労働新聞 2007年6月25日号 通信・投稿

食事会で仲間たちの本音
こんなにきつくて安月給

「みんなでストしようか」

派遣・工場労働者 今村 勇太

 私は派遣労働者として毎日毎日、工場での過酷な労働に耐えながら、家族四人の生活を支えるために安月給で働いています。職場で聞いた働く仲間の声や実態についての「一コマ」を紹介したいと思います。

◆生産体制変更でクビになった仲間
 六月に入ってから、派遣労働者の仲間が職場を去って行きました。職場の生産体制が変わったからです。それぞれ、また別の道を歩んでいます。
 一人は同じ派遣先会社から別の職場に移りましたが、「いまの会社は余り面白くない」とメールをしてきました。もう一人は、同じ派遣会社と縁を切り、翌日からハローワーク通いです。あまりにも待遇が悪かったからです。「早く就職先を決めて落ち着きたい」とメールをくれました。パートで働いていた労働者も解雇されました。

◆解雇なのに解雇じゃない?
 日頃は、勤務体制(三交替)が違うので、ゆっくり話す機会がありませんでしたが、職場で顔を合わせれば私から声をかけていました。ある派遣労働者は、退職の少し前に「職業訓練校に行って技術を学びたい」と言ってきました。それで私は翌日、通勤途中にハローワークがあったので、資料をもらってきました。それを渡したら、ニコニコして喜んでくれました。
 しかし、問題がありました。派遣されている元請会社から「人員を減らしたいので相談して決めてくれと言われた。給料が安かったので、私が辞めると申告した」と打ち明けてくれました。これは「実質的な解雇」だったので、当の本人は、当然にも失業保険を生活の糧にして、訓練校で技術を取得したいと考えたようです。
 しかし、この労働者は一年契約の派遣社員です。だから、「解雇」ではなかったのです。派遣会社は別な現場を紹介してきました。「会社見学をしたらそう悪くなかった」ということで、翌日からその会社に勤務することを決めましたが、賃金や人間関係も含め、長く続きそうにないようです。
 また、ある派遣労働者が私に、有給のことや時給のことについて聞いてきたので、派遣会社の人に聞いてみました。派遣会社の人からは、有給については「一年で十日間、二年以降は繰り越せない」と。時給については「あとから入ってきた派遣会社の時給が高いからと、うちがそれに合わせれば、また時給を上げてくる。そんなことをしていたら派遣会社の利益がなくなる」という返事でした。
 派遣会社の誠意のない返答をみんなに伝えたら、「ボーナスなし。寸志さえない。別な派遣会社に変わろうか」との声が、冗談まじりに出ました。

◆「こんな給料では結婚できない」
 こんなこともあって、みんなで夕食でも食べようということになりました。そして、先日、数人の仲間と食事をしました。日頃は言えない会話を延々と交わしました。それぞれの人柄もよくわかりましたし、私にとっても勉強になりました。
 印象的だったのは、ある一人が「肉体労働のわりには給料が安すぎる。みんなで一斉に休もうか。ストしようか」という言葉でした。まだ二十歳そこそこの青年です。どこでそんな言葉を知ったのか。今度、会ったときにでも聞いてみようと思っています。
 給料は安くても、楽しい職場です。が、「とてもこんな給料では結婚できない」と、ある労働者が話してくれました。共に激励し合いながら、少しづつでも、今の社会のことを知ってもらうために、私もいろいろ勉強しながら、労働者の未来について語れるようになっていきたいと思っています。


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