写真をつけて展示するようになりました。職場の定員数の見直しも行われ、私の職場は今年の七月までは三人でしていた作業を、八月からは二人でやることになりました。

夏から仕事量が激減
 このM社、昨年は売り上げが伸びて仕事が忙しく、中途採用の正社員を十数人増やしました。ところが最近は仕事の量が減ってきています。私の職場は七月、八月、九月と仕事がないので金曜日が休みになったり、木曜日まで休みになったりしました。休んだ日の分の賃金はありません。最近は、他の職場でも仕事が減ってきて、T社のパート社員の勤務時間が減ってきました。M社の雇用を優先するために職場の配置転換を進めて、T社のパートを減らすかもしれないという話が出ています。
 私といっしょに仕事をしている相方は以前自営業をしていたのですが、経営難で店をたたんでT社に契約社員として入って五年になる五十五歳の男性です。T社の賃金だけでは足りないので、日曜日にはアルバイトをしています。最近仕事の合間に出る話は、「M社の仕事が減ってきた。俺たちの雇用も危なくなるんじゃないか。休みが多いと生活できないな」などというものです。先日、冗談半分に「会社に年休よこせ闘争でもしましょうか」と言うと、「俺はやらないがやってくれ」と返事が返ってきました。

働く仲間の連帯を
 労働基準法には、契約社員でもパートでも半年以上働けば年休は出さなければいけないと、書かれていますが、実際は、会社と働く側との力関係で決まってきます。以前、私がこの会社に「年休をくれ」と言ったところ、「うちでは年休は出さないことにしている」という返事でした。「どうしてもダメか」と何度か迫ったのですが同じことでした。他の同僚にこのことを話すと「あまりうるさく言うと、もう来なくていいと言われるからな」と、契約更新が断られることを心配して強いことは言えないという状況です。
 けれども、最近のように仕事がないと生活ができなくなります。少しでも年休をもらえるようにして何とかしのぐか、いよいいよ仕事が減ってくると、会社を替わることも考えなくてはなりません。けれども五十歳を超えての再就職は簡単ではありません。会社を替わっても、そこでの賃金、労働条件が今より良くなるとは思えません。
 結局は、今の会社の賃金や労働条件を良くすると言うのがいちばん良い方法のようです。そのためにはやはり、労働組合が必要です。T社にもM社にも労組はありません。何とかしなければと思い、まずは働く仲間の連帯感と親睦を深めようと、職場の仲間をカラオケやレクレーションに誘い、輪を広げています。


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